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第3話 『天輝戦隊ゴーウェザーの必殺技』

ここは太陽。

燃え盛る星に「黒点」が存在していた。

その中にある『ダークフレア』の拠点内。


「天輝戦隊か……。」

と呟くシリウス。

先日、先々日の戦いを振り返っていた。


シリウス(人間というのは『進化する』生物なのだとしたら……あの時の『あの人』の行動は……まさかな……。)

何かを思い出し、また何かを考えていた。


「……ま」

「……様」

「シリウス様!」

「うァァっ!」

突然呼ばれて驚きマヌケな声を出すシリウス。

シリウス「ふ、風連大師ふうれんだいし!いきなり呼ぶな!」

風連大師「申し訳御座いません。」

風連大師と呼ばれた青年は謝る。

シリウス「今日は、若者の姿か。で、要件は何だ?下らない内容なら例えお前でもな……分かっているな?」

風連大師「はい。炎姫ほむらひめから出撃の許可を貰いたいとの用件でございます。」

シリウス「それはお前に任せる。出撃はお前の『意思』で好きにしろ……とだけ伝えろ。」

風連大師「はは!」



「ふーん。なら好きにしてもらうわ。私の『意思』で好きにしろと言ったんだから自由にするわ。」

風連大師からシリウスの返事を聞いた炎姫の台詞。

炎姫「この間、こんなモノを人間の街で拾ったのよね。」

と言いながら、箱ーー怪人製造機『パンドラの箱』へ「拾ったモノ」を投げ入れる。

箱から煙が上がり蓋が開くと怪人が出て来た。

炎姫「こいつを連れて人間の街を燃やして灰にしてやるわ。……ふふふ。」

想像をしながら炎姫は笑っていた。



都内、ウェザーサービス。


「皆さん、ご迷惑をおかけしました。」と、退院した光が挨拶する。

社員の皆んなは拍手をし口々に「お帰りなさい」「退院おめでとうございます」と言っていた。

「それにしてもや、またアンタと仕事するんや。気ぃ抜いたらアカンよ。」

と、扇子を口元にあて涼太が光に声をかける。

光「ふーんだ!気ぃ抜かねぇよ!てめぇこそ体、大事にしろや!」

涼太「健康には十分気ぃ使ってます!」

と復帰早々睨み合う光と涼太。

それを呆れ気味に社員達は見ていた。



朝比奈ビル1階、カフェ「チャバ」


雨音と美雪が、打合せをしていた。

美雪「……で、明日の中継はここです。」

雨音「ここだね。あ、この場所なら一度、行った事あるから大丈夫だと思うけど……

ケホッ!ゲホッ……」

突然の煙に咳き込む雨音。

美雪「だ、大丈夫ですか?雨音ちゃん。」

咳き込む雨音を心配する美雪。

煙の元を見て見ると『禁煙席』と書いたプレートがあるにも構わず煙草を吸うガラの悪い客がいた。

美雪は勇気を出して注意する。

美雪「あ、あの!ここは煙草を吸ったらいけない場所です!」

客男「何だ?お前は?ここの店員だから俺に注意してるのか?」

客女「そうだよ!あんた店員?」

美雪「い、いえ、違いますが……」

客女「じゃあ店員じゃないならあんた関係無いじゃん!別にいーじゃん!」

?「それは良くないな。」

とあたふたする美雪の横に「チャバ」の店主の霧谷きりたにがいた。

いつもの穏やかな笑顔だが、オーラには怒りが漂っていた。

霧谷「君達を入店時から見ていたけど、禁煙席での煙草は良くないな。お代はいらないから煙草吸い放題の別の店を紹介するよ?」

笑顔で穏やかに「出ていけ!」と遠回しに言うから尚更怖い。

客女「ねえ、ケンちゃん。い、行こう……」

客男「そ、そうだなミミ……」

マナー違反を注意されたカップルは霧谷に圧倒され店を後にした。

「もー来ないでねー!」

ふざけ気味に見送る日村(兄)。

日村(兄)の台詞に頷くキッチンからやり取りを見ていた細雪ささめゆき霜月しもつきの2人。

「兄さん、聞こえたらどうするの?全く。雨音ちゃん大丈夫かい?はい水。」

日村(弟)は雨音に水を渡していた。

雨音「うん……。大丈夫。水、ありがとうございます。」

美雪「もう、最低ですね。霧谷さんすみません。あと、どうもありがとうございます!」

マナー違反のカップルが去った後を見ながら呆れる美雪。助け舟を出してくれた霧谷に礼を言う。

霧谷「美雪ちゃんいいよ。お礼は。自分の店でマナー違反をされるのには我慢できなかったからね。あ、あいつらライター忘れてるよ。」

やれやれと後始末をする霧谷であった。



都内市街地


「ふふふ。何も知らない人間共。」

と、ビルの屋上から人の行き来等を見ていた炎姫。 

炎姫「皆んな、皆、燃やしてやる。……行け!チャッカダーク!そしてシャドウ兵!」

炎姫の声に応えるかの様にオーロラが現れる。

それが消えると現れたのは頭に炎型の飾りを着けた煙草型怪人「チャッカダーク」とシャドウ兵達だった。


チャッカダーク「カッカッカッ。皆んな、燃やしてやるぜ!野郎共殺っちまいな!」

チャッカダークの掛け声にシャドウ兵が人々に襲いかかる。

オーロラ、怪人の出現で混乱していた街は更にパニックへと陥る。



アナウンサー『……番組の途中ですが臨時ニュースをお伝えします。都内にオーロラが発生しその直後に煙草型の怪獣と黒い兵隊が暴れています!今、中継が繋がりました!』

ヘリコプターからの中継画像を見て背筋に嫌な汗が落ちた。


瓦礫から見える怪我をした人の腕、彼方此方から上がる黒い煙。


中継を管理人室で見ていた陽太は我慢が出来ず、飛び出した。


別の場所で中継を見ていた他の4人も同じ気持ちだった。



チャッカダーク「カーカッカッカッ!皆んな燃えてしまえ!」

高笑いを上げながら火を吹くチャッカダーク。

逃げる人々をシャドウ兵が襲うのを見て更に笑う。

炎姫「アハハハハ。ふふふ。どんどん燃やしてやりな!灰になるまで。」

燃える街並みを見て笑う炎姫。

燃える炎が、炎姫の紅い羽飾りを鮮やかに魅せる。



朝比奈ビル地下「サポートルーム」にて


アヤコから状況を聞く5人。

光「あいつら火をつけて何考えてるんだ!」

涼太「あのアホ共が考えてる事なんて知らんわ。ホンマ、アホらし。」

モニター画面を見ながら話す陽太と涼太。

雨音「とにかく火をどうにかしないと!」

美雪「東京中が火の海ですね。」

光「だったら行くか!」

光の台詞に頷く4人。

全員、変身ポーズの腕を上に上げる。

5人「「チェンジ予報100%!」」

体が光り、スカーフをなびかせたヒーローへと変身する。

雨音「皆んな行くよ!」

ウェザーブルーの掛け声に応えるかの様に皆、ゲート入口へと駆けて行く。



女性「い、嫌ぁ!こ、来ないで!」

女性がバックを振り回しシャドウ兵を追い払おうとするが効果は無かった。

チャッカダーク「カッカッカッ。人間だよ。見つけたよ。お前、燃やしてやるぜ。」

炎姫「殺ってしまいな!チャッカダーク!」

ニヤニヤ笑いながらチャッカダークが迫り、女性に火をつけようとした瞬間だった。

?「その火遊び、いい加減にしたらどうや?寝小便たれるで。」

?「火遊び、やり過ぎるとマジで痛い目みるよアンタ。」

炎姫「誰だ!生意気な事を言う奴は!」

炎姫、チャッカダークが振り向くと炎の中を歩く5人。

炎姫「お前達はこの間の……!!」

光「てめぇはこの間の女じゃねぇか!!」

炎姫を指差すウェザーイエロー。

炎姫「貴様!人間の分際で私に指差す失礼な奴だ!」

イエローを睨み付ける炎姫。

美雪「大丈夫ですか?」

雨音「アンタは安全な所に避難して。あいつらは私達が倒す!」

女性「えっ?は、はい!」

困惑しながらも女性は言われた通り走り去った。

炎姫&チャッカダーク「「フン!生意気な!」だ!」

ブルーの挑戦的な発言が気に食わない炎姫とチャッカダーク。

炎姫「名前位名乗れ!この名無し共!」

炎姫が怒鳴る。

5人「「天輝戦隊」」

5人「「ゴーウェザー!!」」

答える5人。 

炎姫「お前達、殺っちまいな!!」

シャドウ兵が天輝戦隊に襲いかかる!


光「喧嘩なら負けねぇよ!俺に売った事後悔しやがれ!」

とやる気満々でイエローが先に仕掛けた。

バトンを日本刀に変化させ「行け!雷切り!」と叫ぶ。

雷がシャドウ兵達に直撃する。

当たったシャドウ兵達は倒れ灰になる。

涼太「喧嘩とちゃうわ!この底抜けのど阿呆!」

と半分ツッコミ、半分罵りを言いながらグリーンが刃の付いた扇子を使い、クルクル回りながらシャドウ兵を倒していく。

陽太「ハァァァ!ヤァ!」

シャドウ兵に回し蹴りを食らわすレッド。

それでもまだ、ゾロゾロと大勢いるシャドウ兵。

「本音を言うと実は使いたくないんだよね……」と溜息を付きながら腰のバトンをプレートに変化させる。

陽太「ハァァァいっけぇぇっっ!!」

プレートをシャドウ兵達に向けて投げる。

普段使わないレッド唯一の武器がシャドウ兵を倒していく。

チャッカダーク「カッカッカッ。お前らが相手か。」

炎姫「フン!私がお前らを相手にか。……まとめて燃やしてやるよ!」

睨み合うブルー&ホワイトVS炎姫&チャッカダーク。 

チャッカダーク「燃えろっっー!チャッカブレス!」

火を吹くチャッカダーク。

雨音「水壁防御!(すいへきぼうぎょ)」

地面から水の壁が現れる。

ブルー、ホワイトをチャッカダークの炎攻撃から守る。

しかし「上ががら空きだよ!」と炎姫が空中から迫る。

美雪「雪玉プレス!」

ホワイトが召喚した巨大な雪玉が炎姫に落ちるが、彼女は紙一重で避けた。

その時だった。

何かがヒュッ!と炎姫の右頰を横切った。

炎姫の頬に赤い線が出来た。

そこから血が数滴流れた。

炎姫「き、貴様ッッ!何をした!」

美雪「えっ?す、す、すみません!氷柱つららを召喚して攻撃しました……。ご、ごめんなさい!!」

炎姫の気迫に思わず謝ってしまうホワイト。

炎姫「私の顔に……。謝って済むと思うな!」

怒りの形相でホワイトを睨むと彼女も火を吹いた。

美雪「アイスシールド!」

ホワイトが氷の盾を召喚するが、炎姫の怒りの炎攻撃に圧倒される。

美雪「駄目……シールドが持たな…きゃあっ!」

シールドが溶け、炎攻撃をもろに受けてしまうホワイト。

雨音「ホワイト!」

チャッカダーク「よそ見すんな!」

雨音「わァァァ!」

一瞬の隙を突かれブルーも炎攻撃を受けてしまう。

チャッカダーク「カッカッカッ!対した事ない雑魚だな!」

炎姫「貴様ら覚悟はいいな……」

敵の炎使い2人が迫る。

雨音「覚悟なんて、とっくの昔にしてるよ!」

美雪「今更です!」

ブルーとホワイトが言い返し顔を合わせる。

雨音「豪雨ごううプレス!」

美雪「氷結!(ひょうけつ)」

炎姫&チャッカダーク「「ギャアアアッッッ!!!」」

激しい豪雨が氷の粒となり2人に襲いかかる。

ブルー、ホワイトが手を上げると氷の粒が止む。

炎姫「ハァ……ハァ……。貴様ら覚えてろ!ホワイトお前はいつか殺してやる!」

ボロボロになった炎姫が消える。

チャッカダーク「ほ、炎姫様〜!」

あとには同じくボロボロになったチャッカダークが残った。

光「ブルー大丈夫か?」

陽太「ホワイトも大丈夫かい?」

シャドウ兵を倒したレッド、イエロー、グリーンが駆け寄る。

美雪「大丈夫です。」

雨音「私も。今ならアイツを倒せるかもしれない。」

雨音(!!!)

雨音「そうだ!皆んな、『あの技』を使うよ!」

何を閃いたブルー。

光「じゃ、決まりだな。」

『あの技』の為の隊列を組む。

5人が並び右腕を勢いよく突きだす。

5人「「ウェザーブレイク!!」」

台詞と共に5色の光りの弾が発射されチャッカダークを直撃する。

チャッカダーク「お、俺の…俺の炎がぁぁぁぁ……」

との台詞共に倒れ爆発し、チャッカダークは倒された。



その様子を高い所から見ている人物がいた。

白いフードを目深に被った人物。

手にしていた、大型の鍵を天に掲げる。

すると、チャッカダークが倒された場所に魔法陣が現れ光る。

驚く事にチャッカダークは巨大化し復活したのだ。

涼太「な、な、何が起きとんのや!?」

普段、冷静なグリーンすら狼狽える出来事だった。

チャッカダーク「カッカッカッ!よく分からんがお前ら燃やしてやる!」

火を吹く巨大チャッカダーク。

雨音「水壁防御!」

美雪「アイスシールド!」

ブルー、ホワイトが防御技を出すが、巨大化しパワーアップした火力には無力に近かった。

光「く、悔しいけどよぉ、皆んな逃げるぞ!!」

巨大化した敵に無力という現実を叩き付けられた天輝戦隊ゴーウェザー!

逃げる5人に手はあるのか……?


第3話終わり




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