第009話 高貴なお客様と高貴な自分!?
鍛練を終えて風呂で汗を流してから部屋で休んだ。いやー、馬鹿騎士とかオーク君とかにムカついてたから良い発散になったな。
コンコン
「アイリスちゃん、お食事の時間ですよ」
「んっ、はぁーい」
おっと。食堂に行くと何時も通りアリーニャさんとナージャさんがいた。けど何故かビアンカお嬢様もいるな。
「今日は一緒に食事をしましょうね? アイリスちゃん?」
何かビアンカお嬢様の笑顔が怖いんだけど? 何時もは俺とかの使用人は別なのに、て言うかヒストロスさん達も席につく様子がないな。
「? ……ミリアーナは?」
「今日来る獣人の方々は高貴な身分の為席を外して頂きます」
「んっ? ……獣人?」コテ
おお、……獣人が来るのか。今まで見た事無いけど本当にいたんだな。どんなんだろ? ちょっとテンション上がるな。尻尾が生えてたり毛がふっさふさだったりするのかな。
ん? でも何で俺は一緒なの??
「「………………ふっ」」
いや怖いんだけど!? ヒストロスさんとビアンカお嬢様が何か暗い笑みを向けてくるんだけど??
『う、うむ、しかし悪意は感じないのじゃ』
何か不穏な空気を感じるけど俺には関係ない。――事も無いか? 試験の時の揉め事関係か? でも俺の所為じゃないから気にしても仕方がないよな。
暫くしてナージャさんに連れられて獣の耳と尻尾が生えた毛むくじゃらの人達が入って来た。
ほわぁ……。これが獣人かぁ。ゴッツイ、……凄い力がありそう。あっ、女の子もいたね。男の方に比べたら細いけど充分筋肉質だな、――羨ましい。
「リアースレイ精霊王国から来たアシュトンだ」
「同じくマルドレだ」
「同じく、現在はアデール王国第1学院に在籍しているピリララよ」
男2人は180cmくらいで茶色の狼っぽい獣人だ。女の方は170cmくらいの白っぽい狼? の獣人なのかな? 耳と尻尾は狼系そのモノだな。
後ろの人達も同じタイプの獣人達だ、付き人かな。顔は余り人と変わらないな。学院生って事はビアンカお嬢様と変わらない歳かな? でも何か皆んな俺を見てない?
「――愛し子をまじまじと見るのは止めなさい。全く、皆の前で約束していた為に連れて来ざるを得なかったのですが、会わせる必要はなかったのですよ?」
まだ後ろにおっさんがいた。……誰だっけ?
『商工ギルドのトップの、ダールトンだったかの?』
「招待もされていないのに申し訳ありません、本日はこの3人のお目付役として同行させて頂きました」
「いえ、構いません。ダールトン様なら何時でも歓迎致しますわ」
「はは、……それは有り難うございます」
「チッ、ガキじゃねんだからお目付役とか要らねえのに」
「ほう? 学院ではビアンカお嬢様に配慮の無い言動をして大層困らせたのでは? まだ自覚がありませんか」
「ぐっ……」
「それについては悪かったわね。ダールトンに聞いたけど確かに配慮が足らなかったわ」
「いえ、……大丈夫ですわ」
「そう、何かあったら遠慮なく言ってね? 出来る事なら協力するから」
「っはい、宜しくお願い致します」
「マルドレもよ?」
「分かってるさ」
どうやら俺とは関係ない話しみたいだな、食べるか。もきゅもきゅ、うん美味しい。けど獣人に合わせてるのか量が多いな。
「スイーツ、……出る?」コテン
「……ええ、最後に出ますよ?」
おお、危ない。普通に食べてたらスイーツまで食べれなかったよ。とんでもない罠仕掛けやがって。
『ニコニコしながら足をバタつかせて、子供みたいなはしゃぎ方をするでないのじゃ』
「お前、アイリスだったか? 本当に精霊の愛し子なのか?」
スイーツ何かなぁ? うーん、この肉大き過ぎ。いや勿体無いから食べるんだけどね? 重いのよ。味も濃いし、残して良いかな? これ以上はスイーツ入らなくなっちゃうよね?
「もうスイーツ良い?」
振り返ってヒストロスさんに聞いたら何か慌ててる? みたいだ。
「もっ、申し訳ありません。食事に夢中で聞いてなかったようです」
「クスッ、いいえ構わないわ。それで? 貴方は本当に精霊の愛し子なのかしら?」
「??」コテン
「ピリララ様、確かに巫女のオリビア様がアイリスをそのように言っていました。しかし私達は精霊の愛し子と言う者がどう言う者なのか、聞いた事がないので判断出来ないのです」
俺が首を捻っていたらビアンカお嬢様が説明してきた。
「精霊の愛し子ってのはなぁ。精霊が見えて精霊に愛されてる奴の事だよ」
おっと、皆んなの視線が集まってしまったな。でも俺の質問の方が先なんだよな。
「スイーツは?」
「……持って来て下さい」
ヒストロスさんが青筋を立てながら侍女さんに頼んだ。スイーツを忘れてたらそりゃ怒らせるよな。まあ俺は少しくらい遅れても文句は言わないけどな。
『コヤツは、……何故こうも空気が読めないのじゃ?』ボソッ
「……アイリスちゃん、貴方本当に精霊が見えるのかしら?」
『ほれリリィの事を聞いておるのじゃ』
全く五月蝿いな、スイーツを待ってるでしょうが。食事中くらい静かに出来ないものかね!?
「……見える」ボソ
「んっ?」
「……リリィは見える」
「リリィ?」
「アイリスちゃんの事ですわ。リリって言うのは愛称ですね」
「自分の事を愛称で呼んでいるのか」
んっ?? 何か空気が変わった?
『(幼児を見るが如き空気に変わったのじゃがあえて言う事もないかの)』
「それで? 精霊ってのはどんな姿してんだ?」
全く、面倒臭いな。でも偉い人って言うし相手しないと駄目か、……はあ。
「ん、神社のは、人型が殆ど」
「人型? それって人間? それとも俺達みたいな獣人もか?」
「んっ、……他もいっぱい、……種族、分からない」
「ほーん、精霊神社以外じゃ見ないのか?」
『いる事はいるが自我が無いのが殆んどで、存在自体が薄いからの。見るのは難しいのじゃ』
「難しい」
「外にいるのは隠れているのかね?」
「それより人型以外もいるのよね? どんなのが居るの?」
「猫、狼、他もいっぱい」
「へえ、でも何で人型が多いのかな? 外でも同じなのかね?」
「違う、――巫女に合わせた(ってリリィが言ってる)」
「ああ成る程、巫女様が人だから人型が集まったって言う事ね」
「んっ、なったのも」コクリ
「巫女様に合わせて人型になったのも居ると」
「んっ」コクリ
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