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記憶喪失の少年と異世界生活譚  作者: 怠猿
第一章 始まりと記憶喪失
5/5

黒ずくめと自称最強の騎士

「我の名はベルキスト! この国で最強の騎士だ!」


「へー」


ベルキスト声を荒げながら腰に着けた鞘から剣を抜き、僕の首元に突き付ける。


「な、な、な、な! このチビ! この最強の騎士ベルキストに! なんて! 口を聞いているのだ!? 許せん! 殺してやる!」


ベルキストは剣を両手で握り――真上に振り上げ、僕の頭に振り下ろす。


「おっと、あぶな――ちょっとこれをこうしてっと」


僕は、ベルキストの振り下ろした剣を最小限の動きで避け、右手をベルキストの手首を掴み――捻る。ベルキストは鉄兜越しから悲鳴を上げるが、僕はその悲鳴を尻目にかけ、ベルキストの足を左足で軽く払ってバランスを崩したベルキストの身体を地面に押し付ける。


「いてええええエッ!!!! この最強の騎士に何をする!! この無礼ものが!」


「その最強の騎士(笑)が、ただの人に、地面に押し付けられ、身動きを取れないようにされ、未だにこの状態――弱くね?」


ベルキストはバタバタと足と手をジタバタさせてるが僕がベルキストの腕関節を反対側に曲げてる為、自称最強の騎士(笑)が腕を無理に動かそうとすると「ぐあああぁぁあ――ッ!! 腕がぁぁああ!」と大声で泣き叫ぶ。

僕はベルキストの背中に座ってその腕を捻ってるだけなんだけど…。

その光景を作るのに掛かった時間は僅か八秒。その光景を見た赤髪の少女と藍色の髪の少女は二人して「………強い」と呟くだけだった。



~~~~~~~~~~~~



「で、この最強の騎士(笑)はどうするの?」


シュルジュさんは手首を紐で縛られてその場に転がされてる自称最強の騎士(笑)を指差しながら僕らに聞く。

その彼女の言葉に藍色髪の少女と黒ずくめは「うーん、どうしよっか」と二人同時にため息を吐き、一つの結論を導き出す。


「「公開処刑しようか」」


「リーフゥとルーちゃん…さらっと怖い事言わないの」


あれ、シュルジュさんが若干引いてるな…。僕とルーフェルさん何か変な事言ったかな? と二人して首を傾げる。


「とりあえず…。捨てとく?」


「リーフゥ、ダメよ。ゴミはゴミ箱に捨てなくちゃ」


「なんだと! この赤髪のエルフがこのベルキスト様になんて言葉を言うん――げふぉるぼ!」


「うるさい」


ベルキストの鉄兜を被った頭を蹴り飛ばす僕と、その隣で笑顔のまま顔をひきつらせているシュルジュさん。その隣でさっきから軍服に似た服の襟を直してるルーフェルさん。


「とりあえず、僕の魔法なら最強の騎士(笑)の身体をバラバラにする事が出来るよ。まあ…、ここら一帯が最強の騎士(笑)の肉片が降り注ぐと思うけど…」


「ルーちゃん、ゴミはゴミ箱、ゴミをバラバラにしてゴミを増やすと片付けるのが大変だから止めてね?」


「二人して案外恐ろしい事言うんだ…」


その僕の言葉に二人は、


「当たり前でしょ? さっき小さな子供に手を振るったんだし、それ不相応でも罰には罰を、罪には罪を与えるのが普通だと思うの」


「――――」


「もう、面倒だし…。置いてくのが良いと思んだけど」


「「それ賛成」」


シュルジュさんと僕はそれに賛成。否定派は地面に寝てるベルキストただ一人だけ。 結果は多数決で『ベルキストをこのまま置いていく』に決定。


「それじゃ――リーフクンとシューちゃん。帰ろうか」


「「はーい」」


僕らはそのままベルキストを置いてその場から去る。



「おい!? この状態で置いていくんじゃねえよ!? がっ! いてえ! なんだこのチビ達は!? いってぇ! 蹴っ飛ばしてんじゃねえよ!? ああああ――ッ!?」



そんなベルキストの悲鳴が後ろから聞こえたのだが――今までの自身の行いが悪かったのだろうか、皆が彼を思いっ切り蹴り飛ばしてその場を後にしたのだった。



「あれ…? 最初は重鎧戦士とか言ってた気がするんだけど…木のせいか」








ベルキストさん出オチ


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