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私の世界  作者: 雷光
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明かされた過去

あれからかなり引きずられた雷光


雷光「…おい!!、いい加減放せ!!逃げたりしねぇからよ!!」


???「…そろそろ放してやろう」


黒い服の男がそう言うなり、赤い服の男は雷光を放した


雷光「…アンタ等、一体何者なんだよ?」


雷光の問いに答えたのは赤い服の男だった


グレン「俺はグレン…グレン・ライゼルト」


雷光「グレン…か…そっちのアンタは?」


黒い服の男は何も言わず、目をそらした


グレン「こいつはライ・レルミトス、無口だが、剣の腕前は一流だ」


確かにあの時、簡単に刀を弾き飛ばされたと思い出す雷光…敵に回して勝てるか分からない強さ…今はおとなしくするのがいいと思い、雷光は二人に着いていくしかなかった


しばらくすると、グレンから意外な言葉が出てきた


グレン「雷光、と言ったな?…自分が何者か知ってるか?」


雷光「俺は、人間だよ…」


グレン「なら、どこで生まれたか、親は誰か知ってるか?」


雷光「…」


知るハズもない、森で拾われ、今まで生きてきた


親はもはや館の皆や自分に勉強を教えてくれた先生だ


しかし、もし知っているなら…雷光はそう思い、こう聞いた


雷光「…アンタ、俺の親を知ってんのか?」


グレン「それを聞くって事は、それなりの覚悟があるんだな?」


雷光は少し迷った…しかし、心の中でやはり知りたいという気持ちが勝り、雷光は無言でうなずいた


グレン「…そうか…まず単刀直入に言う…お前は人間ではない」


雷光「!?」


予想外の発言に、雷光は言葉を失う


さらに追い討ちをかけるようにグレンは続けて口を開く


グレン「…さらに、お前には親はいない…」


雷光「……俺は…一体なんなんだ?」

やっとの思いで聞いた雷光、グレンはそんな雷光にこう答えた


グレン「お前は生きた兵器だ…」


雷光「兵器…だと…?…どういう…事だ?」


雷光がそう切り替えすと、グレンは自分の過去を話し始めた…


今から20年程前、1人の賞金稼ぎ(バウンティーハンター)が居た


その賞金稼ぎの名は、グレン・ライゼルト…政府から優秀な戦力としても見られていた


手配書の人物の捕獲や、モンスターの討伐まで簡単に行っていた


しかし、危険な任務が多いグレンは、強いとはいえ戦死する可能性が高い為、政府はグレンが死ぬ事を恐れていた


しかし、その事態はすぐに訪れてしまった


こうなる事を予想していた政府は、グレンの細胞を採取しておき、その細胞からクローンを作り出すという方法を実行していた


同じ身体能力を持つ存在を作り、戦力として使う、いつしかこの計画はG-シリーズ計画と呼ばれていた


そして、自我を持たないクローンが、兵器として4人作り出された


そんな計画の中に、別の目的で計画に参加していた人物が居た


彼女の名前はリリーナ・プラジナー


リリーナはG-シリーズ計画に参加していたが政府の事などどうでもよかった


彼女の目的はただひとつ、愛する人との再開…


リリーナはグレンと婚約までしていたが、グレンが死んでしまい、生きる希望を失ってしまった…


だが、リリーナは特別な存在で、他の研究員とは比べられないくらいの頭脳を持ち、実際クローンを作り出す事ができたのもリリーナのおかげという


作り出されたクローンは、見た目はグレンだが、一緒に過ごした記憶がなく、もはや別人だった…


そんな時、彼女はグレンの戦闘データの移し方を思い出す


グレンの脳に、仮想戦闘を行わせ、そのデータを取り出している…つまりグレンの脳は生きている


ならば、とリリーナはグレンの脳から全てのデータを取り出すという方法を行う為、研究員と相談するが、門前払いを食らう


そう、リリーナは研究員からあまり信頼されていなかった


ならば理由さえあればいい、とリリーナはグレンという存在により近い物を作り出す事ができるという論文を書き出した


自我があれば、規格外の力の発揮も可能という人の心の強さを利用し、さらに身体能力をも強化するという方向性を発表


リリーナの案は採用され、5人目のクローンを作り出す事に成功


リリーナ「…ねぇ、グレン…私がわかる?」


その質問に、5人目のクローンは…


グレン「リリーナ…会いたかった…!!」


こうしてグレンは強化され復活を果たした


グレンの身体能力の強化…それは、腕力を異常領域まで強化する事で、今後グレンに何かあった場合、切り抜けられるように行った事…リリーナは自らの思惑を達成する為、周りすべてを利用したのだ


利用された事に気付かれる前にリリーナはグレンと逃亡した


研究員や政府からすれば、機密事項を知った者を取り逃がしたという事になる


よって、リリーナとグレンに抹殺命令が出された


しかし、グレンに敵うクローンはいなかった…が研究員はある物を見つける


リリーナの論文だ…


研究員逹は新たにクローンを作り出し、とある人物のデータを移し作成


名前はグレンの名前、ライゼルトから2文字を取り、ライと名付けられた


身体能力は今までのクローンと同じだが、剣術に圧倒的な差があった…


これならグレンを抹殺し、リリーナをも消す事ができる。さらには最強のクローンまで誕生した事になる…


そして、命令を聞き、自らの意思でグレンを抹殺しに行くライ


グレン逹が見つかるのは、さして時間はかからなかった…死にたくないグレンは応戦するが、やはり剣術の差で不利になっていく


まずい状況の中、リリーナを守る為、グレンは必死に戦った


グレン「お前、何者だ?」


ライ「僕は、ライ…ライ・レルミトスとでも名乗ろうか…僕はお前逹を抹殺する命令を受け、ここに来た…お前逹には消えてもらう!!」


グレン「そう簡単にはやらせるかよ!!」


そうグレンは言ったが、剣術の差がありすぎてグレンの攻撃は全て受け流され、ライはグレンにダメージを与え、追い詰めていく


ライ「フン…この程度か…面白くない」


グレン「…強い…だが…やるだけやるさ!!」


必死に戦うグレン、余裕を見せるライ

グレンは考えた…ライに1つでも勝る部分を…


スピードは互角、剣術では敵わない…だが、パワーなら…?


グレン「これしかないな…」


何かを思いついたグレン…そして、決着をつける為に剣を降り下ろすライ


グレンはとっさにライの剣に対し自分の剣を押し当てた!!


ライ「ほう…少しはでき…!?」


気が付けば、ライは押し返され、空中に浮いていた


グレン「もらったぁ!!」


ライ「何!?バカなあぁ!!」


グレンは剣を降り下ろしながらライの言葉を思い出す


「お前逹を抹殺する命令を受け、ここに来た」


気が付けばグレンの剣はライの身体に触れる前で止まっていた…


グレン「…俺逹を殺すのがお前の意思か?…それは奴等の意思じゃないのか?」


ライ「それは…もしそうなら…僕は…どうしたら…」


グレン「好きに生きろ…俺逹は作られたが、意思があるからな…人として…」


ライ「好きに…か…なら今から僕がお前を殺すかもしれんぞ?」


確かにそうだ、ライはグレンをいつ狙うか分からない状況だ…


グレン「…それはないと思うな…お前は俺に殺された…そこにいるライは別人さ…これから自由に生きる…1人の人間さ…」


ライ「…」


ライは無言で立ち去った…その後、ライはグレンの仲間として、共に生きていった


一段落…と思いきや、リリーナは病気でグレンとの子供を授かる事が出来ない身体になってしまう


どうしてもグレンとの子供が欲しいリリーナは、ある物にすがり付く


…クローンを作り出す計画だった…


自分の細胞とグレンの細胞を掛け合わせ、赤ん坊のクローンを作り出す事を考え出す


早速、リリーナは論文を書き始める


自我を持てば、規格外の力を得るが、変わりに命令に背く。ならば赤ん坊から育て、自我を持ち、忠実な存在を作り出すという内容だ


研究所に戻り、内容を見せるリリーナ、一度裏切られたが、研究員逹はその考えを試したかった


リリーナに「次は無い」という条件の下、再びクローンを作り出す


実験は成功し、赤ん坊が誕生した


リリーナ「この子は…私の命そのもの…」


大切に育てるが、いずれ研究員逹の手に渡る…ならば、この子を連れて逃げるしかない


リリーナは子供を連れて逃げる事をグレンに告げる。


途中で合流し、逃げきる作戦を立てた


そしてリリーナはグレンに伝えた時間通りに作戦を開始した…!


赤ん坊を抱え、必死に走るリリーナ、約束の場所まで走り続けた


しかし、グレンは居なかった…

それどころか、研究員逹が先回りしていたのだ


リリーナ「情報が漏れた!?」


とにかく逃げるしかない、そう思いリリーナが走り込んだのは魔物の潜む森だった


研究員逹は一瞬戸惑ったが、大事なサンプルの為、森の中へ入っていった


リリーナは思った「このままではいずれ追い詰められる」と


ならば、とリリーナは赤ん坊を籠に入れ、森の中に隠した


そして、リリーナは赤ん坊から目一杯隠れながら離れた


…しかし、リリーナは研究員逹に取り囲まれてしまう


研究員逹はリリーナに赤ん坊を差し出せば命は助けると言うが、信用はできなかった


リリーナは覚悟を決め、自分の頭に銃を当てた…


「バァン!!」


森の中で火薬の音が鳴る…


研究員達は手分けして赤ん坊を探し始めた…



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