ジェイクside
俺はリアがダンスに誘われている所や、リカルド殿下との親密な雰囲気を見て、心がモヤモヤしていた。
すぐに嫉妬する自分に呆れるが、リアに話すと、それが嬉しいという。
俺は照れくさくなり、飲み物やつまみを会場に取りに行った。
それが間違いだった。
俺が外に戻ったとき、リアの姿がなかった。
「リアは、どこに行ったんだ?…トイレか?」
その時、遠くからリアの声が聞こえた。声の方を見ると、リアが黒尽くめ数人に囲まれていた。
俺は皿を投げ出し、夢中でリアのもとに向かう。途中で、リアの腕が黒尽くめに掴まれるのが見えた。
俺のリアにさわるな!
走るスピードを上げ、そのまま敵に突っ込む。オパール家の影も異常を感知し、やって来たようだ。
ドスッ!
そこでリアが蹴りを受けてしまった。
「リア!」
頭が熱くなり、俺は眼の前の敵を殲滅する事にした。
しかし、リアに止められる。
そうだ。誰に指示されたのか話してもらわないと。…生かすしかないか。
「チッ!」
勝負はすぐについた。犯人達は後から来た騎士団に引き渡す。
俺はリアしか見ていなかったが、アメシスト嬢と、その婚約者もいた。バートンは頭を殴られ、気を失っていたため客室で手当、休憩する事となった。
「リア、痛むか?」
「いいえ。大丈夫です。」
リアは痛みを否定するが、蹴りが入ったところが痛むはずだ。腕にも手の形をした大きな痣がある。
掴まれた時のか。…あいつら!
リアは、俺の手を支えに立ち上がるが、足も痛めたのだろう。顔が痛みで歪む。
「足を捻ったみたいです。」
俺は、リアの腰と膝裏に手を入れ持ち上げた。
「ジェ、ジェイク。おろしてください。少し支えてもらえれば、動けます。歩けますから!」
「黙っていろ。」
俺は犯人だけでなく、自分にも腹を立てていた。
あの時、そばを離れなければ…。
そして、オパール侯爵が帰った後だったので、スターチスにリアを治療のため我が家へ連れ帰る許可を取る。さらに母上にも許可をとると、母上も一緒に帰宅してくれると言う。
もっと良い時に我が家へ招待したかったな。
俺達は馬車に乗り、自宅への帰路についた。
「貴方ねぇ。そろそろ下ろしてあげてはどう?プルメリアが困っているわよ?」
リアは今も横抱きのまま俺の膝におり、顔は真っ赤になっている。
「怪我をしているんだ。馬車の揺れが響くだろう?」
俺はリアを離したくなかった。眼の前で怪我をした光景が浮かんでしまう。
「大丈夫です。ジェイク、下ろしてください。」
リアにもお願いされるが…
「断る。」
怪我が治るまで、我が家にいてもらおう。
オパール侯爵に連絡し、許可を得て…。
いや、しかし俺は学園で仕事がある。
「無理か…。」
「ジェイク?」
「いや、何でもない。」
我が家に着くと、母上が色々手配してくれる。俺は客室へリアを運び、ベッドに寝かせる。
「リア、痛む所は?」
「今の所、足だけです。」
「後から痛くなる事もあると言う無理はするな。」
「はい。お手数をおかけしてすみません。」
「リア、約束を覚えているか?」
「約束ですか?」
「…忘れているなら良い。」
医者がやって来た為、俺は部屋を出る。
その後戻ると、リアは痛み止めを飲み、寝ていた。
話は、また明日だな。




