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異世界人は雑念をはらいたかった

いよいよお祭りの日。

外は晴天で、父マサルはお祭りの地域委員をしているため早々と出かけていった。


今日は、江戸時代にこの地を治めた藩主の入城を讃えたパレードがある。県内から多種多様な団体が参加するパレードで、およそ3キロの距離を2時間かけて進む。

パレードには2000人くらいの人数が参加し、50万人くらいの観光客が訪れる。

毎年、奥野家では、観光客で賑わうので外にも出れずにパレードはもっぱらテレビで見ていた。


初めて本当のパレードを見に行けるが、結衣達はそれぞれ友達と見に行く約束をしており、突然現れた日本の常識を知らない異世界人だけでの観覧を勧めていいものかどうなのか迷っていた。

そんな事を知ってか知らずか、騎士様御一行は朝から筋トレ。


朝早く出て行った父マサルは、1時間くらいすると戻ってきた。手には何やらチケットを持っている。

父は騎士様御一行を集め


「今日は、この街一番のお祭りがある。沢山の観光客が来るし、迷子になる可能性もある。でも、今日はそれぞれ予定があって一緒に行動するのは難しい。そこでだ、毎年、うちが出資して設けている観覧席を増設させた。いい値段の席だから、余裕を持って作ってあったが、キツキツに椅子をつめて追加で25席作らせた。そのチケットがこれだ」


と父は観覧席券を高々と誇らしげに見せた。


「チケットは観覧席に入る時に必要になる。無くさないように。」

と一番しっかりしていそうな司祭に預けた。


パレードは14時から。

「くれぐれも、魔法は使わない、高く飛ばない、物は投げない、聖女様か気になっても触りにいかない!」

父マサルは言った。


昨日の夜、魔法で硬化したティッシュの小さな玉を投げ、100メートル以上離れた街路樹の葉っぱを落とす訓練をしていた5人を発見した。

また同じ時間帯、脚力の訓練と称して15階建のビルくらいまで飛び上がる遊びをしていた3人を発見した。ついでに、本当にビルの壁を駆け上がろうとしていた奴らも。

父マサルは部屋で飲んでいた者も含め全員を正座で座らせ、1時間の説教をした。

なぜそんな事をしたか聞いたら、雑念を祓いたかったと。

雑念なのか、チアリーダーのお姉様の残像なのかは聞かないでおいた。

多分、みんな酔いは冷めて、その後大人しく寝たと思いたい。


そんなことがあったため、父はどうしたものかと心配して朝早く出かけて行き、観覧席のチケットをなんとかもぎ取ってきた。


騎士様御一行と指定の観覧席に大人しく座る約束をし、父はまた出かけて行った。




雑念のはらい方って人それぞれですよね。雑念を払わないといけない理由も…それぞれですよね

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― 新着の感想 ―
[良い点] おとうさん仕事出来る人だなぁ…たしかにこの人数旅館に置いといたら何するかわからんもんね。 せめて観覧席に座らせておくべ!という考え、悪くない。
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