もしや聖女様が見つかった?
ウオーターランドからの帰りのバスの中、うなだれるライアンにどう声をかけて良いのかわからない騎士団御一行。
「聖女様が見つかったら俺たちは国に帰らなきゃいけないんだ。もしもその子とうまくいってたら、もう2度と会えない子を思って一生過ごす事になるんだよ?ライアン、残念だけどうまくいかなくてよかったんだよ」
それから一週間、ライアンは落ち込んでいた。
が、一週間経つと、けろっとして、また普段の生活に戻った。
さらに一週間。
なかなか仕事の関係で皆揃う事が少なかったが、たまたま二週間ぶりに皆揃っての奥野屋での夕食になった。
「そういえばさ、俺、聖女の噂を聞いたんだよね」
と爆弾発言のライアン。
「ええええ???どこで?」
と皆驚愕。
「この世界に聖女様なんて職業ないわよ?どこでそんな怪しげな話を聞いてきたの?」
「ん?親方から…」
現在、ライアンは建築関係の所に勤めている。ライアンの生家であるクレメンス伯爵家は代々、教会や議事堂などをつくる建築を生業としているので、建築家に勤めるのはライアンにとって馴染みの職業のはずである。
「ライアンの親方…なら変な噂じゃないわよね」
と結衣
「親方、3日前に聖女に会ったらしいよ」
「どこで??」
「聞いてもよくわからないから、連れて行ってもらうことにしたんだ。
一緒に来るか?」
とライアンが聞くと、
「それなら、私とサティスファイ伯爵が行きましょう」
とグロリアスが答えた。
「俺も興味あるから行くよ」
とユウジか答えた。
「それなら、明日、19時にここに迎えに来てもらうよ」
とライアン。
次の日の19時、ライアンの指定通り、ライアンとライアンの勤務先の建築会社の親方が来た。
親方は、
「タクシーに乗るぞ」
と言い、全員でタクシーで親方の指定する場所へ向かった。
ついたのは繁華街にある雑居ビル…
嫌な予感がする。
ユウジは占い系かな?と思ったが、
「新しい客だから、皆歓迎するぜ?」
と嬉しそうに狭いエレベーターに乗る。
ついたところは…
『スナック聖女』
中に入ると60歳くらいの『ママ』がいた。
「いらっしゃい、シンちゃん。あら、新しいお客さん?」
「そうだよ?ママ。みんなママに会いたいっていうから…。ママは昔から俺たちのマドンナだったんだよー」
ユウジは気がついた。
マドンナの当て字に『聖女』…
何でも翻訳のチート機能が…
「一応確認させてもらいますか?」
とユウジが聞くと、グロリアスは
「まぁ…一応…」
と答え、握手をした。
…何も起こらなかった…
「シンちゃん。私、若い男に握手を求められたわ〜。まだまだ私、マドンナとして現役ねぇ」
「そうだよ〜ママ」
こうして夜は深けていった。
この後、全員、薄ーい水割りをシコタマ飲まされたのは言うまでもない
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