ジェイクside
今日はリアの誕生日。
待ち合わせ場所に少し早く着き、待っているとリアがやって来た。
美しいな。
リアには、やはりこういう服が似合う。
馬車の中では、リアに見入っていて話を聞いておらず、リアを怒らせてしまった。
正直に話したらすぐに許してくれたが、怒ったリアが可愛いと思ってしまったのは言えない。
馬車から降りるときに手を差し出したまま、リアの手を離さず歩き始める。
リアの社交会デビューのエスコートの話や、食べ物の話をするリアは喜んでいて、連れてきてよかったと思わせる。
食べ歩きにも抵抗がないのは、記憶持ちだからというのもあるのだろう。
途中、リアの足が止まった。
前世で石が好きだったようだ。それは、宝石と違って安いものだが、気に入ったものが見つかったようで良かった。
リアは俺にも早めのプレゼントをくれた。
はじめは断ったが、貰うと嬉しい。
早く付けたくてウズウズする。
それは、リアも同じだった様だ。
「せっかくなので、付けてもいいですか?」
「ああ。」
袋から出し、付けようとするが上手くできないようだった。
「付けようか?」
「え、あ、お願いします。」
俺は後ろに回りネックレスをつけた。
「ありがとうございます。」
後ろを向きながら、いい笑顔をくれた。
リアの首元で、俺の目の色の石が揺れる。
証を付けて笑っているリアを見て堪らなくなる。
これは、…優越感か?充足感か?
この美しく、可愛い人が俺の婚約者なのだと、言い回りたい。
…抱きしめたい。
いや、ここは人目があり過ぎる。
我慢、我慢だ。
「せ、せっかくだから、俺も付けるか。」
チェーンは仕事中にも騎士服の中でつけれるような長さと、丈夫そうだが邪魔にならない重さ、太さであるものにした。そのため、つけるのも首に通すだけで簡単だ。
袋から出し、首を通そうとすると、
「あ、私が。」
リアが手を出した。俺は、少し迷ったがリアに渡した。
「…頼む。」
リアは受け取り、背伸びをする。俺が少し屈むと俺の首にネックレスをかけ、ペンダントトップを撫でた。そして、にこりと笑う。
思わず、顔を背ける。
美しい…。
先程は可愛かったのに、今度は美しい。
何だ?煽っているのか?
いや、まさか。しかし…
再びリアを見ると、顔を背けられたことは気にしていない様だ。自分のネックレスを嬉しそうに指で触っている。
何、何だ。
今度はまた可愛い。
俺は試されている!?
神に試されているのか?
俺が葛藤していることを知る由も無いリアが、次の目的地を決めた。
「ジェイク。今度はたこ焼きが食べたいです。」
「あ、ああ。食べよう。」
俺は、リアに手を引かれ歩き出した。




