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33 怪我の治癒

私は怪我のため、療養中だ。

安静にと言われ、必要最低限しか動くのを許してもらえない。

散歩に行こうとして、怒られた。


「暇だわ。」

「リア、良い機会だから結婚式の準備をしてしまったら?」


横で監視(?)しながら、刺繍していたお母様が提案してくれるが、それも今出来ることはない。


「お母様。招待状はもう出すだけですし、ドレスは足が治ってからジェイクと話し合います。その他もひとりでは決められませんよ?」

「それも、そうね。」

「杖もありますし、散歩に行っても大丈夫だと思うのですが…。」

「また痛みが出たらどうするの?駄目よ。」

「…はい。」


なんか、ベッドにいると昔を思い出すわね…。


「プルメリア様。エメラルド様からお手紙が届いております。」


カルアが手紙を持ってきてくれた。


「ジェイクから?」

「リア、私は外すわね。でも、安静にしている事!」

「分かっています。」


お母様は念押ししてから部屋を出ていった。


「心配性ね…。さて、手紙は何かしら。」


私は手紙を読んで、申し訳なくなった。


「そうか。グレイさんが犠牲になったか…。まぁ、近くにいる人と噂は出るわよね。カルア、手紙の返事を書くわ。」

「用意致します。」


すぐに、ベッド用のテーブルと便箋などを用意してくれた。


「ここでなくても、テーブルの所位行けるのよ?」

「安静です。」

「はい…。」


私はそのまま手紙を書くことにした。


『リカルド殿下とは、そういう関係ではないと説明するしかないかと。それでも、打開策をと言われれば、恋人を作る事ですかね。グレイさんを信じて、想ってくれる人が必ずいます。』っと。


手紙を書き終わり、カルアに渡すと出しに行ってくれた。


そんな特になにもない日々を過ごし、1週間程で医者から治癒したと診断を受けた。





「戻ってきたわ。自由に動けるって素晴らしい!」

「プルメリア様、無理は禁物ですよ。」

「は~い。」


私は学園に戻ってきていた。

明日からは授業にも出る予定だ。


現在は授業の時間なので、寮には誰もいない。


「ライラ、ノア、ネーロ。」


部屋にいる3人を見た。


「「「駄目です。」」」


それだけで、3人には通じたのだろう。声を合わせて拒否された。


「何故?怪我も治ったのよ?身体が鈍ってしまうわ。」

「今、無理は禁物だとお話したばかりですが。」


これでは、家と変わらないような…。


「そうだ!散歩ならいいかしら?」

「…それなら。」


ライラから許可を得て、動きやすいシンプルなドレスに着替えて、3人と一緒に部屋を出た。


途中で、ジェイク様からの手紙を受け取り、裏庭へ向かった。裏庭に着くまでに、ノアとネーロは姿を消した。


「あら?グレイさんも一緒なのね。」

「リア、呼び出して、すまないな。足の具合はどうだ?」

「この通り、治りましたよ。」

「良かった。また、散歩や遠出が出来るな。」

「はい。楽しみです。」

「次の休みだが、」

「盛り上がっているところ、申し訳ありません!」

「?」

「そうだった。グレイが話があると。」

「話ですか?」

「はい!以前隊長伝いでお聞きした打開策についてです。」

「…ジェイク。今は仕事中なの?」

「いや。休憩中に来ている。グレイは休みだ。」

「それならグレイさん、畏まることはありません。楽にしてください。」

「いや、しかし…」

「ジェイクからの手紙の内容で、グレイさんとジェイクが親しくしている事は分かります。」


グレイさんはジェイクを見た。

それに、ジェイクは頷く。


「はぁ…。分かりました。お言葉に甘えて、完全には無理ですが、力を抜かせてもらいます。」

「そうして。それに、私の事はプルメリアで良いですよ。」

「えーと、それは…」


またジェイクを見ている。


「あら?またジェイクが気になります?大丈夫ですよ。ジェイクは愛称で呼んでいるし、特別だもの。ね?」


私がジェイクに笑いかけると、ジェイクも笑いかけてくれる。


「ああ、そうだな。」

「…お前、簡単だな。」

「ふふふっ。それで、打開策についてだったかしら?」

「はい。恋人を作ればいいと。」

「ええ。」

「俺とリカルド殿下がデキていると噂があるから女避けになるのでは、とも考えまして。」

「だから、本当のことを話してもいいのかと言う事?」

「はい。」

「リカルド殿下に関する誤解を解いてはいけないけれど、グレイさんの事については大丈夫だと思いますよ。グレイさんが違ったら、他の方が相手になるだけだから。もしかしたら、今もグレイさんだけではなく、他の方とも噂があるかも。」

「え?」

「グレイさんの彼女がどんな噂を耳にして、別れ話を考えたのか分からないけれど、噂は1つではないと思うの。そういうのが好きな方々がいるから。」


グレイさんはキョトンとしている。


「ジェイク。俺はどういう事か分からないんだけど…。」

「俺も分かっていない。」

「分からなくて良いの。とりあえず、自分を信じてくれる人か、事情を知っている人と恋愛する事をオススメします。」

「事情を知っている人ですか…。」


グレイさんはそう言って、チラリとライラを見た。


「あら?」


もしかして、小説に有りがちな状態になっている?


「リア、どうした?」

「いいえ。何も。」


まぁ、流れに任せましょう。



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