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二十二丁目 雨雨フレフレ

軽く宣伝になりましたね…

「で、これはなんですか?」


「だから言ってるじゃない、ほ・れ・ぐ・す・り」


「俺はそういうことを聞いてるんじゃないんです、これを俺にどうしろと?」


「やだもう!わかってるくせに!」


「勘弁してくださいよ、俺ちょっと傷心気味なんですよ、ああ…名前……」




現在、『三丁目』は千軒堂に来ている。何故か、それは数十分前に遡る…


――――――


『雨雨フレフレ』


―――




キーンコーンカーンコーン



「よーっし今日はここまでだ!てめぇら俺が出しといた課題、忘れるんじゃねぇぞ!!!」


担任の間山裕子先生は、相も変わらずドスの効いた声で教室を睨み回したあと、高笑いしながら出ていった。


「課題……課題……」


一宮がぶつぶつと何か言っている。後ろを見ると


「課題……課題……」


神海も同じ状況だった。


「どうしたの?」


「ああ穂村さん、久しぶりだね」


「なんで?毎日クラスで会ってるじゃない」


「え?ああそうか…」


わけのわからぬ事を口走る三丁目は、やっぱり昨日の心のダメージがでかいらしい


「ところでこの二人はどうしたのだ?」


「天草か、いや課題だろ?間山さんが出した」


「む?明日提出のやつか」


「そうだよ!」


「うわっ!」


いきなり机をたたき、一宮が立ち上がった


「明日とか無理だ!大体期限が短すぎるんだよ!」


「そうよ!アンタたまには良いこと言うわ!」


神海も同調して立ち上がる


「期限てどのくらいだっけ?」


と三丁目


「えっと……確か3週間くらいかな」


と穂村さん


「…充分間に合うな一宮&杏奈よ」


最後に天草だ


「う、うるさいうるさいうるさーいッ!アタシ達の頭じゃあと1週間は必要なの!」


「そうだそうだ!馬鹿をナメるなッ!」


なんだこいつら…、ともあれ、かくいう三丁目もこの二人と成績は大差無いのだが、性格上コツコツと終わらせていた。立派なものである


「てかお前の姉ちゃんあの蘭さんだろ?化学の課題だし、聞きゃいいじゃん」


「え?」


まさか気付かなかったのかこの女


「アンタ頭良いわね、ちょっと見直したわ…」


いや、お前らがアホなんだ



「三丁目、俺はお前を信じていた!」


「お前そんなにダメなのか?」


「自慢じゃないが1ページもやってない!」


「本当に自慢じゃねーな…、ところで天草と穂村さんは終わってるのか?」



まあ終わっているだろう、会話の流れからすれば



「いや、終わってない」


「……私も」



「えーーーー」



――――――


―――




「……というわけで」


千軒堂の前には、何故か俺と、神海だけだ。


一宮と穂村さんは千軒堂へ向かうやいなや謎の腹痛を覚え帰宅。体がいろいろと覚えているんだろう



天草は覚悟とは振り向かないことだ、と、どこぞの宇宙刑事のようなことを言いだし帰宅、要は諦めるということだ


「まあ自業自得だな、じゃあな神海、帰るわ」


ガシッ


「お茶でも飲んでいったら?」


「結構です、首、放してください」


「遠慮なんかしなくていいのよ?」


遠慮などしていない、死活問題だ


「あら三丁目くんに杏奈ちゃ〜ん、いらっしゃ〜い」


あ、もうダメだ


「ほら早くぅ〜」


「……おじゃまします」


三丁目はズルズルといつものように引きずられていった…


――――――


―――



「……で、ここがこうなって…」


「な、なるほど!さすがお義姉ちゃん!」


「確かにこりゃわかりやすいわ、こういうとこは天才的ですね」


「何か引っ掛かる言い方ね」


例の地下室で煎餅を頬張りながら三人は勉強していた。


『わらわの能力を使えば答えなど一瞬で出せるというのに……難儀じゃの…』


アニマは点検中らしい。やっぱり首だけちゃぶ台の上に乗っていた。


「それじゃ意味無いのよ、答えは自分で見つけなきゃ意味が無いからね〜」


「うわッ!」


「なに?三丁目くん」


「いや、幻聴が…」


「あたしが真面目なこと言ったらおかしいかコラ」


頭をはたかれ、いつもと役割が違う漫才を見て神海が笑う。なんと平和なやりとりだろう。だがそれが続かないことはわかっている。


「ところで三丁目くん」


蘭さんがバッグをごそごそとやり出した


「あ、俺そろそろ帰ります。じゃあなアニマ、神海」


そそくさと帰ろうとすると、腕にガチャリと手錠を嵌められる


「話くらい聞いてきなさい」


「……」


おとなしく座る三丁目


「これなんだけど…」


蘭さんはちゃぶ台に青色の液体が入った小瓶を置いた


「これは……ポー◯ョン?」


「違うわ杏奈ちゃん」


軽く神海をスルーして話を進める蘭さん



「これはね?ほ・れ・ぐ・す・り」


「嘘だぁ」


「なんなら杏奈ちゃん飲んでみる?」


「遠慮しときます」


すかさず断りを入れる神海、そりゃこんな青い液体を好き好んで飲む人間はいないだろう


「で、これを俺にどうしろと?」


「一本あげるわ。欲しいでしょ?ほら好きな子に一本、あ、でもあたしに飲ませちゃダメよ?いくら魅力的だからって〜」


「いえまったく、手錠外してください」


手のひらで蘭さんを制し、丁重に断る


ピキッ


「そういう素直じゃない子にはぁ〜……くらえッ!」


「わ、ちょっと蘭さん、うぷ、ごくん……」


飲んだ


「はい!」


蘭さんが強引に三丁目の首をひねり、神海に向けさす。ぐきっとなったのは気にしない


「ちょ、ちょっとお義姉ちゃん!」


顔を真っ赤にする神海だったが、時既におそし、完全に2秒ほど目があった


『効果は?』


「もう少し…、どう?三丁目くん、好きになった?」


見つめ合う二人…そこに新たなロマンスが……!


「神海……」


「な、なによっ!」


神海の顔は完全に真っ赤だ。目が右往左往している、こういうシチュエーションに慣れていないからだと思われる


「……アホか」


「は?」


「これただの水ですよ、青いのは容器のせいです」


小瓶に残った水を湯飲みに移してみる、透明な液体が注がれた


「おっかしいわね〜、確かな筋から貰ったんだけどな〜」


『全身黒ずくめのどこが確かなのじゃ…』


アニマがすかさずツッコミを入れた


「あんまり関わると小さくされますよ……っと神海どうした?」


「ど、どうもしてないわよ!」


「いや顔真っ赤……」


「うっさい!」


「ぐはッ!」


顔面を殴打され、のけぞる三丁目


「青春ね〜…」


蘭さんはズズズッとお茶を飲み、本日3袋目の煎餅を開けた


――――――


―――




「ってて……結局押し付けられた…」


とぼとぼと青い小瓶を弄びながら、三丁目は家路へ着いていた。鼻がズキズキする


「おや?」


前に見ゆるはシャウルと交番の清浦さんだ


「どうかしたんですか?」


「ああ浅岡さん家の!この子が道場の場所がわからないって…」


「ハぅ…すみまセン…」


小さい体をいっそう縮こませるシャウル、三丁目はため息とともに丁寧に道を教えてあげた。


言い忘れたが、シャウルと炎泪さんは近くの空手道場にしばらくお世話になるそうだ。実はシャウル、かなりの腕前で、先生からもかなりの熱意で引き止められたらしい。さすがは日本刀に鍛えられているだけある


「あ、ありがとウございマス三丁目サン!」


「いいっていいって」


「近いウチニご挨拶にきますネー!」


とことこと走り去るシャウルに手を降りながら、銃刀法違反で捕まらないことを祈った。


「ふぅ、毎回よく迷子になるなぁあの子」


「まああれは体質みたいなもんですから」


「それもまた困りものだね……おや?それは巷で流行っているポーショ◯かい?」


「…違います」


流行ってるのか?ポ◯ション……


「すまないが僕にくれないかい?今日走り回っちゃって…」


帰りがけに会った高校生に飲物をねだる警官もいかがなものかと思うが、こういうフレンドリーな付き合いが千軒町の特徴かもしれない


「水ですよ?」


「構わないさ、飲めれば」


「んじゃどうぞ」


「おおすまないねぇ……んぐ…んぐ…ぷはーッ!」


良い飲みっぷりだったが、様子が変だ。


「あれ…?なんだか体が…熱くなってきた…!」


「え?え!?」


ま、まさか惚れ薬の効果が!?と思いきや


「ウォォォォォ!!!事件が!!!事件が俺を呼んでいるゥゥゥゥッ!!!」


砂ぼこりを巻き上げ、清浦氏は全速力で走っていってしまった。途中車に撥ねられていたが平気らしい、もう走る走る



「……効果が違うのか…?」


残った二本の瓶を見ながら呟く、まあなにはともあれ…


「あれ飲まなくて良かった〜」


心の底からそう思った


――――――


―――




「ただいま〜」


「おかえりマイブラザー!」


「ただいま雨」


「おかえりなさいサンお兄ちゃん」


抱きつこうとする兄からひらりと身をかわし、三丁目はリビングに入った。業者の人達が壁の穴を補修している。言い訳は兄貴がしたそうだが、業者さん三人がこちらを見てひそひそ言っていることから、ろくなことを言ってないだろう


「奥さ〜ん、とりあえず応急処置は終わったんで今日はこれまでということで…」


「あ、は〜い、どうもありがとう」


「いやそれにしても奥さんお若いですな、いやなんかもう信じられないくらい」


「えー?よく言われるんですぅ」


出た、小春スマイル、どんな男でも瞬殺可能な小春奥義


「お、奥さん美人だからまけときますよ〜」


頬を赤く染め、鼻の下を伸ばしている。効果覿面だ


「あらありがとう、よろしくね〜」


三人仲良くだらしない返事をして廊下へ出ていった。邪魔になるので身をかわすと


(それにしてもかわいそうに…)


(ああ…まだ高校生だって言うのになぁ…)


(あんなに…うっ…元気そうなのになぁ……うぅ…)


と聞こえた。マジであのクソ兄貴は何を言ったんだ。あとで絞ろう


「おや、マイブラザー、その手に持っているのはポーシ◯ンかい?」


「……違う」


なんでだ…?なんでポーショ◯…?


「一本くれないかい?一度◯ーションを飲んでみたいと思っていたんだよ」


「だから違うって、いやまあ飲んでもいいがどうなるか知らんぞ?」


「なに?ポーシ◯ンにそんなパル◯ンテ的な力が?なるほどな…合併したからか……」


「違うっつってんだろ、まあいいや、飲みたいなら飲めよ、車にひかれてもいいならな」


「む?何故車に?」


そう言いながらも、飲んだ。我が兄ながら思い切りの良いやつだ。


「こ、これは……」


「どうだ?力が漲るか?」


「すばらしい!」


どうやら当たりらしい。


「こうしちゃいられん!早く総理にこの事実を知らせねば!」


わけのわからぬまま、兄貴は家を飛び出していった。どんな事実なのか少し気になる


「まあいいや、明日までには帰ってくるだろ」


それより晩飯だ。


「母さーん飯はー?」


「はいはーい、今準備するからねー」


何故か今日は上機嫌である


「どうしたんだアレ」


「うーん、なにか良いことあったんじゃない?」


雨が頬杖を着きながらテーブルに着いている。読んでいるのは洋服関係の雑誌のようだ。


ああ、そういえば、雨とはきっちり和解したので悪しからず。コンクリートにぶつけた背中が痛いと言ったら許してくれた。実際今も痛いしな


「ただいまー、おや三丁目、その手に持ちたるは…」


「ポ◯ションじゃねぇぞ親父」


あれだけ言われたら誰だって先読みできる。三丁目はため息をつき、食卓についた。


「はーい、今日は肉じゃがよー!」


機嫌のいいときはだいたいこれだ。文句は言わん、投げ捨てたいが我慢する


「お!小春ちゃん、今日はどうしたんだい?やけに上機嫌じゃないか!」


「なんと福引きでねー、当たっちゃったの!ポー◯ョン36本!」


だからなんで……なんでポー◯ョン!


「どうしたのサンお兄ちゃん?」


「いや…ポーシ◯ン……◯ーション…なんで…」


「?」


頭を抱える兄を不思議そうな顔で見ている雨であった。



――――――


―――




朝。さすがにもう冬の気配はしない、布団から出るのも大分楽だ。


「ポーシ◯ンの夢しか見てねぇ……」


100本のポーショ◯が空から降ってくる。恐くて泣きそうになった


「起きるか……遅刻する…」


布団から出て寝巻を脱ぎ捨てる


―待てマイシスター!昨日の話を聞いてくれ!!!総理がなんとカポエラを……


―だから着替え中に入ってこないでって言ってるでしょーッ!!!


―うおッ!それは新技!



―バリーンッ!!!


…………


「……硝子二枚いったな…」


朝からため息をつき、階段をおりる。そしてぎょっとした。


「おはようさんちゃん」


「お、おはよう…あの…これは?」


「ポ◯ション」


「いや見りゃわかるけど……」


ポーショ◯がところせましとテーブルに並べられていた


「一人7本飲んでね?」


母は不機嫌だった。どうやら味がお気に召さなかったらしい。


「んな無茶な…」


「いやなの?」


「……飲みます…」


早速とりかかろうとしたら床に親父が転がっていた。横には空き瓶が7つ。親父を誇らしげに思うのは後にも先にもこれが最後かもしれない


――――――


―――




「ぷはっ…はぁ…はぁ…はぁ…」


死ぬかと思った。でもやった。空き瓶7本、人間やればできるものである。


兄貴はうまいうまいと言いながら母さんと雨の分まで飲んでいた。つくづく人間じゃない


「…あたし今日は学校休みます……」…」


「はっはっは、だらしないなぁマイブラザー&シスター!こんなにおいしいのに!!!」


コンビニに売ってるかなとか独り言をほざいている。こいつのHPは底無しか


「あれ?」


「どうした母さん…?うぷっ……」


親父が呟く、腹を押したら口からポー◯ョンの噴水が出そうだ。


「おかしいわねぇ…わたしが今朝飲んだの合わせて4本。さんちゃんと幹春さんが7本ずつ、雨ちゃんが4本で幹人が14本……」


「36本でピッタリじゃないか…うぷ…」


「ううん…あたしが昨日飲んだから1本少ないはずなんだけど……ピッタリ36本?」


「んなこと…うぷ……どうだっていい…マジで休むから……俺…」


「あたしも……」


「うーん、あたしがやっちゃったことだしね、今日は特別に許す!」


そりゃどうも、と言い階段を上る、何か忘れてるような気もしたが、今はとにかく休みたい


「あー、お母さんちょっと今日遅くなるわよー」


さらにありがたいことだ。静かにゆっくり寝られる…


「じゃあ行ってくるよマイファミリー!」


「行って…きま……す…うぷ…」


「じゃあ戸締まりよろしくねー」



真ん中の人が一番心配だが、これでゆっくりできそうだ……



三丁目は部屋に入り、ベッドにダイブした。胃が必死になっているらしく、脳まで血液がこない。三丁目はそのままぐっすり眠ってしまった…



――――――


―――






「……兄…ちゃん…」


ん?


「…サン…兄ちゃん…」


雨…か?



「起きて…ねぇ…」


「なんだよ雨…ふぅ…」


半身を起こすと、部屋の入口に雨が立っていた。パジャマのまま枕をきゅっと抱きしめている


「眠れない…の…」


「……は?」


寝ぼけてるのか?


ぼんやりした頭でそんなことを考えていた三丁目だったが、次の言葉はさらなる破壊力を持っていた


「一緒に寝ても…いい…?」


「…今なんと?」


反射的に聞き返す三丁目、雨はというと、顔が熱っぽい、それに目もとろんとしていて夢見心地だ


「だからね?おじゃまします」


しどろもどろと歩み寄り、ついにのそのそと三丁目の布団に入ってきた


「えへへー」


布団を口元まで被り、満足げに顔を崩す雨、顔のパーツがとろけてしまいそうなくらいに緩んでいる


「お前マジでどうした?」


「わたしはどうもしてないよぅ?ちょっと体が熱いだけー、あは」


いつもの体裁はどこへやら、完全に甘える子猫状態だ。これで兄妹で無かったら、一線を超えるかもわからない


「ねぇお兄ちゃぁん…」


「な、なんだよ?」


「サンお兄ちゃんはどんなタイプの女の子が好きなのぉ?」


「は?お前やっぱ変だぞ?なんか悪いものでも…、あ」


あれか、惚れ薬だ。



「今朝のポー◯ョンに混ざってたのか…」


そういや母さんが一本多いとか言ってたな…


雨が飲んだのか…


そう考えると確率にして9分の1である。9分の8の確率で他の変態どもが飲んでいたらと思うとゾッとする


「ちょっと聞いてるの?」


「え?ああ、なんだっけ?」


「もう!」


頬をぷうっと膨らます雨、ただそれは怒りとかじゃなくて、かまってくれないからふてくされるといった明らかに好意を含んだものだ


「わ、わかった!なんだっけ?好きなタイプ?あ、そうだな、包容力がある人かな!優しくて!あはは!」


暴れられては敵わない。とりあえず月並な答えでごまかす


「ふーん……じゃあ大丈夫かな…」


視線を上にやり、唇に指をあてて呟く。なにがだ、とは聞かない


「まずいな…どんどんエスカレートしてくる…」


「何か言った?お兄ちゃん?」


にっこり笑い、小首を傾げる雨。一瞬母を見た


「そ、そうだ雨、腹空かないか?出前でも取ろう、な?」


「え?別に空いてないけど……」


「ほら!もう昼だ!俺が電話する……」


バタン


三丁目が布団から出ようとした瞬間、口惜しいほどタイミングよく、勢いよく部屋の扉が開いた。


「ちわー!おっみまいにきたよー!!!」


「大丈夫ぅ?ポ◯ションの飲み過ぎじゃなぁい?」


「え゛?」


青山緑さんと渋谷橙子さんだ。



硬直する四人




パシャ―



「ちょっ!何撮ってんすか渋谷さん!」


「すごいわ三丁目くぅん、やり手ねぇ…うふふ…」


「あ、あたしは何も見てないからーーッ!」


渋谷さんがポロライドで激写し、青山さんが両手で顔を覆う。雨はというとほのかに染まった頬に両手をあて、はにかんで顔を背ける。さらさら誤解を解く気は無いようだ。


俺は……




「…もう…いや…」



泣くしかなかった……

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