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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第2章 ゆるゆる逃避行は蚊帳の外?

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第034話 閑話 レイク、シャルロッテ視点


 レイク視点

 

 今でも仲間として組んでるリックとトマソンは一緒にスラムでのし上がったメンバーだった。

 と言っても裏社会の権力者の用心棒をしてるってだけだ。敵対組織には命を狙われ上に睨まれれば同じく命がない。身動きがとれない状況に苛立ちながらも何も出来ずにいた。

 ある日神聖教会の神兵がスラムに乗り込んで女達を無理矢理攫って行こうとした。神兵共は下卑た笑みをして泣き叫ぶ女達を脅したり殴り付けたりしていた。

 そんなにお前達は偉いのか? 俺達には逆らう権利も無いって言うのか? 気が付いたら神兵共の骸が転がっていた、……弱過ぎる。


 俺達は追っ手が掛かる前に町を抜け逃げ出した。だけどこの体験で俺の中でモノの考え方が大きく変わった。

 悪党には死をくれてやれば良い、――俺は強いんだからと。

 幾つかの町のスラムを経て名前を変え冒険者になった。冒険者は金が無い者達が多く集まる組織だからか野蛮人が多い。

 力の無い女冒険者達を庇っていたら野蛮人共が絡んで来るのでその度に蹴散らしていった。時にはギルドが関わっているとしか思えない状況に陥れ入れられても、それ等を力ずくで食い破っていった。

 権力を笠に着るような奴等も全部殺してしまえば問題ない。

 だが同時に俺の心も荒んでいった。悪党ばかりのこの世の中に疲れ果て希望が持てなくなっていたんだ。


 ――そんな時に俺はシャルロッテ様に出会った。

 教会、商業ギルド、冒険者ギルドと敵対する組織からの勧誘。それ等の組織の腐りっぷりはスラムじゃ良く聞く話しだ。

 新天地も駄目な処ならまた戦えば良い。だが違った、……傭兵ギルドは今や俺の光だ。

 冒険者ギルドの女達を傭兵ギルドに移籍させた。無料の安全な寮暮らしに加え金払いも良い、皆んな笑顔が増えた。シャルロッテ様には感謝しかない。俺は胸が暖かくなる不思議な感じを覚えた。

 

 それから数年、傭兵ギルドに恩返しのつもりで依頼を熟していたらランク6まで上がっていった。リックとトマソンもランク4だ。

 ある日俺はシャルロッテ様の依頼で一緒に隣りのライハルト子爵領に行く事になった。まだまだ傭兵ギルドの普及率の低い領地だ。

 そこでアイリスと言う男を見つけた。幼い少女の様に華奢な体、フードで顔を隠してこそこそ依頼を熟す様は見るからに怪しかった。

 けど受けた依頼は誰もが嫌がる汚れ仕事ばかり。寮暮らしだしそんな仕事でも真面目にやっていれば金も貯まるんだろう。あそこまで華奢だと組んでくれる者もいないのか。俺は憐れみとそれでも腐らず頑張るアイリスさんに敬意を持つようになった。

 その後ゴブリンのスタンピードで一緒になった時、アイリスさんの聖女と見紛う見た目と回復魔法に驚愕した。

 今まで神聖教会に狙われないようにその容姿と才能を隠して来たのだろう。才能を活かせる場所なら大金持ちにだってなれた筈なのに。更にアイリスさんに対する憐憫と敬意を増したけどアイリスさんには女性扱いしてると思われて拗ねられてしまった。

 ――俺はその姿と愛らしさに思わず苦笑いしてしまった。



 シャルロッテ視点

 

 父の横領が発覚して代わりに準男爵位を継ぐように言われてしまった。レンリート伯爵の気持ちは分かる。兄や兄の子供達は父に傾倒していて不安があるし、何かしらに秀でている訳でもなく努力も足らない。はっきり言って無能だ。私が伯爵でも継がせないだろう。

 と言うか私ならさっさと廃嫡させるんだけど。しばらく伯爵領から離れた方が良いかしらね。

 私は傭兵ギルドのギルド長の地位を得て、アドン男爵領の迷宮を押さえる為に交渉、その後ライハルト子爵領に行く事にした。

 傭兵ギルドのギルド長には元々簡単になれるものではないと分かっているけど、もうちょっと融通を効かせても良いと思うのよね。お陰で説得(脅迫)が面倒だったわ。

 それにしても何故かしらね、私の周りの男達は私に恐れを抱くか崇拝するかの2択になるのよね。レンリート伯爵ですら何処かやり辛そうだし。

 アドン男爵は色々病んでいたわね。まあおかしな土地を与えられて借金塗れにされればそうなるか。取り敢えず奴隷に堕とされた家族を買い取って交渉したら簡単に落ちたけど。

 

 ライハルト子爵領にはレイク達を連れて行く事にした。それにしてもレイクを伯爵領で見つけられたのは大きかった、本当に得難い人物だわ。

 見た目、力、そしてカリスマ性、全てがある。問題は本人がそれを活かす、人を導く気が無い事なのよね。私としてはこの国を代表する未来の英雄候補としての道を進んで欲しいのだけど。

 ライハルト子爵は典型的な貴族ね。特権意識の塊りで領民が自分に奉仕するのは当たり前で幸せな事だと本気で思っている。上級貴族には多いんだけど子爵程度でその考え方は神聖教会や商業ギルドに毒されてしまったのでしょう。

 そう言う性格だから後ろ暗い情報も簡単に手に入ったわ。神聖教会や商業ギルドが幾ら隠そうとしても本人が気にしていなければ粗は出てしまうものなのよね。

 勿論傭兵ギルドのギルド長としての仕事もしてる。それなりに優秀な人間もいるものね。サージェス含め何人かこっちに引き込みたかったけどレーナの邪魔はしたくない。

 あの子には私の代わりにギルド長の地位について色々動いて貰いたいしね。


 そして私は劇物を見つけてしまった。――アイリスと言う劇物を。


 私は面識が無かったけどスタンピードの折に得た情報には流石に目眩を覚えたわ。

 数十人の重軽傷者を一度に回復させた、異常としか言いようの無い回復魔法と魔力量。話しに聞く精霊神社の大巫女並の能力よ? しかも巫女は神社内でしかその能力を発揮出来ないと言うのにこの人物は。

 この情報が事実なら移動神社を持つ大巫女、とでも言うのかしら? 大陸に2人といない存在じゃない。取り扱いをどうするか、レンリート伯爵でも弱い、せめて国王陛下が此方側なら良かったのに。他国に取られるのは癪だしどうしようかしら。

 それにしても良く今までその能力を隠して来れたわね。年齢を考えると相当慎重な人物のようね。


 私より年上よね? 目にしたのは絵本に出て来るお姫様のような見た目の男性だった。いえ、むしろ儚げな所は妖精のようなイメージかしら? 怯えて人に隠れている様はとても慎重な人間には見えないのだけど??

 人と成りを知る為に接触を密にしてみたけど相変わらず怯えが取れない、私も傷付くのよ?

 ――あの美容魔法は危険過ぎる。シワが消えたり肌の張りを良くしたりなんて回復魔法で出来る何て聞いた事も無いのに。

 いえ、巫女や大巫女は老け辛いとは聞くわね。他人には出来ない。か、しないようにしているのでしょう。万全の警備体制でこの子を避難させてレンリート伯爵領に移動しないとイケないわね。


 それにしても良く寝るわねこの子は。私でも乗り心地の悪い馬車と悪路に体がキツいのに……って思ってたら回復魔法を使っていたわ。全員に掛けるようにして貰って大分楽になったわね。

 アイリスちゃんが寝てる間にナージャが私の膝に寝かせて来た。何かの実験かしら? されるがままにしてたら懐かれた。簡単過ぎない?? チョロ過ぎて心配になるわよ?

 懐かれた事がちょっと嬉しかったのは秘密にしましょう。子供に懐かれた事が無いのよね、私。

 その後神聖教会の事とかアイリスちゃんの家族の事とか色々あったけど取り敢えず何とかなったわ。

 回復魔法の関係で精霊神社に一緒に行くよう促した。精霊神社もアイリスちゃんもどう言う反応があるか確認しておかないとね。

 結果は何もなかった、――のかしらね? アイリスちゃんは随分長い間祈りを捧げていたけど気付いてなかったみたい。やっぱり特別な子なのかしら?

 

 その後アイリスちゃんはビアンカ様と隣国アデールに行く事になった。けどちょっと心配ね。あの国とは敵対関係でもあるし。私は私でライハルト子爵領に戻って色々やらないとイケないから心苦しいわ。 

 ヴェルンやナージャ、向こうに放っている間者を含め、屋敷の人間にはアイリスちゃんを最重要人物として気に掛けるように言っておかないと。






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