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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第7章 ふわふわ空飛ぶ旅は旅行気分?

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第011話 親子の再会


(落ち着け。軍部は掌握している。こんな奴等何時でも殲滅出来るのだ。リアースレイ精霊王国との直接取り引きが出来なくとも麓の農地と砦を取り戻してしまえばフォシュレーグ王国など不要だ)

 フォシュレーグ王国は愚かにも麓の領地を返すと言っているのだ。取り返してから国交を封鎖してしまえばリアースレイ精霊王国との取り引きが出来ずとも自給自足が出来る。今は国を取り戻す事が先決だ。

「スカーレット、例え清い体と言うのが真実だったとしてもアデール王国に贄として送られたのは事実だ。正妃としてはコクリコットを頂くが側室としてならお前を迎えてやっても良いぞ?」

「……は?」

「分からぬか? 傷物かも知れないお前を娶ってやると言っているのだ。喜べ」

「何故貴方が? と言うかコクリコットやお父様の同意を得ての発言なの? お父様がそんな事を許したの?」

「何を言うか、魔力が高いと言うだけで男爵家などと言う家格の低い家の女を王妃に迎えるなんて暴挙をやらかしたのだぞ? 今の王家は尊き血が薄くなってしまったのだ。次代には我がグライスロー公爵家の尊き血が必要だろう」

 困惑するスカーレットに堂々と王妃を批判するベルドット。その様からだいぶ権力の掌握が進んでいる事が伺えた。であれば兵士達の自分を見る目も敬意を感じないのも無理はないのだろう。

「行きましょう。お父様にも話しを聞かねばなりません」

「ええ」

 スカーレットは厳しい目をしてシャルロッテを見つめて移動を促した。当然シャルロッテも同意して移動する。後ろでベルドットが騒いでいたが当然無視されていた。


 そこそこ豪華な部屋の奥の部屋、ソファーにアリアとカチュアに挟まれて座らされた。シャルロッテ様やビアンカお姉様達は手前の豪華な大部屋に居る。まあこの部屋も豪華だけどな。

 アリアとカチュアの2人はお城の豪華な一室に緊張しているみたいだけど、俺はカントラス王国のお城で熊獣人の方々の部屋に行ったからそうでもない。

 彼処に比べれば広さも半分以下だし飾り付けも少なく落ち着いている。

 まあそれでもシャルロッテ様達のいる大部屋は30人くらいは余裕で入る広さはあるけど。此処にはミリアーナとナージャさんの5人しかいないんだからそんな緊張する事無いと思うんだけどな。

『寒村の幼い村娘が城の豪華な部屋に入れられたら緊張もするのじゃ』

 目の前に出されたクッキーを食べる。余り甘くないがナッツが入っているのもあってそれなりに美味しい。

「あーん」

「あ、……あーん」モグモグ

「はいあーん」

「あ、あーん」モグモグ

 アリアとカチュアが緊張してお菓子に手を付けようともしていなかったから食べさせてあげた。1人で食べてると何かまた怒られそうな気がするからな。2人共顔を赤くさせていたけどまあ嫌がってはいないから大丈夫だろ。

『こやつ自分が怒られたくないからと……』

『でも緊張は取れたみたいなのー』

 神秘的な印象すらあるちょっと年上? の異性からのあーんにミリアーナとナージャの生暖かい視線もあって、緊張が羞恥心に上書きされた2人だった。

 ――その様子もナージャはカメラにおさめていたのだが。


「シャルロッテ様、国王陛下がおいでになりました」

「入れて頂戴」

 シャルロッテの許可を受けて開いた扉から国王のギリアム・アル・メメントリアと宰相のカールイス・ウル・マグワイアが少数の騎士と文官を引き連れて入って来た。

(私に許可を取るんじゃないのね? まあ楽だから良いけど)

 ビアンカはシャルロッテのやり取りを聞きながら優雅にお茶を啜っていた。

(にしても本当に国王陛下を呼び出すとはね。一体何をやったのか)



 メメントリア王国は夏に入った頃にアデール王国がフォシュレーグ王国に戦争を仕掛けたと聞いていた。

 メメントリア王国とは距離がある為関係の無い話しだと傍観していたのだが、フォシュレーグ王国は2ヶ月もしない内に逆進攻をして次々と領地を飲み込み、何故か自分達の目の前まで来ていたのだ。

 そしてその恐るべき速度を維持したままメメントリア王国内に入り圧力外交を仕掛けて来た。散々苦しめられたアデール王国をあっという間に蹴散らしたフォシュレーグ王国には感謝よりも圧倒的な恐怖を覚えるしかない。

 国王からすれば頷くしかなかった外交ではあったがその中身は悪いモノではなかった。

 リアースレイ精霊王国の受け入れはルードルシア教王国ラージヒルド商業王国から見放された土地柄、彼等からの妨害も無いのでただ有難いだけだ。

 リアースレイ精霊王国からの交易品の9割を持っていかれるのはどうかと思うが1割は貰えるし元々メメントリア王国には交易に使える物資が少ないので逆に全部やると言われる方が困るくらいだから問題ない。


 寧ろフォシュレーグ王国とリアースレイ精霊王国の交易品の往来だけでかつてない程経済が活性化するだろう。

 麓の砦と農地を返してくれるのも有難い。

 契約が成れば隣国が敵国アデール王国から友好国になるフォシュレーグ王国となるのだ。彼等の目的は教王国商業王国の妨害で自国で国交を築けない精霊王国との交易なので侵略される心配も無い。

 初めて飛空挺が飛んで来た時はその大きさと空を飛ぶと言う異様に宰相と共に目が飛び出るかと言う程驚愕したモノだが正に理想の相手と思えた。

 コクリコットの治療の申し出も有難かった。勿論父親としてもだが国王としてもフォシュレーグ王国、リアースレイ精霊王国と言う強国が現国王を推していると言えるからだ。どちらも機嫌を損ねてはいけない相手だ。

 そんな国王達だが玉座にて歓迎しようと待ち構えていたのだがいきなりシャルロッテに呼び出されて慌ててやって来たのだ。


「お父様、只今帰りました」

「おお、スカーレット、……漸く、顔を見れたな」

 初めに挨拶をしたのはスカーレットだ。国王は元より宰相や他の者達にもスカーレットを蔑む様な視線は感じない。流石に其処は厳選されている様でスカーレットも安心した。しかし当の父親の反応が芳しくない。

「お父様?」

「ああ、いや、その、……息災であったか?」

 顔色が、良すぎないか? と続く言葉を詰まらせた。娘を死地に追いやっておいてその言葉は憚られたのだ。

 まさにアデール王国に向かう時は2度と祖国の地は踏めないかも知れないとスカーレットが涙していたのを聞いていたのだ。その時程自身の不甲斐なさに涙したかった事は無い。自身にその資格は無いと堪えたが。

「ええ、此方のフォシュレーグ王国のレンリート伯爵家やリアースレイ精霊王国の方々のお陰で何とか」

 一方スカーレットの方も皮肉の一言くらい言ってみたいなと考えていたが、思いの外父親が疲弊して老いて見えた衝撃で、此方も口を詰まらせてしまっていた。



「くそっ、売女の癖に生意気な!」

「どうしますか? 陛下が及び腰では良い方向には行きませんよ?」

「分かっておる!」

 軍を動かすか? いや、それではクーデターになってしまう。

「素直に受け入れるべき事を、それが分からんとは何と愚かなんだ。……しかしどうするか。既成事実を作ってしまうか?」

 コクリコットの居る後宮は国王しか男は入れんが次期国王になる俺なら構わんだろう。

「コクリコットは最近病状が安定していると聞くしな。まだ子供が産める歳ではないだろうが、関係をもってしまえば俺を受け入れるしかなくなるだろう」

「スカーレット姫は如何しますか?」

「あんな売女などどうでも良いわ!!」

 ドンッ、と机を叩くと周りの兵士達は怯えた様に体を強張らせたが、先程から会話をしている俺の側近は動じない。

「ですがスカーレット姫の相手を国王陛下が次代の王と定めてしまうかもしれませんよ?」

「む!? そんな馬鹿な話しがあるか! あのアデール王国に売られた売女だぞ!?」

「リアースレイ精霊王国やフォシュレーグ王国が連れて来たのです。あの国王陛下ですし、後押しされれば折れるかと」

「ぬうっ!」

 ……確かにそうだな。リアースレイ精霊王国やフォシュレーグ王国を受け入れようとしている売国奴の国王ならやりかねん。

「ならばあの売女も手中に納めんとな。全く、売国奴の国王に売女の娘か、コクリコットが幼くてこれから教育出来るのが唯一の救いだな」

 グライスロー公爵家の当主で国軍の将でもあるベルドットの中では、国を置いて自らがリアースレイ精霊王国と直接取り引きしようとしていた事は国の為なのだからと正当化されていた。






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