始まりの魔物
膝ほどの高さの草が一面広がる草原に、ぽつんと一人立っていた。
自分の体を見るが、日本にいた時と変わりないな。服装はこの世界の村人の服なのか、品質の悪い服だ。
ステータスを見てみようかな。
「ステータスオープン」
恥ずかしいけど声を出して言う。
頭の中にステータスが表情される。
マサキ・サトウ 32歳
スキル 魔物の餌(神級)
レベル1
攻撃 8
防御 6
俊敏 7
魔力 9
おお!ゲームみたいだな。
「スキル魔物の餌ってなんだ?」
説明も無しか。
独り言の様につぶやく。
「それよりどこに行けば良いんだ。全く分からないぞ。」
草原を歩いて見ても道はなく、草が生えているだけだ。
なんとなくで歩いていく。
「武器もないから、魔物が出たら勝てるのかわからないな。」
木の棒もないので、手ぶらで歩いていく。
「うわ、なんだあれ?」
歩いていると、草がない場所が見えてきた。
「あれはスライムかな。草を消化してるのかな。」
目の前に緑色のゼリー状の球体が見えてきた。
スライムはプルプル震えながら草を溶かしている。
「これを倒せばレベルが上がるのかな?」
スライムを眺めていると、スライムはこちらに向かって飛び跳ねてきた。
「おっと危ないな。」
スライムを両手でキャッチする。
スライムは、プルプル震えるだけで敵意がない。
「魔物は襲ってくるって言ってたけど、スライムは弱いからペットみたいだな。」
掴んだスライムは、ひんやり冷たくゼリーのようだ。
スライムの体内にある核を壊せば、倒す事が出来るがかわいそうだからやめよう。
俺はスライムを床に置き歩き出す。
後ろからスライムがポヨポヨ跳ねて付いてきている。