第022話 お友達と自己紹介と日常会話
「へえ、ホリーは商業ギルド系列のお店だったのね?」
「はい。……安さで勝負してたけどやっぱり苦しくて、レンリート伯爵家からお話しが来た時はびっくりしたけど助かりました」
「ふふん、その点エリカは元々商工ギルド系だから大して影響は無かったわよ? フランもじゃない?」
「ふふっ、そうですね。でもあの方のハーレムに加えられる事を考えれば大変助かりましたわ」
「うっ、そっ、そりゃエリカだってそうよ! あんなオークみたいなの死んでも嫌だったもん!」
「ちょっ、声が大きいわよエリカちゃん! 貴族と繋がりのある人達もいるんですよ? どんな噂立てられるか」ボソ
「あうっ!? ごっ、ごめんなさい」
「ふぅ、まあ滅多な事でも無ければ大丈夫だと思いますけど。自国の侯爵家の3男を学院から落としてしまうんですから」
「そう、そうよね? ホリーの言う通りよね?」
「ええ、私もそう思いますわ。第一学院に行くのかと思ったら自領の学院に通うと言う話しですし」
「フランさんもやっぱりそう思いました? フォシュレーグ王国と言うよりリアースレイ精霊王国が圧力を掛けたんでしょうけど、そこまで強い繋がりがあるのかしら?」
「………………何?」コテン
女の子の話しなんて付いていけないからぼうっと話しを聞き流してたらホリーが俺を見つめてた。何の話し?
「ところでアイリスちゃん、可愛い服着てみませんか? 商工ギルドと取引き出来るようになって沢山可愛い服を仕入れられて、是非アイリスちゃんに着て頂きたいですわ」
おう、フランがいきなり目をキラキラさせて本当に何の話しだ?
「あら、それならエリカの店の方が良いんじゃない? ウチは元々商工ギルドの洋服屋だもん沢山種類があるわよ?」
ふふん、と無い胸を張り得意気にするエリカ。でも商売が競合してるのか、仲違いしなきゃ良いけど……。
『その前にオナゴに無い胸とか言うでないのじゃぞ?』
「ふふっ、私の家は女性服専門店なんですよ? エリカちゃんも可愛いから可愛い洋服を着せてみたいですわ」
「そっ、そう……。まあ確かにエリカは可愛いからね」
フランが一枚上手だったか、エリカも毒気が抜けたみたいだし揉めずに良かった……ってちょっと待て、女性専門??
「……僕、……男、だよ?」
くっ、僕って使い慣れてないから恥ずかしいぞ? みるみる顔が赤くなる、こんな事なら練習しとくんだった。全く、俺で良いじゃないかビアンカ様め。
『やれやれ、何処で恥ずかしがっておるのか。そんなんだから可愛いがられるのじゃ。まあ別に悪い事じゃ無いからリリィは構わんが』ジト目
何故か皆んなに生暖かい目で見られながら俺とエリカだけがちゃん付けされると言う問題が発生したが、解決されないまま授業が進んでいく。
因みに従者の殆どが送り迎えだけで家に帰って仕事をしてるそうだ。専属の従者と言うのは貴族や大商人の子供だけらしい。
なのに何故かナージャさんは後ろに控えている。ヴェルンさんも学院内にいるらしいし何でだろうな。たかが一家臣に過剰じゃね? ……貴族の見栄ってヤツかね、面倒な事だな。
――いや俺的には助かるか。
学院の授業は午前9時から3時間昼休憩をとって午後2時間の5時間ある。内容は座学が数学、国内史、世界史、礼節。実技が剣術、魔法、音楽(ダンス含)だ。
馬術もあるけど馬の数に限りがあるから貴族の多い上位クラスのみとなっていて俺には関係ない。一番為にはなりそうだけど馬に乗るのは怖いから無くて良い。
座学は数学以外が苦手だ。国内史世界史はビアンカお嬢様曰く、自国の都合で創られたファンタジーで本来なら覚えるに値しないゴミだって言うし、礼節もアデール王国内でしか通用しないモノも多くて他国で混同して間違えたら恥をかくそうだ。
そんな事言われたら覚える気がしないんだけど!?
意外なのがエリカちゃん(ちゃん付け強制)以外が余り信じてなかった事だ。自国の商品より明らかに精霊王国の物が出来が良くて流石に歴史書通りとは思えなかったそうだ。
エリカちゃんは何も考えず鵜呑みにしてたらしいけど言われて納得してたな。寧ろフランなんて他国の人がアレを読んだらと思うと恥ずかしいと顔を赤くしてたしな。
『うむ、本好きと言う事もあって色々思う所があるのじゃろう』
「ええー! アイリスちゃん副都の迷宮に行ってたの? 大丈夫だった!?」
「ちょっ、エリカちゃんまた声が大きい!」
エリカちゃんが声を上げホリーに嗜められた。でも皆んな興味津々みたいだな。
「でも確かにアイリスちゃん、試験の時も騎士を倒しちゃったし強かったもん。エリカびっくりしたんだから、ね? フラン」
「そうですね、本当に強かったです。私もびっくりしましたわ」
「違う、……弱いもん」
皆んな分かって無い。あんなの相手が雑魚で油断してたからだ。あんなんで強いなんて言われても恥ずかしいだけだ。傭兵として一人前のレベルにも達して無いのに。
だからあの騎士が金とコネで騎士になった口で実力は伴って無かったって教えておいた。けどそれなのに皆んな微妙な顔してた。
『まあ子供の中では強い方じゃし、それで充分じゃと思っておるのじゃろ』
こ、……子供……。
「そっかぁ、じゃあ迷宮はどこまで行ったの? 強かった? エリカも何時か行ってみたいんだよね」
「3階層……、までなら、装備が良ければ、安全……」
「ふうん、強くはなかったの?」
エリカちゃんぐいぐい来るな。
「早かった、……剣を当てる、苦労した」
「ふうん、成る程ぉ、装備を整えれば安全かぁ。ねね? アイリスちゃん今度一緒に行かない?」
行かない、とは言い辛いよな。
「エリカちゃん無理言っちゃ駄目だよ? アイリスちゃん伯爵家に雇われの身なんだから。それに先ずは自分で戦えるようにならないとね?」
「うう、分かってるもん」
フランに窘められ拗ねるエリカちゃん。諦めてくれた様で助かったな。
その後、出て来た魔物の話しをしていったけど噛みつきネズミの話しで嫌な顔をして吸血蝙蝠で興味を無くし、跳ね兎が剣にズブズブ刺さりながら体当りされ血塗れになった話しをしたら耳を塞がれた。
何故か分からないけど、エリカちゃんだけじゃ無く皆んなに俺がそう言う話しをしちゃ駄目だと怒られた。……何故だ?
『グロかったからのう、お主には似合わないって事じゃろ』
……俺の扱いどうなってんの??
因みに。
「アイリスちゃんて、お貴族様の家でどう言う扱いなのかなあ?」
「ただの家臣なら従者を2人も、馬車付きで付けてる訳ないもんね?」
「実はアイリスちゃんも貴族の子って事?」
「それにしては……貴族としての常識が無いような気がしますわね」
「それを言ったら平民としても相当ズレてない?」
「「確かに」」
なんて一幕も。
明日から06時10分と12時10分に投稿します。
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