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魔法映像

夕方、ヒスウェルを連れてヒロヤが戻ってきた。


「おかえりなさい」

母のスミエが出迎えてくれた。

「ヒスウェルさん、初めての仕事はどうだった?疲れたでしょ。今日はまだお祭りが続いていて神社での式典があったから、ほかの皆さんはそっちを見に行っているのよ。もうすぐ戻ると思うけど」

と、外の方を見た。


外はまだ明るく、奥野屋旅館の和風庭園の松の木に柔らかい光が当たっていた。


「今日も、大女将とサティスファイ伯爵さんは一緒に出かけて行ったわ。デートですって。」

とニコッと女将は笑うと

「サティスファイ伯爵さんが、経営者会の奥様方に人気なので、大女将ったら、『うちのお客様なのよ〜』なんていいながら、サティスファイ伯爵とのお散歩を楽しんでるのよ」

と楽しそうに笑っていた。

「うちはホテルも経営しているから、この旅館の切り盛りは殆どが大女将がしていてね、ずーっと働き詰めだったから、休業している間は部屋にこもって趣味のパズルをしていたんだけどね。サティスファイ伯爵さんと出歩くのだけは別みたい。それ以外は相変わらず部屋でパズルをしているのよ」


そう言いながら、お茶を入れた。


「ばあちゃんが出歩く気持ちになったのならよかったよね」

と母スミエからお茶を受け取ったヒロヤが答えた。


しばらくしてから皆が帰ってきた。

その直後に大女将の紀子と、サティスファイ伯爵も帰ってきた。

大広間には食事の準備が整っていた。


「ヒスウェル、今日の仕事はどうだった?」

グロリアスが聞いた。

「いやー、女性のお客さんがヒスウェル目当てにやってきてさぁ、もう店の中、身動きできなくなりそうだったよー。明日からはカフェの厨房の手伝いをしてもらおうとと思うんだ。じゃないと大変だよ」


とヒロヤが口を出してきた。


それを聞いたアーニャが手に持っていたお味噌汁のお碗を溢してしまい、グロリアスにかかった。

アーニャは自分の失敗を魔法で元に戻そうとして、お味噌汁を倍にして余計にグロリアスを汚してしまった。

それを見ていたサイファが掃除魔法をかけ、新しいお味噌汁をアーニャに持ってきていた。


まるでサイファがアーニャのお兄さんのようだ。 


本当の兄のグロリアスは、サイファに掃除魔法をかけてもらった直後、向かいに座っていた第二騎士団のイルムが立ち上がる時にお味噌汁をこぼしてしまい、再び味噌汁まみれになっていた。


いつも通り残念である。


「今日の聖女様探しはどうだった?」

ヒスウェルが聞いた。

「なかなかと、確認するために女性に近寄っていくことは難しいね」

とソルが答えた。

「人混みでもあまり体が触れないように少しスペースを開けながらみんな立ってるんだよね」

とロビン

「ヒロヤ殿のお店に女性が沢山来訪してきたが、皆一定の距離からは近づいては来ないね」

とヒスウェルが答えた


アーニャは、ヒスウェルが女性の手を握るところを想像してワナワナと震えていた。

やっぱりヒスウェル様と同じ勤め先にして貰わなくては!でも、母スミエ様がわざわざ探してきてくれたのに…と考えて、ムムムムとちょっとお箸を強く握っていた


「アーニャ握り箸はダメよ。」

とその様子を見ていた結衣がクスクス笑いながら言った。


「さあさあ、早く食べちゃいましょう。もう少しで打ち上げ花火があるから、ホテルの展望台にいきましょう」

と紀子が言った。


奥野屋は大正時代の建物でレトロな作りだが、別棟には先代である紀子の夫、結衣たちの祖父が作らせた展望台がある。

今は高いビルに囲まれてはいるが、それでも展望台は高さがあり、花火は見える。


皆、ご飯を食べ終わると展望台へ移動した。


父マサルはみんなの分の生ビールと枝豆を準備していた。

父はみんなに「乾杯」を教える


「大人数でお酒を飲む際は、まずお酒が配られても勝手に飲んではいけない。この酒の席の主催者が『乾杯』といったらグラスを鳴らしてそこから飲むんだよ。」

「それでは、カンパ〜イ」

とビールグラスを高く上げ、おいしそうにビールを飲んだ。

みんなグラスを合わせるとビールを飲み出した。


打ち上げ花火を見ながらの宴会は楽しかった。


トイレに行こうとしたグロリアスが誰かが落とした枝豆の皮で滑って転んでそのまま階段を転げ落ち、ソルに回復魔法をかけてもらったのも含めて楽しかった。

もっとも、階段を転げ落ちるグロリアスを見た奥野家一同は、大慌てだったが、騎士団は誰も驚かず、

「相変わらずですね、グロリアス司祭」

とか

「ネタはいいですよ、グロリアス司祭」

とか、結構いじられていた。

「流石、『残念なグロリアス』の異名は健在だね」

と言われている。


花火が終わった後、誰が言った

「私たちの国を見てほしい」

「そうだね街中を見てほしいね」

「みんなで記憶を紡ぐ魔法は、同じものを想像するのが難しいからできない。どうする?」

と、ソルが

「それではサティスファイ伯爵に魔力を集中したらどうですか?いろいろな景色を知っているのはサティスファイ伯爵ですから」

というと、

「よろしいでしょう」

サティスファイ伯爵が答えた。


皆は魔力を集中するとサティスファイ伯爵に手をかざした。

皆の手からキラキラとした優しい光が溢れてきた。

それはゆっくりとサティスファイ伯爵に流れ、伯爵の広げた手の上にフワフワと漂っていた。


フワフワとした光を両手いっぱいに広げて、サティスファイ伯爵は手を胸に当て、そしてもう一度手を広げた


すると、全員、ドーム状の光に包まれた。

まるでVRの映像のような鮮やかな映像が見える


皆は森の中に立っていた。

森の中を進む映像になり、木の上にドラゴンの巣が見えた。


また映像が変わり、ヨーロッパのような街並みにバザールが開かれており活気に満ちていた。パレードがあり、王族がユニコーンが引く馬車のような乗り物に乗り手を振っていた。魔法で作り出した虹の波や、花びらの波、光の波などに包まれ、光り輝くパレードを見る市民の幸せそうな顔が映し出された。


すぐに映像が変わり、先ほどの街並みの中で、魔族と思われる真っ黒な甲冑に身を包んだ大きな羽の生えた一団と、オランド軍の魔法戦争で砂埃が起きたり爆発ぎあり、戦争で街が壊れていく映像になった。


そしてまた森の映像になり、地割れした森の映像が映った。地割れからは黒い霧が出ており、霧の奥には凶暴化した熊のような生き物がおり、そこに今よりも若い、十代後半のロビンとソルが魔法と剣で熊を戦っている映像になった。


また映像が変わり、魔法陣の上で巫女であるアーニャがグロリアス司祭から丸い掌サイズのいろいろな宝石が散りばめられた箱を受け取っていて、その後ろにサイファが肘をついているシーンになった。

魔法陣の外には白いローブのサティスファイ伯爵がいる。

そして、光かがやく教会の中で、蒼いカーテンにスパンコール散りばめられた蒼い服をきたものや、柱の陰にはヒスウェルが、銅像の陰にはまた1人など…沢山の人が潜んでいるのが見えた。

グロリアス司祭が神のご加護を唱えようとした時、ヒスウェル達に気づいた第一騎士団が魔法陣の中にいるアーニャ達を守ろうと飛び出し、それと同時に第二騎士団が出てきてもみ合いになった時に、魔法陣が光り、皆体の一部や、指先などが魔法陣を包む光に触れていたせいで奥野屋に飛ばされた


そこでVRのような魔法映像が切れた


皆、すごいスペクタクルの映画を観たような雰囲気になった


自分の見たものを映像化できたらいいなぁと思います。

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