おと
彼の音は、温かい。
電話越しに聞こえるギターの音はいつもあたたかい。
そして、その音に、歌声が重なる。
かっこよさと色気が混じる歌声が耳に流れ込む。
どうってことのない、二人だけの時間。
たまに、ほんとにたまに。
電話ができることのとの方が珍しいくらい、
そんな彼との時間。
ギターの他に、ドラム、ピアノ、キーボードを叩く音。
そんな音も一緒に聞こえる。
「あ、間違えた」
「…これ、音高いなぁ。低くすれば歌えるかな」
なんて独り言さえも、面白くて。
なんていうか、彼との時間が好きで、
声が好きで。
そんな、私の大切な友人の話。