ph 88 死刑執行
phase 88 死刑執行
1
ジークが愛理を連れ、日本に帰ってきた。
不二富町の懐かしい飲み屋通りは、今では変わり果てている。
街の全てが変わってしまっている。
いわゆる世紀末のように。
ジークの住んでいたボロマンションも、隣りの雑居ビルやベイカフェも別の景色に変わった。
突然広がる空き地。
焼き焦げた建物の残骸。
鉄格子を大慌てで取り付けた店、崩れた建物の屋根にブルーシートの雨避け。
アスファルトには穴が開き、信号と標識が倒されている。
煤だらけの壁や、割れた窓ガラスが目につく。
「なんで、たった一ヶ月でこんな荒廃した状態になってんだよ!?」
ジークはタバコをスパスパ吸いながら、煙りを忙しく吐き出した。
「ジーク、お腹空いた。ヨッシーの作ったパスタが食べたい」
愛理がジークのベストの裾を引っ張った。
「そのヨッシーを探してんだよ」
ジークが破壊された飲み屋通りをゆく。
ダウンタウン、飲み屋通りは、ほぼ壊滅。
高層ビルのミッドタウンも、瓦礫の山と化している。
荒んだ眸をした住人達が、また使えそうな物を探して、瓦礫を掻き分けている。
ジークと愛理は港公園に行った。
夕闇迫る港公園も、花壇が破壊され、噴水の水も枯れていた。
ベンチはどこかに持ち去られ、公園の芝生に難民達のテントが張られていた。
「俺達の地元はどうなっちゃったんだよ!? てか、日本中こんな感じか!?」
ジークは炊き出しに並ぶ人の列を見た。
道端に人間の死体が転がっていた。
この街では、死体が石ころと同じくらいありふれたものになっていた。
「ジーク、この世の終わりが来るのかな?」
愛理が肌寒そうに、薄手のコートの襟を立てた。
「ねぇ、おじいちゃんはどこに行っちゃったの?」
ジークは愛理の質問に舌打ちした。
「何回言っても信じられねーか? 黒い霧になって、深淵から噴き出して行ったんだ。どうやって、ジイサンを見つけたらいいんだろな?」
愛理はひとりぼっちになったことを、考えたくなかった。
「そういうことはあるかもね。でも、またきっと戻って来るよ。霧が集まって、おじいちゃんになる…。私はそれまでの間、一族を追放されて行方不明になってるお父さんとお母さんを探してみたいと思うんだけど」
ジークは溜息をついた。
「構わねーよ。つきあってやるよ。俺も仕事ねーしな。…にしても、ヨッシーはどこに居るんだろうな…」
「まだ入院が必要なぐらいの怪我なんでしょ。病院をあちこち当たってみたら?」
「ああ。だけど、何かさ、病院なんてまともに残ってんのかな。医者だった俺が言うのもおかしいけど、さすがに薬や看護師足りてねーだろ? みんな殺されるか、逃げちゃったんじゃ…」
ジークは枯れた噴水に凭れ込んだ。
「そんなはずないよ。みんな、きっと、お給料もなくなって薬もなくなったのに、怪我人や病人を受け入れて治療を続けてる。そういうとこにきっとヨッシーがいるはずだよ…」
「俺はこんなとこで、何してんだろう…」
ジークが頭を抱えた。
愛理がジークの肩に手を回した。
「ジーク…。あんたは頑張った。精一杯戦ったよ」
愛理に抱き締められ、彼は目を閉じた。
「俺もみんなを助けたいのに…」
「もう人間じゃないんだもん。仕方ないじゃない。私達は人間の敵なんだよ」
愛理が慰めようとして言った。
2
夜が世界を支配する。
人間はもう、息を潜めて隠れるだけ。
夜が明けるまで、何とかやり過ごすだけ。
夕刻、ぞろぞろと地下から這い出すゾンビの群れ。
墓地にひらひらと舞う黒い蝶。
雨晒しの本物のドクロ。
月が昇り、翼を広げて空を飛ぶ吸血鬼の影がある。
街では流通が滞り、水道・ガス・電気などのライフラインが停まり、食料品が尽きた。
誰が吸血鬼で、誰が人間なのか、よくわからない混乱が始まっている。
「少しでも金のあるヤツは逃げ出した。底辺の人間は、今にも共食いしそうだな」
ジークは炊き出しを見て、胸を痛めた。
誰かが持っていた吸血鬼探知アプリの、警報が鳴り出した。
人間達がジークと愛理に気付き、殺気立った眸を向けた。
「吸血鬼だ!! いたぞ!! ハンターを呼べ!!」
男が叫んだ。
「やべぇー!!」
二人は人間達の憎しみの視線を、一斉に受けた。
「人殺しーぃ!! 鬼ぃー!!」
友達を殺された少女が罵る。
「殺せー!! 吸血鬼だぁー!!」
老人が転びそうになりつつ、杖を振り上げた。
ジークと愛理は急いで、公園から走り出た。
公園の周辺は、治安の悪い無法地帯になっている。
「吸血鬼の生き血を絞るんだ!! 高く売れるぞ!! 永遠に生きられる…」
ハンターというより、目が血走った一般人が集まってくる。
手に手に火炎放射器や、漁に使う水中銃、エアガンを改造したような銃を持っている。
「愛理、そこの路地に入れ!」
ジーク達は戸惑いながら、物陰に身を隠す。
表通りをハンター達が走り過ぎていった。
路地裏のジークの前に、ネズミがたかる死骸があった。
最初、犬か猫の死骸か?と思ったけれど、それは子供のものだった。
「うっ」
ジークは腐乱した子供の死骸を見て、吐きそうになった。
「その子に触っちゃいけないよ」
壁に凭れて眠っていた浮浪者が、むっくり起き上がった。
「その男の子は親を吸血鬼に殺されてね、行き場がなくて、俺が面倒見てやってたんだ。先週かな、急に風邪みたいな症状で倒れてね。下痢と嘔吐が続いてさ。血が混じってた。…よくない病気で死んだんだ。だから、触らない方がいい」
ジークは子供から離れ、暗がりの浮浪者をまじまじと見た。
「なんで病院に連れてってやらなかったんだ?」
「病院か。吸血鬼が夜な夜な、病院を襲うんだよ。吸血鬼てのは、医者の血が好きらしい。血が美味いんだと。チカラが増すとか言ってたな。病院なんて、逆に危ないんだよ。命がいくつあっても足りないよ」
浮浪者が前歯の折れた顔で笑った。
「自衛隊はどうなったんだ? 国際的な援助とか、入って来ねーのか?」
「自衛隊のトップや、政治家がもう吸血鬼になっちゃってるもの。どうしようもないだろ。自衛隊は吸血鬼と勇敢に戦ったよ。けど、戦車も戦闘機も役に立ちゃしないだろ? 相手は影から湧き出して消えるんだよ」
男は上着のポケットから、ビニル袋に入った食パンを取り出した。
「食うかい?」
「いや…」
ジークは遠慮した。
食パンに、少し青かびが生えている。
「…俺達、病院に行きたいんだ。人を探してる」
ジークは男に打ち明けた。
「A大付属病院に行ってみなよ。あそこなら、まだ薬も揃ってる。手術もやってる。吸血鬼に備えて、多くハンターを雇ってるらしい」
男が教えてくれた。
ジークと愛理は顔を見合せた。
「ありがとう。行ってみるよ」
「気を付けて。変な死体に触るなよ。間違いなく、何か伝染病が流行ってる。エボラ出血熱みたいなヤツだよ」
男が手を振った。
男は咳をして、急に嘔吐した。血が混じっていた。
「…ほらな」
男は吐いた血を、ジークに見せた。
ジークは血から、嫌な気配を感じた。
3
A大付属病院。
ゲートに巻かれた鉄条網。
駐車場の守衛室に、鉄パイプの足場で組まれた物見櫓が建っている。
敷地を照らす大型ライトの眩しい光。
櫓に立つ迷彩服の男は、肩からライフルを掛けている。
敷地内には、シェパードを連れて歩くパトロールの男。
いきなり、シェパードがけたたましく吠え始める。
敷地一帯にサイレンが鳴り響く。
ハンターと警備兵が駆け出す。
吸血鬼の侵入だ。
中央診察棟、第一病棟、第二病棟、第三病棟、研修棟…。
窓に灯りが点る。
警備はかなりの人数だ。
敷地が広いので、二人一組でバイクに乗り、現場に急行する。
ブーツの足音が響く。
三階の窓辺に、黒い翼が見える。
吸血鬼は複数だ。
襲われたのは患者ではなく、宿直の医師らしい。
吸血鬼は夫々、バラバラに食いちぎった脚や腕をくわえている。
血を飲み干され、ミイラのように変わり果てた医師の生首が、警備員に向かって投げつけられた。
「うへぁっ…」
生首を受け取った警備員は腰を抜かし、地面に尻を着く。
若い吸血鬼数人が、ゲラゲラ笑いながら空へ舞い上がる。
地上からパンパンと、射撃音が鳴る。
吸血鬼は弾丸を素手で打ち返す。
「当たるかよ。はっはっはぁー!」
「くそっ!!」
ハンターが三階のベランダに到着し、火焔放射するも届かない。
吸血鬼は夜勤で一番可愛かった看護師を、空中に抱き上げた。
「当面の食料として、ありがたくもらってくわー」
看護師が甲高い悲鳴を上げた。
「いやぁ、助けてー!!」
警備兵がネットを打ち上げ、捕獲しようとするが、吸血鬼は網を爪で引き裂く。
楽勝だ。どんな武器も、吸血鬼には歯が立たない。
警備兵が誰かに後ろから抱きつかれた。
「ひいっ」
警備兵が首を噛みつかれた。
起き上がった病死死体、ゾンビだ。
仲間の警備兵がゾンビを警棒で叩く。
「離れろ、こいつ!!」
叩かれても、頭が潰れても、ゾンビは食いついた相手の骨ごと肉を噛みちぎる。
バリボリ、ボリ…。
首筋から血が噴き上がる。
バイクが現場に到着し、大口径の弾丸が吸血鬼に命中する。
「これでも食らえ!!」
「ふん…」
肩を貫通する傷を負った吸血鬼が、自分の傷の孔に指を入れて遊んだ。
そいつは、
「いくつ孔を開けても無駄なんだけどー。俺達は死なないんだから。面白いから、殺してみろよ。ヒハハハハ…」
と、空中で笑い転げた。
看護師は恐怖で狂いそうになった。
「いや、いや!! 死にたくない。誰か…」
じたばた暴れ、白衣から聴診器を落とした。
「そのくらいにしてやれよ、カス」
誰かが吸血鬼の群れに言った。
「あ!?」
吸血鬼が眉を寄せ、自分達より高い空を見上げた。
男の革靴の底が見えた。
と思った途端、その靴底が吸血鬼の顔面に食い込んだ。
「看護師さんを離せつってんだよ!! クソが!!」
ジークが怖い顔で呟いた。
「誰だよ、おまえ? 俺達の仲間じゃないかよ?」
鼻血を噴き、首の折れた吸血鬼が起き直った。
「仲間じゃねーよ。俺は黒瀧の一族の、達紙ジーク」
ジークが看護師を奪い取り、愛理にパスした。
「黒瀧だって!? 笑えるー。バラバラになったらしいじゃん。もう蛇神の時代でもなくね?」
吸血鬼は黒瀧の一族が内部分裂して殺し合ったことを、誰でも知ってるニュースのように話した。
ジークの眸が白くなり、髪も白くなってきた。
「おまえらじゃ話にならねーな。下っ端過ぎる」
ジークが唾を吐いた。
「やるの?」
相手のグループが色めき立って、強い波を発した。
波を受信して、警察のパトカーが病院に向かってくる。
ジークは雑魚とやり合う気にならなかった。
「おまえらこそ、時代じゃねーんだよ。さっさと消えろ、俺に食われたいか?」
ジークが睨み付け、相手の数倍の強さの波を発した。
相手は怖気付き、格の違いを思い知った。
「黒瀧のリーダーみたいな波だな…」
最も年長の一人が、黒瀧を知っているようだった。
「俺達は帰るよ、竜神ジーク。お互い、この終末を運よく生き残れるといいな」
一人が仕切って仲間を下がらせ、退却する。
「おまえらは滅びろよ」
ジークは中指を突き出し、長い舌を出してアカンベーした。
4
警備兵の目を眩まし、ジークと愛理は悠々、病院に潜り込んだ。
「ジークー!! こっちだ、ジークー!!」
向かいの病棟の窓から、ヨッシーが片手を必死に振っていた。
ジークと愛理は再会を喜んだ。
吸血鬼避けの鉄格子の付いた窓の病室で、ヨッシーは車椅子に乗っていた。
「もう会えないかと思ってたっす」
ヨッシーは鼻水を垂れて泣いた。
愛理がヨッシーを思いきりハグして、
「そんなことないよ。ヨッシーは私達の、唯一の人間のお友達だよ!」
と、心を込めて言った。
「ヨッシー、ここは危なくね? どこか別の場所に避難した方が…」
ジークは病室の匂いを嗅ぎ、不安に思った。
何だか、胸騒ぎがする。
どこもかしこも、吸血鬼の匂いがする。
部屋は個室で、大型テレビとソファーとキッチンがあり、VIP級だ。
「他に空いてないらしいんだ。ちょっと気が引けるけど、料金は大部屋と一緒でいいって言うから」
ヨッシーは車椅子でキッチンに向かい、
「コーヒーでも飲む? ベイカフェと同じエスプレッソを飲ませてあげるよ」
と、笑顔を浮かべた。
ジークは違和感を感じた。
公園の炊き出しの列の、あの剥き出しの憎悪と、この贅沢な病室で完全に守られて暮らすヨッシーの穏やかな微笑み。
何かがおかしかった。
「…罠なのか?」
ジークの声が掠れた。
ヨッシーは背中を向けて、湯を沸かしていた。
その手が震え、コーヒー豆を取り出す間にカチャカチャ音が立った。
「俺に睡眠薬でも盛るつもりか、ヨッシー…。それはねーだろ…?」
ジークは信じられずに、胸がきゅっと切なくなった。
ヨッシーは答えず、そっと指先で監視カメラを指した。
病室の片隅の観葉植物に、カメラが仕込まれていた。
「ヨッシー。何で…」
愛理が腹を立て、問い詰めようと近寄った。
ジークが愛理を止めた。
ヨッシーは沸騰する湯を見ながら、泣いていた。
愛理が病室のドアを開けようとした。
ドアは自動で鍵が締まり、怪力の彼女でも開けられなかった。
「ヨッシー、開けて!! お願い!!」
愛理が叫んだ。
何か危機が二人に近付いてくる。
ヨッシーは知っていて、逆らえないように黙っている。
「誰に頼まれたんだ!? 人質でも取られてんのか? そうなんだな?」
ジークがヨッシーの眸を覗き込み、電気コンロのスイッチを切った。
ヨッシーは俯いて黙っている。
「相手は吸血鬼なんだろ? 心配すんなよ。俺はもう強くなったから。そうそう負けねーから。おまえを助けてやる。絶対にだ。俺の目を見てくれよ」
ジークが言って、ヨッシーはぶるぶる震えながら見上げた。
「…逃げろ、ジーク。最強の…最悪の…吸血鬼が来る…」
ヨッシーが蚊の鳴くような声で囁いた。
「は? 何て言った?」
ジークは聞き取れなくて、耳を澄ました。
彼の耳に、深夜の病棟の廊下を歩く、軽い靴音が聞こえてきた。
ジークの記憶の中のどれかの足音と、特徴が一致した。
「あいつか…。確かに最悪だな……」
ジークはヨッシーの肩をポンポン叩いた。
「心配すんな。俺は今や、黒瀧の長のエネルギーを半分継いだ男なんだよ」
彼は肩に担いでいたケースから、黒飛龍剣を出した。
黒飛龍剣が闇の波動に触れ、びりびり共振した。
ジークが剣をドアに突き立てたが、空間は破れなかった。
面倒な結界に閉じ込められたようだ。
愛理が、
「ジーク。誰なの、あいつ?」
と、ドアの外の気配を窺った。
ジークはドア越しに、そいつと見詰め合った。
ドアが空気の圧力に押され、物理的にベコベコ凹んだ。
「生きてると思ってたよ。ヨッシーを利用するなんて、相変わらず卑怯なやり口だな。確かに、最悪っつったらおまえしかいねーよなぁー。なぁ、憂ちゃん……」
ジークがドアの外へ呼びかけた。
ドアの外で、敵が黒蝶の翅を大きく開いた。
翅の幅は両方で6メートル。
重なった下の翅は廊下を擦っている。
「ジーク…。おまえが憎くて憎くて…、殺したくて…。何回殺そうとしても、ちっとも死んでくれない。待ってたよ…」
目の下が黒くなり、金色の短髪の頭に触角を生やし、こめかみと額に青い静脈の浮き立った少年。
十五歳の如月憂。
もう一人いる。
薄紅色と桜色の模様が入った、華麗な蛾の四枚翅。
理想通りに彫刻されたみたいな、くっきり完璧な目鼻立ち。
蛾女ディーヴァだ。
「ジーク。諦めた方がいいよ。私は如月くんと一緒に、黒蝶の王国を作ることにしたんだ」
ディーヴァがドアの外から語った。
「ディーヴァ、君の心は人間なんだろ!? やっと自由になれたんだ。違うか?」
ジークが問う。
ディーヴァは首を振った。
「お腹の子に何か残してやりたいの、ジーク。私は来月、大好きな人の赤ちゃんを産む。それが私の夢だった。たまたま黒蝶の、悪魔の真珠・第一世代と、ヘルがラボで作った最強遺伝子の私の血を引く子供なんだけど。いつか、蝶の国の王様にしようと思う…」
彼女は愛しそうに、やや膨らんだ下腹部を撫でた。
「ディーヴァ!!」
ジークがドアを拳で叩いた。
彼に後悔が込み上げた。
「よりよって、そんな最悪なヤツの子供を孕んで、おまえのお父さんは地獄で泣いてると思うぞ!!」
「何を言ってるの? ヘルは黒蝶の卵・悪魔の真珠を回収するように加藤に命令されたけど、果たせなかった。私はちゃんと回収したよ。貴重な卵…。今はこのお腹の中にある…」
ディーヴァが誇りを持って答えた。
憂は彼女を下がらせた。
「ジーク。おまえを殺さずにはいられない。オレをこんな化け物にしたのは、おまえだ。おまえを死刑にする。東向きのその部屋で、朝日がおまえを焼き尽くすだろう」
憂が死刑執行を宣言した。
「何度も殺されてたまるか。おまえが俺を湖に沈めたんだ。俺は復讐の為に蘇った…」
ジークはメチャクチャにドアを斬りつけた。
ドアは傷だらけになったが、空間がどうしても開かない。
「ジーク。俺を殺してくれ。俺は親友を裏切った…。俺は…、俺は…」
ヨッシーが嗚咽して、車椅子から崩れ落ちた。




