異世界人、パレードに興奮する
パレードが始まる時間が近づいてきた。
結衣は、アーニャをおかしな騎士団達と一緒にはしておけないと思った結衣は、アーニャを連れて友達と一緒にパレードを観覧することに決めていた。
結衣とお揃いの浴衣の準備をする。
紺地に大きなレモンの柄の浴衣と淡いブルーの帯を合わせて、アーニャのストロベリーブロンドはハーフアップにして、結衣の髪は編み込みで一つにまとめた。
「困った事があったら、電話かメールしてね」
といい、昨日使い方を教えたスマホを押しつけて出かけていった。
騎士団御一行は昨日とは違う浴衣を着て、ユウジに連れられ観覧席に行った。
「じゃあ、僕も予定あるから、終わったら無茶せずに観光するか、旅館に戻ってね」
というとユウジもどこかに行ってしまった。
しばらく待っていると戦国時代の合戦の前のような太鼓の合図の後、螺貝が鳴り、パレードが始まった。
この日は市内の主要道路が通行止めになっており、道路いっぱいに広がってパレードがゆっくりと進んでいく。
先導はミスコンやミスターコンテストの上位者がオープンカーに乗ってやってくる。
カラードレスにティアラをつけたミスコン入賞者を見て大興奮。
「貴族の令嬢か?」
「この国の貴族なのか?」
「すると後ろの男性陣は、王族か?」
とミスコンやミスターコンテストのない世界からやってきたため、見目麗しい女の子が手を振ってくれることに大興奮。
その後には、いろいろなマーチングバンドのドリル演奏。
バンドの後ろには、バトントワリングのお姉様方。
その後にはまたマーチングバンド、チアリーダーのお姉様方というふうに、パレードば続く。
ミニスカートのバトントワリングのお姉様方が踊りながら歩く姿が目の前に繰り広げられる。
バトントワリングのお姉様方の演技は、騎士様御一行には刺激が強すぎる。
が、周りの観客を見ても、向かい側の観客を見ても、誰一人として何も感じていない。
子供は楽しそうにしているし、チアリーダーやバトントワリングのお姉さんみたいになりたいという小さな女の子までそばにいる。
次のマーチングバンドのチームが来た。その後にはチアリーダーのチームが続く。
チアリーダーのお姉様方は、ノリノリで観客席までやってきてハイタッチをしたりしてくれる。
騎士団御一行は、身を乗り出して我先にと姉様方とのハイタッチしたさに手を出した。
もしも指輪をしていたら、聖女様かどうか確認できる絶好の機会なのに、そんな事忘れている。
誰もがこの綺麗なお姉さんとハイタッチしたくて手を伸ばしていた。
「俺、3人とハイタッチした!」
「俺は離れていて手が届かなかった」
「俺は手を握ってもらったぞ」
「お前羨ましすぎる!」
興奮して口々に言っていると、次のマーチングバンドが来た。
マーチングバンドの後のダンスチームは、50歳オーバーの妖艶なオバ様方のダンスチーム。
こちらもノリノリで観客とハイタッチをしている。
が。
…誰もハイタッチに行かなかった
「さっきのお姉様方とのハイタッチの余韻に浸りたい」
「あの間近で見た綺麗なお姉さんを忘れたくない!」
などと言いながら。
また次のバンドが来た。
マーチングバンドとダンスチームが交互に配列されており、このブロックだけで800人近くがパレードに参加している。
今回のバンドは先程までと少し音楽が違う。
その理由はダンスチームにあった。
マーチングバンドの次に来たダンスチームは、サンバチームだった。
リオのカーニバルのような情熱的なサンバを踊る。
東洋人とは違う、南アメリカの健康的な美人を見て、みんな全く身動きできなくなった。
サンバの衣装は、刺激的を通り越して、騎士団御一行に殺人的な衝撃を与えた。
本当に殺人的だ。
羽の生えたような背中の飾りに、スパンコールでキラキラの生地の面積の少ない衣装。
東洋人とは違う、長い長い脚に、ヒールの高いサンダル。
妖艶なサンバ隊を、一生忘れないでおこうと、御一行は全員思ったに違いない。
いつもは冷静なサティスファイ伯爵ですら、震えが止まらない。
異世界から来て2日目。
いよいよパレードを観ます。
長い文章を書くと時間がかかるので細切れの投稿ですいません。
是非今後ともこのお話にお付き合い頂ければと思います




