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第9話 フレアからの招待

?「やあ。こんばんわ。お邪魔するよ。」

?「実は君にこれを渡したくてね。」

一通の黒い封筒を見せる。

?「これを読むか否かは君の自由だよ。…………そろそろお暇するね。寝てるところを邪魔したから。」

待ての声に振り返る。

?「え、私かい?私は『ダークフレア』のフレア。よろしく。」

·

·

·

·

そこで目が覚めた。

枕元には黒い封筒があった。



ダークフレア拠点内


シリウス「フレアーッッ!」

フレア「やあ、シリウス。」

シリウス「お前、何をした!」

フレア「何って、ただの『挨拶』だよ。」

シリウス「貴様!何を考えてる?」

フレアを睨みつけるシリウス。

フレア「別に何も。」

フレア「ただ、私が用意したモンスターを倒した天輝戦隊に興味が沸いただけだよ。」

淡々と語るフレアの態度に苛々感が募るシリウス。

(……こいつ殴りたい)

その気持ちを抑えるかの様にシリウスは右手を強く握っていた。

フレア「私は出掛けるね。」

シリウス「何処へ行く?」

フレア「君に話す必要があるかい?」

後ろ姿で質問に質問で返すフレア。

ギリリ…と口を閉めるシリウスだった。



都内廃屋前


光「何だ、お前らも来たのか?」

美雪「はい。」

涼太「招待されたんや。こんな封筒一つでな。」

と黒い封筒を出す涼太。

雨音「夢の中から招待。面白い事をするヤツだね……」

陽太「ダークフレアからの招待だから、罠ってオチじゃないよね……」

不安がる陽太。

光「さあな…」

と光が答える。

中に入り進む5人。

廃屋内を進むと庭らしき場所に出た。

室内と違い、まるで此処だけ手入れをされたように綺麗な場所だった。

庭には、ガーデニングでお馴染みの花が咲き蝶が飛んでいた。

?「やあ。待っていたよ。」

東屋から声をかけられる。

?「そんな所にいないで、こちらでお茶でもどうだい?お茶に合うお菓子もあるよ。」

笑いながら近づく人物。

雨音「……アンタ、フレアだね。何を考えてる?私達を夢の中から呼び出して。」

雨音が睨みながら質問をする。

フレア「そうだよ。私がフレアだよ。質問に答えるよ。私は何も考えてないよ。ただ君たちに興味があっただけだよ。ちょっと話しだけでもどうだい?」

淡々と答えるフレア。

光「ダークフレアと話す事なんてねぇぇぇぇぇ!!」

光はウェザーイエローに変身すると斬りかかる。

フレア「…やれやれ。」

パシィィン!

シールドを張り、イエローの攻撃を跳ね返すフレア。

フレア「平和的に話しをしたいだけなのにこんな仕打ちか……。残念だよ……。君たちが戦う意思を見せたなら、私も戦う意思を見せるよ。」

フレア「行け!タイガーダーク!ライオンダーク!」

フレアが2体のダークモンスターを喚ぶ。

身構える5人。

5人の前に2体のダークモンスターが現れる。

フレア「この2体はとても凶暴だからね……。君たちにはどうにも出来ないと思うよ…。」

無表情で語るフレア。

フレア「どうにかするなら私は止めないよ。」

そう言うと一瞬笑いフレアは消えた。

吠えるモンスター。

今までのと違い圧倒されそうだ……と5人は思った。

戦いは避けられないと悟り残りの4人も変身する。

ライオンダーク「貴様らが俺の相手か?」

ライオンダークが言う。

タイガーダーク「……倒す。」

タイガーダークも言う。

さっきとは比べ物にならない大声で吠える。

光「ガオガオ吠えてうるせぇ!」

イエローが斬りかかる。

しかし、2体は踊る様に避ける。

光「チッ!これならどうだ!行け!雷切!」

雷攻撃をするがそれも避けられる。

光「何だって!全て躱しやがった…」

驚くイエロー。

タイガーダーク「これがお前の全てか?こっちからも行くぞ!」

タイガーダークがイエローの懐に入ると強烈な一撃を喰らわせる。

光「ぐっ!」

その後はタイガーダークに何発も殴られていた。

バリィィィン!

メットのゴーグルが割れる。

同時に倒れるイエロー。

涼太「イエロー!!これでも喰らえ!」

グリーンが投扇撃で攻撃をするが、タイガーダークは扇を掴み止める。

涼太「何やて?止めたやと…。」

タイガーダーク「……今度はお前か?」

と言い扇を投げ返す。

ゆらり…と動く姿に冷や汗が出る。


雨音「チェーンロック!」

美雪「氷結!」

ライオンダークと戦うブルー、ホワイト、レッド。

ブルー、ホワイトの連携技で動きを止めていたが……

ライオンダーク「効かぬ!」

氷のチェーンを破壊するライオンダーク。

美雪「うそ……」

雨音「氷の鎖を破壊するなんて……」

動揺する2人。

陽太「このおぉぉぉ!」

レッドが飛び蹴りを入れるが止められる。

陽太「これならどうだ!火炎剛脚!」

炎を纏った脚で回し蹴りを喰らわせる。

しかし

ライオンダーク「ふんっ!」

手の平で受け止められる。

陽太「止めた…だと」

動揺するレッド。

ライオンダーク「それで終わりか?ならこっちからも行くぞ!」

レッドの脚を掴むと投げ飛ばす。

陽太「こいつ……強い…」

と言うとレッドは気を失った。


涼太「竜巻陣!」

自ら竜巻になりタイガーダークを攻めるグリーン。

庭の物が竜巻に飲まれる。

(これなら止められへんやろ)とスピードも加え攻める。

タイガーダーク「それが竜巻か?笑わせるな。」

とグリーンの動きを止める。

涼太「な、何やて!手一本で止めたのか!」

グリーンの腕を掴むと投げ飛ばすタイガーダーク。

涼太「うそ…やろ…」

投げ飛ばされたグリーンの周りには、血の様にバラの花びらが散っていた。


ブルーとホワイトだけになった天輝戦隊。

2人に2体のダークモンスターが迫る。

タイガーダーク「女とて手加減はせぬ!」

タイガーダークが吠える。

雨音これはヤバイ……

美雪(この危機をどうにかしないと…)

先に仕掛けたのはホワイトだった。

美雪「雹弾!(ひょうだん)」

空から無数の大粒のひょうが降る。

タイガーダーク「そんな攻撃効かぬ!」

タイガーダークが言う。

雨音「うるさい!喰らえ!水圧陣!」

ブルーが空気中の水蒸気を2体の周りに集め水のドームを作る。

ライオンダーク「こんなものっ!……ハァァッ!」

陣を破るライオンダーク。

自分達の技を破られたブルー、ホワイト。

(もう…手は無いのか……?)と絶望がブルーを襲う。

美雪「ブルー。」

雨音「…ん?」

美雪「逃げましょう。ハァ!吹雪!」

辺りを真っ白にする吹雪。

視界はゼロだった。

吹雪が止むと天輝戦隊の5人の姿は無かった。

ライオンダーク「クソッ!逃げられた!」

悔しがるライオンダーク。

タイガーダーク「そんなに遠くまで行けぬだろう。探すぞ。」

冷静に言うタイガーダーク。

消えた天輝戦隊探しが始まった。



細雪「皆さん聞こえますか?応答願います!」

サポートルームでは細雪がコールをしていた。

霜月「……どうだ?」

細雪「駄目ですね…。原因は分かりませんが電波に乱れがあるのか、返信が出来ない状況なのか……」

霜月「そうか……。」

黙りこむ細雪と霜月の2人。

いつもならいるアヤコが不在の為、手の打ちようが無かった。

その頃、アヤコはサポートルームに居らず、ウェザーサービスにいた。

ある人物に会っていた。

アヤコ「……こんな所に来るなんて。……何の用ですか?朝比奈さん。いえ、朝比奈長官。」

朝比奈「アヤコちゃんに『長官』と呼ばれるのも何十年振りかしら。ふふ。嬉しいわね。」

アヤコ「ふざけているなら帰って下さい!」

朝比奈「ふざけてないわよ。……真面目な話しをするわ。アヤコちゃんに渡す物があるから来たのよ。」

アヤコ「まさか……。私はその件は断っています!」

何かを察したのか声を荒げるアヤコ。

朝比奈「言いにくいけど、『本部の命令』でも?」

アヤコ「………………」

『本部の命令』という単語に黙りこむアヤコ。

黙るアヤコの前に朝比奈はトランクを出す。

朝比奈「この中に何が入っているかはあなたが良く知ってるわ。前に使っていた物よ。正しくは、改良版よ。」

話しながらトランクを開ける朝比奈。

中には天輝戦隊の変身アイテム『Wリング』と同じデザインのリングが入っていた。

手にしようとしたアヤコ。

しかし、触れる事が出来ない。

朝比奈「………………ねえ、アヤコちゃん。未だに『あの時』の事を後悔している?」

アヤコ「………………してないなんて言ったら嘘になるでしょう。正直、後悔してるわ。今でも夢で『あの時』の事を見る位。きっと、私の事を怨んでいるわ。」

朝比奈「そう思っているのね。でも、本人はどう思っているか知りたくない?」

アヤコは朝比奈のこの発言に(何を言い出すんだ?このおばさんは……。)と呆れた。

アヤコの目の前に封筒が差し出される。

古い封筒だった。

アヤコ「これは……?」

朝比奈「読んでみたら?」

悪戯ぽく笑う朝比奈。

アヤコは勧められるまま中を見てみた。

中身は以外な人物からの手紙だった。

アヤコ(これは…ナナコ姉さんの…)

アヤコ(……………………)

何度も読み返す。

姉が自分に宛てた内容ー姉の決意と覚悟を。

アヤコ「私は……私は何をすればいい?」

手紙を握りしめ朝比奈に問う。

目つきが変わったアヤコを見て真面目になる朝比奈。

朝比奈「貴女も天輝戦隊として戦うのよ。」

アヤコ「……………………」

朝比奈「細雪君から聞いたけど、天輝戦隊は危機的状況よ。通信は繋がらない。何かあった証拠よ。この状況を打破できるのは貴女だけよ。 」

アヤコ「……そう分かったわ。ならやるだけね。」



2体のダークモンスターから何とか退却した天輝戦隊。

廃屋の一室に隠れていた。

美雪「どうにかなりませんか……?」

雨音「無理だね……」

ブルー、ホワイトが話す。

2人の前には戦闘不能となり変身の解けた陽太、光、涼太が横たわっていた。

美雪「私達で何とかしないと……」

雨音「何とかって策でもあるの?」

美雪「それは…ありません……。ごめんなさい!」

雨音「………………」

ダークモンスターの強さを目の前にして何も出来なかった悔しさが蘇る。

?「そこの2人。お前らだけで何とかしようと考えてるんじゃねぇよな?」

?「僕らじゃ力不足かい?」

?「まだまだ…大丈夫。……だと思うよ。」

雨音、美雪「「皆んな!!」」

陽太「横になったら復活したよ。」

涼太「とにかく此処から逃げるのが先やな。」

光「俺は虎野郎とライオン野郎にお礼参りしねぇとな。」

涼太「また、ケンカかい……。」

光「うるせー。」

陽太「まあまあ。」

3人が元気そうなのを見てホッとするブルーとホワイト。

自分達を追い詰めた2体のダークモンスターに、反撃するにはどうしたらいいか5人は作戦を練った。



ライオンダーク「うっがぁぁぁっっ!!」

5人が見つからず苛立つライオンダーク。

部屋にある物を手当り次第に壊す。

タイガーダーク「獅子よ、少しは落ち着け。」

冷静に言うタイガーダーク。

ライオンダーク「トラ公うるせぇ!俺は苛々してるんだ!人間共出て来やがれ!」

ライオンダークが叫ぶ。

?「呼んだか?」

そう言われて振り向く2体。

そこにはグリーンとブルーがいた。

涼太「お前らが呼んだから出てやったんや。文句はないやろ?」

雨音「文句を言われたらやってらんないよねー。」

そう話す2人。

グリーン、ブルーの挑発的な態度にライオンダークがキレる。

ライオンダーク「貴様らァァァ!」

爪で攻撃し、当たったと思ったら2人がユラリと揺れる。

雨音「蜃気楼に引っかかってやんの!何も攻めるのが策じゃないよ。」

涼太「こいつアホやな。」

2人が笑いながら言う。

美雪「猛吹雪!」

ホワイトの召喚技が割り込む。

2体の視界を吹雪が阻む。

ライオンダーク「何も見えねぇよ……」

呟くライオンダークに近づく影。

陽太「火炎手刀撃!(かえんしゅとうげき)」

レッドがライオンダークへ手刀の連続攻撃をする。

陽太「ハァッ!」

気合いの一撃で飛ばす。

間合いを入れずライオンダークの胸に何かが刺さる。

ライオンダーク「き、貴様……」

光「ライオン野郎倒れろや!行け!雷切!」

雷切を刺しゼロ距離で雷を喰らわせるイエロー。

ライオンダーク「ギャアアア!」

光「腕の一本くれてやらぁ!オマケだ!サンダークラッシュ!」

左腕をライオンダークの口に突っ込み雷技を喰らわせる。

ライオンダーク「アギャアア!!」

雷技を2回も喰らいライオンダークは死亡する。

光「どうよ…」

膝をつくイエロー。

タイガーダーク「獅子よ……。人間共!!」

相棒を倒された怒りで吠えるタイガーダーク。

大声が吹雪を打ち消す。

タイガーダーク「…………覚悟しろ人間。」

殺気立つ空気。

5人を睨み唸るタイガーダーク。

その姿は獰猛な虎そのものだった。

再び吠えるタイガーダークに対して策はあるのか?



その頃、アヤコは5人がいる廃屋に向かっていた。

サポートルームからのナビを頼りにバイクを走らせていた。

果たして彼女は天輝戦隊の危機を救えるのか?


第9話 終わり







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