影長ノアの一日
〘5時 起床〙
ノアは、サイドテーブルに置いてあるピアスを左耳に着ける。
その他の支度もして、裏庭で鍛錬をした後、使用人用の食堂へ。
「おはよう、ノア。」
「ロック料理長、おはよう。今日も美味そうだな。」
「ノアは、コメ派だったよな?」
「ん?ああ。」
「しかし、今日のパンはプルメリア様のスジ煮入りだ。」
「パンを頂こう。」
「そう来ると思った。」
〘6時30分〙
「クロ、そろそろ時間だ。」
「はい。しかし、良いところですよ!」
「ん?」
護衛対象のプルメリア様を見ると、ジェイク様と手合わせの最中だった。
「なるほど。相変わらず美しいな。」
「今では、社交界で月の女神と言われるほどですからね!」
「ああ…。」
以前は、野蛮な猿と言われていた方が、戦いの女神になり、今度は月の女神…。
プルメリア様自体は、何も変わっていないのにな…。
〘7時 ジェイク様とプルメリア様朝練終了、仕事開始〙
影は待機…。
夜勤からの申し送りと、本日の打ち合わせなどを行う。
本日のアルスト様担当はヤミ。プリムローズ様の担当はネーロだ。
お二人共、まだ専属は決められていない。
そもそも、影をつけるのかどうかも分からない。プルメリア様についているのが特別なのだ。きっと、影ではなく、一般の護衛がつくだろう。まぁ、この家は侍従や侍女も戦闘訓練をしているので、影や護衛騎士でなくても問題はない。
〘8時 エメラルド家朝食〙
ご家族が家の中で過ごされている時は、呼ばれない限り、基本的に外の警護や見廻りをしている。
〘9時 ジェイク様仕事へ〙
散歩に出られるプルメリア様とお子様達の見守り。
〘12時 昼食〙
交代で昼食休憩。
今日は食堂で姉上と一緒になった。
「あー。アルスト様もプリムローズ様も可愛いわぁ!」
「そうだな。」
「私も子供が欲しくなっちゃう!」
「相手はいるのか?」
「…いないわよ。」
「なら、無理だな。」
「もう!そういう事じゃないのよねー。」
話が止まらない姉上を横に、話を聞き流しながら食事を終えると、少しの昼寝。
以前、プルメリア様が
「少しのお昼寝は、頭がスッキリして仕事の効率が上がるわよ。」
と言っていたので実践してみると、その通りだった為、続けている。
15分ほどで目を冷まし、仕事を再開。
〘14時 プルメリア様との手合わせ〙
「ノア、よろしくね。」
「よろしくお願い致します。」
プルメリア様の息が上がり始める。
お子を産んでから、まだ1年経っていない。体力が戻りきられていないか。
「ふぅ…。」
「お疲れ様でございました。」
「まだ、完全に戻らないのよね。まぁ、始めは護身術の為に習っていたのだから、時間稼ぎさえできれば良いのだけれど…。」
「…また、お相手させて頂きます。」
「ありがとう。」
プルメリア様は家の中へ戻る。
その後は、見廻りや、外の警護。
〘18時〙
ジェイク様の帰宅を待って、1日の報告。
1日の様子などは執事長のサムから話が行くと分かっているので、警護方面のみの報告をする。
「本日は、問題ありません。」
「そうか。ありがとう。」
「失礼致します。」
最後に、夜勤者への申し送り。
〘19時 仕事終了〙
自主練習の為の走り込みや、影や護衛騎士達との手合わせ、侍従への戦闘訓練などを行う。
そして夕食を食べて、身支度を整えて寝る!
〘22時 就寝〙
左耳のピアスを外し、サイドテーブルに置く。
「今日もありがとうございました。明日もよろしくお願い致します。……おやすみなさい。」




