表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/72

オパール、エメラルド両家side

-----オパール家 ウェルク-----


ある日、家で仕事をしていると、人の気配がした。


「誰だ?」

「失礼します。プルメリア様からお手紙を預かってまいりました。」

「お前はリアに付いている影だな?」

「はい。」

「まだ、学園初日だと思うのだが、何かあったのか?」


手紙を受け取り、目を通す。


「……………はああああああああ!?」


屋敷中に声が響き渡る。


「ウェル様、どうなさったの?」

「旦那様、どうなさいましたか?」


声を聞いた妻のミディアと、ロバートが慌ててやってきた。


「これを見てみてくれ!」


『お父様、急のお手紙申し訳ありません。実は本日、ライアン殿下にお会いしました。その際に、私が婚約者だと言われました。

さらに、仲良くしてくださる方達にも質問されたのです。

私はジェイク様と婚約致しましたよね?

質問してくださった方には訂正しましたが、ライアン殿下はこちらの話を聞いてもくれません。取り急ぎ連絡を。

PS.噂の出処や、裏側を調べてもらっています。学園の外はどうなっているかも知りたいのですが、助けて頂けますか?』


「ウェル様、どういう事ですの?」

「分からない。リアの、状況を詳しく話せるか?」

「はい。」


リアの影は見たことすべてを話してくれた。


「こちらも影たちを動かす。それから、ロバート。私は返事を書いたら、ジェイソンの所へ行く。騎士団に先触れを。」

「畏まりました。」

「謁見願いも出す。」

「ではそのように、ご用意します。」


ロバートは部屋を出て行った。


「ウェル様。」

「心配しないで、任せてくれ。」


ミディアを抱きしめる。その後、彼女は部屋に戻っていった。


クソ殿下め!


私は、急いで手紙を書く。


「影。誰かいるか。」

「はい。」

「リアの影と連携出来るようにしておいてくれ。早急に今回の事を調べてほしい。学園内だけならまだ良いのだが、そんな事はないだろう。」

「畏まりました。」

「リアの。そういう事だ。よろしく頼む。」


そう言い、リアの影に手紙を渡した。


「はい。尽力致します。」


そう言い残し、影は消えた。


「さて、忙しくなるぞ。」

「私共もすぐに調査に入ります。」

「あぁ、頼んだ。」


私の影も消える。その後すぐにロバートが部屋に戻ってきて出発の準備をした。


「さあ、行こう。」


そうして、騎士団に向かった。



-----騎士団 ジェイソン-----


「団長!オパール侯爵がいらっしゃるそうです!」

「ん?そうか。分かった。」


随分、急だな。何かあったか……。


先触れから間もなく、ウェルはやって来た。


「どうした?」

「実は…」


ウェルから話を聞いて驚いた。


「は?」

「ですから、」

「それは、分かってんだよ!何でそんなことになってんだ?」

「調べてます。」

「そうか、そうだよな。……ジェイクにも伝えておくか。」

「そうですね。耳には入れておいたほうがいいでしょう。今、騎士団に?」

「いや、アイツはレオン殿下の所だ。こちらに来るのは休憩時間だけだが…。」

「……そうですか。」

「こちらに来たら、俺のところに来るよう言伝だけでもしておく。」


俺は部下を呼び、言伝を頼んだ。


「さてと、陛下のところへ行くんだろ?」

「……何故。」

「ライアン殿下の話は通しておかないと行けないだろ。」

「その通りです。謁見願いも提出済みです。」

「返事は?」

「まだです。」

「俺も行くぞ。」

「はい?」

「可愛いウチの嫁の事だ。ひと脅ししとかないと。」

「では、一緒に。」


トントントントン


ノックがされる。


「空いてる。」

「失礼します。こちらにオパール侯爵がいらっしゃるとお聞きしました。」

「あぁ、いるぞ。」

「謁見の許可がおりました。」

「だとよ。」

「それでは、行きましょうかね。」


俺は部下を呼び、席を外すことを伝え、ウェルと一緒に謁見室へと向かった。


その途中、ジェイクに会ったので、簡単に事情説明をした。すると、顔が険しくなり自分も一緒にと言い出した。

流石にそれは難しいので、宥めて止めさせた。


「分かった。しかし、後できちんと教えてくれ。」

「もちろんだ。」


ジェイクを残し、謁見室まで歩くと、ドアの前にいる騎士が陛下へ声をかける。


「エメラルド騎士団長とオパール侯爵がいらっしゃいました!」


そして、ドアを開けた。


謁見室は、公のときに使う広間よりも小さい部屋だ。それでも、一番奥の陛下までは30メートルほどあるだろうか。


「失礼致します。」

「近くへ。」

「はい。」


椅子に座った陛下から声がかかる。陛下のななめ後方には宰相の姿も見えた。


「ジェイソンもいたのか。二人揃ってどうしたのだ?大事か?」

「ライアン殿下の事で、お話がございます。」

「!!何かあったのか?」


ウェルクが口を開くと、陛下の顔色が変わる。


「ライアン殿下は本日より復学されました。」

「ああ。」


思っていた答えと違うのだろう。不思議そうな顔に変わった。


ウチの陛下は表情が変わり過ぎではないか?

まぁ、陛下とここにいる3人は側近として昔なじみなので、気を抜いているのだろうが…。


「謹慎中は何をされていたのですか?」

「勉学に励んでいたと思うが?………場所を変えるか。お前たち、今から移動するが、こ奴らと一緒だ。付いてこんでいい。」


陛下は護衛に声をかけ、自分の執務室に移動した。


「さてと、ここなら気にせず話せる。遠回しに言わずにはっきり言え。何があった?」

「それでは遠慮なく…。今日、リアから手紙が来ました。これがその手紙です。」

「見ていいのか?」

「どうぞ。」


陛下が手紙を開き、それを覗き込む形で宰相も手紙を読む。

すると、ふたりは青ざめた。


「これは…。」

「私は何もしていないぞ!知らないことだ!」

「言いたいことはそれだけではないのですよ、陛下。我が家の使用人達は優秀でしてね。」


ウェルクの背後に黒い何かがあるように見える。


おお!相当怒っているな。


ゴクリ

陛下はウェルクの迫力に息を呑む。


どちらが国の頭だか……。


「オパール家の皆が優秀なのは、知っている…。」

「その手紙を持ってきた影が言うのです。ライアン殿下がリアの話も聞かず、『野蛮だとか気にするな。その見た目なら野蛮なことには目を瞑る。公の場で醜態を晒すような事はするなよ。』と言ってのけたと。」


宰相は目を見開き驚いている。


「なんてことを…。」


陛下は頭を抱えた。


「陛下。貴方は殿下の謹慎中、何を教えていたのですか?」

「反省と、上に立つ者としての心構えを話したつもりだったが、理解していなかったようだ…。」

「つもりでは困るのですよ!人の可愛い娘を野蛮だ野蛮だと!醜態?どの口が言う!うちの娘は作法も完璧だ!」

「す、すまん。再教育する!」

「もちろんです。……そうだ!再教育、我が家で請け負いましょうか。そうしましょう。」


ウェルクはいい考えだとばかりに手を叩いた。


「い、いや、それはどうだろう。なぁ、宰相。」


陛下は震えて宰相に助けを求める。


「無表情で仮面の侯爵と言われたウェルを変えた娘に、手を出したライアン殿下が悪いのでは?」

「宰相!?」


助けは却下された。


「団長!」

「陛下、ウェルの手前黙っていますが、俺も頭にきてますよ。うちの可愛い嫁なんですから。」

「本当に、すまん。」


肩を落とした陛下を見て、ウェルクが話を切り替える。


「はぁ。とりあえずライアン殿下の抗議はここまでとして、噂の出処です。」

「許してくれるのか!」

「許しませんよ!」

「陛下、話を蒸し返すのはやめたほうが。」

「国民がこの姿を見たら、誰が国を動かしているのか疑問になるな。」


シーン


やべ。口が滑った。


「………出来損ないでごめん。」

「団長!こうなった陛下は面倒くさいの知っているでしょう。どうするんですか!」


陛下は周りの意見にも耳を傾けるし、決断力もある。しかし、一度落ち込むとマイナス思考になるのが欠点だ。


「こうしている間にも可愛いリアが心を痛めているのですよ。いい加減にしてください。」


またウェルクの後ろから黒い物が出てきた…ように見える。


「「「すみません。」」」

「それでは、噂の出処ですが、考えられるのは…」

「それなんだが、ジェイクとプルメリアの婚約話の時、ドアの近くに誰か居たよな?」

「ええ、気配がありましたね。あの時は二人の婚約を言いふらして貰おうと放っておきましたが。」

「あの時、影をつけていなかったか?」


外に漏らしたくない話の時は、オパール家の影が周りに配置され、見張る。


「それは、記憶持ちの話のときだけですね。他の話のときには、敢えて付けませんでした。」

「そうか。気配があったなら、教えてほしかったな。な、宰相。」

「そうですね。私と陛下には二人のような特殊能力はございませんから…。」

「悪い。殺気とかでは無かったから何も言わなかった。」

「で?その誰かがどうしたのですか?」

「そいつらが言いふらしたのでは無いか?」

「しかし、ここで話していたのはお前たちの子の話だったぞ?」

「………」


ウェルクは何も言わずに考えている。そして、少しの間の後、口を開いた。


「………考えようによっては無くはない。」

「そうですね。中途半端に話を聞いたのだとすれば…。」


宰相も思い至ったようだ。


「その話を、ライアン殿下の耳に入れた者は…。」

「謹慎中、ライアンの部屋には教師しか出入りを許可していない。」

「教師ですか。…調べますよ?」

「ああ。」


こうして、この場は終わった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ