この世界との違い
「ここは、父が経営者する旅館。
そのステテコ姿のが父のマサルでこの旅館の社長。みんなに水をかけたのが兄のユウジ25歳会社員。お茶の準備をしたのがこの旅館の女将であり私の母のスミエ。そして私は結衣、大学生。さあ皆さんの名前を教えて」
と言ったところで、騎士団の1人が結衣を指差し
「あ〜!足、足!」
と間抜けな声を出した!
みんな私の方を注目し…
「ああ」
と言い言葉が出なくなるものや目を背けるもの、口をパクパクさせるもの、赤くなるもの、反応は様々。
私は部屋着用のTシャツと短パンだった。
この異世界から来た連中は今頃冷静になり私の格好に気づいたらしい。
「アーニャと申します。私たちの世界では異性に足を見せるのははしたないのです」
と巫女様は言った。
アーニャの話によると、アーニャ達の世界では都市を出ると、毒草や魔物など危ないものが多数あり、皆素肌を出さない生活をしている事、女性が足を見せるのは家族か恋人である事などを教わった。
そして本名を明かさない事も。
アーニャは洗礼名であり本名ではない事。
伯爵は領地の名前で呼ばれる事、司祭様は教会名で、騎士達は所属や番号などで呼ばれる事を教わった。
理由は名前を知られると呪いがかけられることがあるからとか。
なので結婚の時は夫婦になってから初めて名前が明かされる。兄弟であっても本名を教えてはならないと言われていること。
御家騒動があるからかしらね。
「堅苦しい世界ね」
と母はいい、手持ち無沙汰になったのかテレビをつけた。ちょうどお笑い番組の再放送でスタジオの笑い声が聞こえた。
「なんだこの魔法は!この世界の魔法はオランド王国と違うものだ。私は魔道士なんだがこの魔法を教えてくれるところはどこだ?」
父は皆を見回し
「まずこの世界の事を伝えないと。
この世界は魔法はない。魔物や毒草もない。
服装に大きな決まりはないが組織によって制服がある。
だから、街へ出ると薄着の女の子がたくさん歩いているぞ!
そして武器は持ち歩いてはならない。銃刀法違反になって捕まるぞ。
それからこの国の経済はお金で成り立っている。お金がないと生きてはいけないぞ。先ほどの話だと3日の予定だったと言っていたが食料はどうするつもりだったんだ?」
そう聞かれたら、皆、服の内側やポケット、剣の鞘などから小さな包紙を出して見せて、
「これは圧縮魔法をかけた食べ物だ。魔法を解いたら普通の食べ物になって3日ぶんくらいならなんとかなる。」と言った。
「そうは言っても長丁場になるんだろ?どうするつもりだ?」
と父は聞いた。
皆黙ったので父は言った
「みんな働いてみるか?とりあえずお金がないと聖女様探しはできまい?しばらくならうちに泊まっても構わないが喧嘩は禁止」
重い空気が晴れて皆口々にお願いします!と言った。




