第008話 故郷で家族も!?
何故かお母さんとエイミーさん、マリエルと同じ部屋で寝る事になった。ここはお父さんミル兄と一緒じゃないのか ?絵的に不味いってどう言う事? 俺はコレット達で慣れてたから特に抵抗無いけどエイミーさんはミル兄の嫁だし倫理的に不味いと思うんだけど?
まあでも親にとっては幾つになっても子供は子供と言う事か。仕方ない、親孝行と思って甘えてやるか。そう思ってお母さんに抱き付きながら寝る事にしたらマリエルまで抱き付いて来た。
「あらあらリリちゃん甘えん坊さんね」
「うへへぇ、リリちゃん可愛いよお」
全く、人の気も知らないで誰が甘えん坊か、マリエルも何故か歳下扱いしようとするし、子供と言うのは分からんな。
『リリィにはお主が1番分からんのじゃがの』困惑
翌朝、白シャツ茶色パンツに若草色のワンピースに着替えて朝食を貰った。金髪のカツラはまだ付けてない。家族の証明みたいなものだからギリギリまで隠さないで欲しいってお母さんに言われたんだよな。そう言う事気にするとは思わなかった。
「ねえママ? リリちゃんが村を出るまで一緒にいて良いんでしょ?」
「そうね、お客さんの相手をするって事になってるから良いわよ。でも外に出ちゃダメだからね?」
「ええ〜、何でよー? 外でリリちゃんと姉妹ごっこしたかったのにー」
「何の為に正体を隠してると思ってるのよ。それにマリエルもぴちぴちプルプルになっちゃってるのよ? 今バレたらアイリスちゃん、村の皆んなを手当てしなくちゃイケなくなっちゃうかもしれないでしょ?」
「むむむ……、う〜ん」
正体を隠してる事は伝えてあるけど理由は教えてない。まあ回復魔法絡みとは気付いてるだろうけど。
「リリちゃんちょっと良い? 話しがあるんだけど」
「んっ、良い」
マリエルを引き剥がしてお母さんの所に逃げ……、行くと別の部屋に連れて行かれお父さんお母さんと3人で話す事になった。
「アイリス、詳しい話しは聞いてないが大丈夫なのか?」
「んっ……多分?」コテリ
こればっかりはな、俺自身どう言う状況が良く分かってないし。
ドンッ! 「フザけてるのかっ!!」
「ひゃうっ」
お父さんがいきなり机を叩いて怒鳴るから思わずお母さんにしがみ付いちゃったよビックリしたなあ。
『オナゴのような反応じゃのう』
いやいや、……違うんだ。最近女装させられてる所為で少女扱いされたりしてこんな反応になってしまっただけなんだ。本当の俺はこんなんじゃないんだよ?
『はいはい』
くっ、剣にバカにされるなんて。
「あなた、いきなり怒鳴らないで頂戴。ちゃんとゆっくり話しを聞きましょう?」
「むっ、ああ、……すまん」
お母さんが頭を撫でて来るけどもう良いや。取り敢えず回復魔法に最近目覚めた事と神聖教会が取り込もうとしてる事を話していく。
けど2人は腑に落ちないって顔だな。まあ神聖教会の悪辣さはこんな村じゃ分からないよな。孤児を引き取ったり怪我や病気の手当てをしたりして人気取りしてるし。
でも影では見目の良い孤児を権力者に売り払ったり自分達でオモチャにしたりしてるし。村人への治療だって教会が回復魔法を使える人間を誘拐や脅迫して奴隷扱いでやらせてるだけだしな。
実際に傭兵ギルドにも兵を引き連れて俺を捕らえようとした事も伝えた。
「大丈夫だったのリリちゃん」
「んっ、だいじょぶ」
て言うか俺は会ってないしね。
でもお父さんは難しい顔をしてるな。魔物の危険が身近にあるから、縋るモノが欲しい村人の多くは神聖教会の信者なんだよな。
その後は傭兵ギルドについての話しをした。もし冒険者ギルドだったら守ってくれないどころか神聖教会側にまわって攫われていたからな。信頼出来る組織に入っている事を伝えて安心して貰おう。
何かあったらシラルの町の傭兵ギルドを頼ると良いと伝えた。治療で恩を売ったし俺の名前を出せば良くしてくれると思うからな。
「分かったわ、私はリリちゃんを信じるわ。あなたもでしょ?」
「んっ、むう……そう、だな」
「俺は大人、ミル兄と変わらない」
「自分の子供はいつまで経っても子供よ。……と言いたいけどリリちゃんマリちゃんより幼く見えるんだもの、仕方がないでしょ?」
そこで同意求められても頷けないよ!?
「? ――シャルロッテさん?」コテン
居間に戻るとシャルロッテさんがナージャさんを伴って来ていた。ミリアーナなら来かねないとは思ってたけど、もう出るのかな? て言うか皆んな何か微妙な空気なんだけど?
「ちょっと今後の話しをさせて貰っていたわ」
「??」
首を傾げて考えるけど家族は関係無いし何の事か分からないな。
「ええ、貴女の家族をレンリート伯爵領で迎え入れる事が出来るって説明をしていたのよ」
はあっ!? いや何で? 俺に気を遣うにしてもやり過ぎだろ?? 何考えてんだ? 逆に怖いぞ?
「教会もアイリスちゃんとこの村を結びつける事は無いとは思うんだけどね」
ズクンッ、心臓が高鳴り一瞬目の前が真っ暗になった。……有り得る、俺の存在が割れればこの村に泊まった事も分かるだろうし、家族まで辿り着く可能性は0じゃない、あの神聖教会なら如何にもやりそうな事だ。
「っシャルロッテ、さん、何で、村に、家族を……巻き込んだの?」
でもこの村に寄ったのはシャルロッテさんの判断だ。俺は怒りを抑え家族を巻き込んだシャルロッテさんを睨み付ける。
「何言ってるのよ。そもそも貴女の出身地を知ってるのは私とギルド長になったレーナだけよ? レイク達には町を出てから馬を渡したし、村に入る前にミリアーナ達に馬を乗せて歩いて貰った。徒歩の人間がいるのならこの村に泊まるのは普通でしょ?」
確かに……って言うかそれで村に入る前にリックとトマソンが馬から降りて、何時の間にかミリアーナやナージャさんが馬に乗ってたりしたのか。
「村の人達は勿論、家族だって今の貴女を家族のアイリスちゃんとは結び付けられなかったんでしょ? 変装だってしてたのよ? 教会が分かる訳ないじゃない」
「それは……でも、だったら、何でそんな話し……」
「皆んなに美容魔法、しちゃったんでしょ? 見た目が若返って目立ち過ぎると思わなかったの?」
俺の所為かぁああーーーーっ!!?
『………………(リ、リリィの所為では無いよな?)』冷や汗
「アイリスちゃんとの関係を見抜く事は無いだろうけど、調べはするでしょうね。村人の嫉妬とかもあるでしょうし。住み辛くなって場合によってはそう言う選択肢も必要かと思ったのよ」
「………………ごめんなさい」
「ふふっ、別に責めてる訳じゃないわ。貴女を見れば効果も分かると言うモノ。家族だって分かっていて魔法を受けていたんでしょうし」
シャルロッテさんを見ると本当に怒って無いみたいだ。でも周りを見ると皆んなに目を逸らされた。分かって無かったんかい!!
て言うか結局俺の自業自得かよ。
お父さんはこの村で骨を埋めたいとは言ってたけど他の皆んなは移住に賛成して押し切られていた。まあお父さんには悪いけどレンリート伯爵領の方が豊かで税率も低いらしいし悪い話しじゃないか。
「でもそう簡単に移住なんて出来るんですか?」
ミル兄が疑問に思うのは無理ない、領主にとって税を払う財源なんだからな。
「普通は簡単ではないわよ。伯爵に骨を折って貰う事になるわね」
「リリちゃんの事もですか?」
マリエルの力が強い、無理矢理膝の上に乗せるな!!
「勿論よ、領堺に伯爵の手の者が来る手筈になってるわ」
マジかよーー。権力者なんて一生関わらないと思ってたのに……。
「アイリスちゃんの家族は兎も角、アイリスちゃんには伯爵に挨拶して貰いますからね」
ひいぃいいーーーーっ!!
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