俺達の決意
グレン「リリーナ…!」
息を切らし走るグレン、情報が漏れ、足止めを食らい合流出来なかった
道中、騒がしく話しをしている人達にリリーナの事を聞くと、どっちに逃げたか教えてくれた
何度も聞き込みを続けてたどり着いたのは、魔物が出るという森…
グレン「…マジかよ…!?」
グレンが森に入ろうとした瞬間
「バァン!!」
グレン「銃声!?」
グレンは音の鳴った方に走った
そして、グレンの目に飛び込んだのは…
リリーナ「…」
頭から血を流し、倒れ込んだリリーナだった…
グレン「…!?」
リリーナを抱き上げるグレン、しかし彼女の体は冷たくなっていた…
赤ん坊もいない…グレンは行き場のない怒り、憎しみを抱え、涙を流し叫び続けた…
〜現在〜
雷光「…あんた…」
グレン「…雷光、お前は人間でなく、兵器として生まれた事をどう思う?」
暫く考えた雷光、そして口を開いた
雷光「…難しいな…兵器として作り出された事は…許せない…けど、ありがとうかな」
ライ「ほう?」
雷光「今こうして生きてる…それはありがとう…かな…だけど、兵器として生まれるなんておかしいな…そいつは止めないとな」
グレン「…そうか」
雷光の言葉にグレンは問いかけた
グレン「…雷光、今からその研究所を破壊しに行く…協力してくれないか?」
雷光「…やだね、って言いたかったけど、こんな話し聞かされて断れるかよ」
ライ「よし、これで戦力は整ったな」
三人の能力、それはお互いに無い物を偶然にもカバーしていた
力のグレン、技のライ、速度の雷光…
一人では難しい事も三人なら恐い者無しだった
ライ「雷光、研究所には恐らく、プロトタイプが4人いる。こいつらは僕達と同じくらいの力量を持つ」
雷光「3対4、連携を取らねぇと死ぬって事だろ?」
グレン「案外話しがわかる奴だな」
元は同じなのだから話しは合うのかもしれない
作戦としては隠密行動で研究所の中心に爆弾を仕掛け、破壊する作戦となった
三人は森の中を歩き続けた…
かなり歩くと、三人の前にはとても大きな研究所があった
雷光「…でかすぎだろ…おい」
ライ「見つからないように侵入するぞ」
三人は入り口を探したが、見つかる気配がない
ライ「これだけでかい研究所だ、きっと入り口は隠されているんだ」
雷光「怪しい所は念入りに調べるしかないな…」
二人は入り口を探そうとしていたが、グレンは…
グレン「…無いんなら…作りゃぁいいだろぉ!!」
「ドゴォン!!」
グレンは研究所の壁を殴り、穴を開けた
雷光「!?」
ライ「バカな事を!これじゃ見つかってしまうぞ!!」
ライの言う通り、すぐさま見つかってしまった3人
警備員達が雷光達に銃を向ける
警備員a「侵入者を確認!!」
警備員b「隊長!!あれは5号と6号です!!」
ライ「僕達も有名になってしまったな…!!」
ライがそう言うな否や、警備員達は銃の引き金に指をかけ…
警備員a「全員、撃て!!」
号令と同時に、ライはとっさに物陰に隠れた、しかし、グレンは狙われているにも関わらず、その場に立ったまま…
雷光「何考えてんだよ!!」
物陰に雪崩れ込むように雷光がグレンを押し込んだ
雷光「お前…死ぬとか考えんなよ…?」
グレン「…俺には…何も残されてない…」
雷光「…あんたさ…その好きだった人の分まで頑張ろうとか思わないのか?いなくなった赤ん坊を探すとかさ、目的持てよ」
グレン「いなくなった赤ん坊…か…ふっ…お前に言われるとはな…」
とは言いながらも、状況は良くない…
刀や剣しかない3人に対し、銃を向ける警備員達
ライ「…僕が囮になる、その間に雷光、あいつらをなんとかできるか?」
雷光「…やるしかないんだろ?…やってやるよ」
ライ「よし!!」
腹をくくったライが物陰から出た瞬間、銃口は一斉にライに向く
ライは相手の射撃に備え、剣を構えた…瞬間、一陣の風が吹く
屋内で風、それは一体何か…考える間もなく、その正体はわかった
雷光「…これで、いいだろう…?」
警備員達の後ろで、雷光が刀を鞘に戻す…すると、警備員達は一斉に倒れた
ライ「雷光…お前…!!」
予想外の速さ、これが本当に同じ身体なのかと疑う
グレン「…雷光…か…なるほど」
ライ「どうした、グレン」
グレンは床を指差す
すると、床には雷光の足跡が残り、電流が走っていた
雷光「…」
ライ「…お前、何者なんだ?」
雷光「…今は、仲間さ」
そんな詮索をしてると、二人のよく似た人物が現れた
ライ「きたぞ…奴等だ!!」
G-01「ターゲット確認」
G-02「排除を開始する」
そう言うなりその二人は腰に携えたトンファーを装備し、突っ込んできた
その二人を受け止めるグレンとライ
グレン「てめぇ等みたいな出来損ないに負けるかぁっ!!」
G-01「反乱分子は排除する」
ライ「プロトタイプの貴様に遅れはとらん!!」
G-02「我々はありとあらゆる状況に対応できるように強化されている」
グレンの攻撃は避けられ、ライの攻撃をも捌くプロトタイプ達
グレン「確かに…」
ライ「強化されているらしいな」
二人の後ろで雷光が刀に手をかけようとした時
ライ「雷光…これを任せる」
ライは雷光に爆弾を手渡した
ライ「僕達が足止めする、お前は研究所を破壊しろ!!」
グレン「コイツ等を倒したらすぐ向かう…行け!!」
雷光は頷き、走り出した
G-01「G-03、G-04に連絡、対応しろ」
グレン「雷光…俺が行くまでに死ぬんじゃねぇぞ」
ライ「いざとなればアイツは逃げれるさ…」
研究所を破壊する為、走り出した雷光、プロトタイプ達の相手をするグレンとライ、
三人は研究所を破壊し、無事に生還できるだろうか?