表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第3章 なりきり学生生活は問題だらけ?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/137

第015話 2階層 全く参考にならない


 パンと水を軽く摂った後2階層に降りて行く。ああ、近くにいた探索者達とのトラブルも特に無かったよ?

 2階層に降りると道幅が広くなってるな。1階層の倍とまではいかないけど10mはありそう。後違うのは壁に所々凹凸があって良く噛みつきネズミやスライムが潜んでいる所だそう。

 不意打ちを受けないように慎重に道の真ん中を進んで行く。何度か噛み付きネズミに襲われながらもミリアーナがスムーズに倒していく。

 ベシィッ、ザクッ

「んん〜、靴が汚れそうでちょっと嫌だけど剣を傷めるよりは良いか」

 ミリアーナは噛み付きネズミを蹴っ飛ばして弱らせてから剣で止めを刺していく事にしたようだ。

「「キキッ、キュアー! キュアー!」」

「吸血蝙蝠2匹! ミリアーナ1匹頼みます!!」

「任せて!」

「アイリスっ、抜けて来るかも知れないから気を抜かないように!!」

「んっ!」

 天井近く、壁の凹凸の影から出て来た吸血蝙蝠をナージャさん、ミリアーナが剣で応戦する。吸血蝙蝠は羽根を広げると60cmはありそうで意外とデカい。


 俺はヴェルンさんに言われた通り臨戦態勢のまま2人の戦いを見てる。ナージャさんは冷静に引き付けてから細剣で胴体を突き刺して倒していた。

 ミリアーナは1度空振ったけど双剣で手数に任せるように羽根を斬り裂いて落ちたところをトドメを刺した。

「ふぅ、ちょっと焦っちゃった。ナージャみたいにはいかないわね」

「でも避けるのは問題無さそうですしミリアーナも慣れて落ち着いたら問題無く倒せそうですね」

「んん〜、そうねぇ。まあ確かにイケそうかな。ちょっと面倒臭いけど早い訳じゃないから避けるのは簡単だったし」

 2人のやり取りを聞きながら俺も警戒を解いていく。参考になるのはやっぱりナージャさんの方かな。まあミリアーナが言うように簡単に避けられるなら落ち着いて倒せそうなんだけど俺には無理そうだしな。

「アイリスはどうです? 見ていて倒せそうですか?」

「ん…………慣れれば……」

「では暫くこの態勢で続けてからやってみますか」

「んっ」コクリ

 その間に2人の戦いを参考にしていかないとな。俺はぐっと両手で握り拳を握ってやる気を見せた。

「何あのポーズ」ボソ

「可愛いですね」ボソ


 その後は2階層の階段周辺を狩りをしながら探索を続けて行った。3階層の階段の方に向かわなかったのは帰りが遅くなり過ぎるからだ。

 2人の戦いを見ているとミリアーナが慣れて来たのか避け方に無駄が無くなってスムーズに吸血蝙蝠を狩るようになっていった。やっぱりミリアーナは順応が早いな、羨ましい才能だ。

 でも目を惹くのはナージャさん。同じ細剣使いだからか自分との力の差が良く分かる、……分かってしまう。うわっ、今なんてミリアーナが噛みつきネズミを相手にしてる間に吸血蝙蝠2匹を簡単に細剣で突き刺して倒しちやった。

「……凄い、ナージャさん凄い」

「ひゃっ、アイリスちゃん?」

 おっとナージャさんに抱き付いてしまってたぜ。でも仕方ないんだよ? 今の剣技を見たら居ても立っても居られなかったんだ。俺の目標、目指すのはナージャさんみたいな戦い方なんじゃないかな。

「一息で、シュババってっ、シュババってやった」

「あわわ、アイリスちゃん。そんなキラキラした瞳で見られたら(キュンキュンきてしまいます)」

「ちょっとぉ、私は? アイリスちゃん私も戦ってたのよ?」

 ナージャさんに抱き付いて思わずぴょんぴょんしてたらミリアーナに頬をツンツンされてしまった。

「ちょっ、ちょっとアイリスちゃん何なのその不審者見るような目は!?」

「ミリアーナ、真似、……出来ない」

 うねうね避けながら剣を振って斬り倒して意味が分からない。全く参考にならない。

「ええぇ……」

 ミリアーナは地味にショックを受けていた。

「アイリス、ミリアーナ、気を抜き過ぎですよ。そろそろ戻って下さい」

 ヴェルンはナージャが警戒を解いてないだろうと考えていたのでアイリスとミリアーナに対してのみ注意した。

「うへへ、アイリスちゃん〜」

 しかしナージャの見た事もないだらし無い姿を見てそれが間違いだと気付いた。そう、ナージャも既に毒されていたのである……毒って……。


 その後ナージャもヴェルンに注意を受け探索を再開する事にした。ミリアーナは徐々に身体強化魔法に頼らずに倒せるようになって、ナージャとの連携も取れるようになっていった。

「っと、……前方から探索者グループです。マントを後ろに、両手を相手に見えるようにして下さい」

 ナージャさんの言う通り10人程の探索者達が同じ通りを歩いて来る。若いのもいるけど男ばっかだな。

 マントを後ろに両手を見せる事で敵意が無い事を示しているそうだ。と言っても剣から手は離してないけどな。互いに警戒しながら通り過ぎて行く。

 足を止めずに話し掛けないのもルールだ、油断させて相手を殺し荷物を奪うって事が無いとも限らないからな。

「ひゅうっ、可愛い子ちゃんばっかりだねー」

「止めろサンテン、黙って行くぞ」

「ええー、でもよぅ後ろの子なんてマジで見ないレベルじゃね?」

 何故俺を見る?

「お前には下過ぎるだろ」

「へっへっへっ、別に良いだろ」

「サンテンは幼女好き」

 誰が幼女か。

「サンテンは変態」「サンテンは死刑」

「イヤイヤ、言い過ぎじゃね? て言うかとんでもねえ嘘ばら撒くんじゃねえよ、誰が幼女好きの変態だよ!!」

 ギャーギャー五月蝿い中、ゴツいおっさんが俺にウインクしてきやがった!

「キモっ!?」

 思わず怖気が走って口走りヴェルンさんの影に隠れてしがみ付いてしまった。もうヤダ。早く消えないかなコイツ等、早足で進むようにヴェルンさんを後ろからグイグイ押して行く。

「ほら怯えちまってるじゃねえか! さっさと行くぞお前達!」

「ププッ、キモいってよサンテン?」

「くっ、うっせい黙ってろ! テメー等の所為だぞ、さっさと行くぞ!」

「いきなり早足になるなよキモいサンテン」

「そうだぞ、隊列を乱すなキモいサンテン」

「キモいキモいうるせえんだよ!」

 ギャーギャー言いながらも漸く見えなくなるまで去って行った。

 

「ふう、マナーがなってない連中でしたね。……もう大丈夫ですよアイリス」

「全く、私のアイリスちゃんに色目を使うなんて許せないわ」

「何時からアイリスちゃんがミリアーナのモノになったんですか? しかしアイリスちゃんを怯えさせた罪は万死に値しますね」

 もう帰りたい……、けどまたアイツ等と会ったら嫌だしな。て言うか何で男物の服着てんのに女、って言うか幼女扱いされるんだよ! おかしいだろ!!

『男装しとるようにしか見えんからのう』

 なっ、何、……だと!!?

「ああ言う場合って殺っちゃって良いの?」

「良い訳無いでしょう。分かって聞いてますね? 確かにルール違反に見えましたけどあくまでも仲間内での会話とも取れます、まあ余り褒められた事では無いですがね」

 それからルートを変え探索者と会い辛いルートで戦闘を続けた。



 一方先程通り過ぎた探索者達は冷や汗をかいていた。

「ふぅ、どうやら問題にされなかったようだな」

「サンテンが馬鹿やるから。あんなの明らかに貴族とその護衛じゃねぇか。寿命が縮むかと思ったぞ」

「ええっ、マジかよ……」

「気付いて無かったのかよ」

「あの嬢ちゃんの装備見てなかったのかよ。あの子だけ装備が良過ぎたろ?」

「しかも荷物もあんま持って無かった。多分迷宮体験に低階層を周るつもりだろ。それだけの為にあんな装備用意するなんて貴族以外ねえだろ」

「ええぇ……」

「他の連中の装備は軽装だった、余程腕に自信があんだろうな。また会っても嫌だしさっさと帰ろうぜ」

「「「おう」」」

 パッと見深窓の令嬢のようにも見えるアイリス、執事服侍女服(戦闘用)のヴェルン、ナージャ。周りから見れば貴族の令嬢とその執事と侍女、そして迷宮の案内に雇われた探索者のミリアーナ、と言うのがしっくりくる所だった。

 階段近くで休憩中他の探索者が絡まなかったのもそれが理由だ。余程の馬鹿か恨みでも無ければわざわざ貴族に絡む平民はいないのだ。






ブックマークや何らかの評価を頂けると励みになるので大変嬉しいです。

これからも宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ