第031話 仲直りとステータス
朝起きたらリリィが不貞腐れている。
『良く考えたら精霊剣と伝説級の魔剣の使い手の血わき肉踊る戦いのチャンスだったのじゃ! こんなチャンスもう無いかも知れんのにぃいいーー!!』
知らんがな。
『今は精霊剣同士なのー。使い手も同じだから戦えないなのー』
『何なのじゃネネェは! リリィの気持ちが分からんとはそれでも剣に宿った精霊か!?』
人の気も知らないで気楽な奴等め。お城でビアンカお姉様に怒られた件は何も解決してないんだよ?
そう思っていた時もありました。
「あらアイリスちゃんご機嫌ねえ」
「ん、ビアンカお姉様と、……朝寝? した」コテ
お昼前、遅めの朝食を摂る為にビアンカお姉様と食堂に向かっていると廊下でミリアーナに会った。
ふふん、朝何故かお疲れだったビアンカお姉様に付き合わされて二度寝する事になったのだ。怒られてモヤモヤしてたけどビアンカお姉様がもう気にしてなさそうだったから良かった良かった。
「そうなの? 良かったわねえ。アイリスちゃんビアンカ様に怒られたって気にして落ち込んでたものねえ」
「んっ」コクリ
昨日はビアンカお姉様は忙しそうだったからミリアーナの部屋に行って一緒に寝てあげたのだ。ナージャさんが居なくてミリアーナも1人だったからな。女の子は1人寝が苦手みたいだから気遣ってあげたのだ。
何故か俺が寂しがってミリアーナの所に行った事にされたけど照れ隠しだろう。まあスキンシップ過多なミリアーナのお陰か少し気が紛れたのは事実だけど可愛いものだ。
『『…………』』
それにしてもビアンカお姉様に昨日怒られて気にしてたのがミリアーナに見抜かれてしまったのは予想外だった。中々鋭いなミリアーナ。
『違うのじゃ。普段は秒で寝るのに起きてるからバレたのじゃ』ボソッ
『何で眠らせなかったなの? 主の体の調整、強化するんじゃなかったなの?』ボソッ
『ビアンカの事を気にして眠れなかった様じゃが、本人に眠る気が無い時には控えとるのじゃ』ボソッ
しかし嫌いな相手を添い寝に誘ったりはしないだろう。考え過ぎだった様だな。それにしてもああ言うのが年頃の娘に嫌われたかもと言う父親の気持ちなんだろうな。
『『…………父親??』』困惑
お昼過ぎ、食事を摂った後ちょっとまったりしてからアリアとカチュアに挟まれお昼寝、何か寝てばっかりだな。
その後ダンスのレッスン、ビアンカお姉様は何か忙しいらしくて来ていない。マリアンヌ様もスカーレット姫様のお屋敷に行っているそうだ。
スカーレット姫様って確かアデール王国で何度かお屋敷に来ていた方だったっけかな?
『うむ、緋色の髪目をしたメメントリア王国の第一王女じゃな』
何でか知らないけどパーティーには来てなかったんだよな。
まあそんな訳でアリーニャさんを講師に何故かナージャさんとミリアーナが見学に来ていたんだけど途中から参加して来てダンスの相手をさせられた。
ナージャさんはメイドだから踊れるのは何となく分かる。けどミリアーナも何故か俺より上手い、と言うか寧ろ上手くリードしてくる迄ある、何故だ。
「前に口説いた踊り子の女の子に色々教わったのよん♪」
?? 口説いた? 踊り子になりたかったのかな? まあ、ミリアーナには似合いそうだけど。
「貴族のダンスを巷の踊りと一緒にしないで下さいミリアーナさん」
「ああ、まあ確かに踊り子の踊りの方が難易度全然高いしね。扇情的で人を惹き付けるもんねえ?」
踊り子か、何度か見た事あるけど……、イヤ全然違うじゃん!? 何でそれで貴族のダンスが出来んの??
『才能じゃの』
『体動かすの得意みたいなの』
アリーニャさんとミリアーナのやり取りを聞き流しながらリリィとネネェの言葉が突き刺さる。つまり俺には才能が無いと、はいはい、分かってましたよ?
『いや無いとは言うとらんぞ? ミリアーナの才能が高いと言うだけの話しなのじゃ』
『主拗ねちゃダメなのー』
むう、拗ねてないもん。どうせ踊り子の踊りも簡単に覚えたんだろうなミリアーナめ。
『『…………(拗ねとるじゃろ)』なの)』ジト目
その後アリアとカチュアは勉強、俺は楽器の練習をして夜にはビアンカお姉様と就寝。ビアンカお姉様は何か難しそうな顔してたけど悩み事でもあるのかな? 聞いてあげたいけど貴族の悩みとかだと怖いしな。
せめて父親代わりとしてギュッと抱き締めて寝てあげる事にした。
『『…………』』
翌日翌々日と屋敷の中で剣の鍛練、二刀流を目指す事にしてみたけどこれがまた難しい。形になるのも時間が掛かりそうだ。魔法は魔力が増えた事と操作技術が上がったお陰かリリィと出会う前とは大違いの上達ぶりだ。
アイリス 迷宮後7月→9月頭
体力量 10→10
魔力量 45→50
筋力量 14→14
瞬発力 20→20
スキル
魔力操作レベル 042→051
火魔法レベル 020→021
風魔法レベル 012→018
水魔法レベル 010→019
回復魔法レベル 048→058
無属性魔法
強化魔法レベル 018→021
念動魔法レベル 015→023
リリィ ネネェ
[精霊剣魔法レベル1000]
[精霊剣保有魔力 0300]
成人男性平均ー成人女性平均
体力量 20-15
魔力量 5-10
筋力量 20-17
瞬発力 20-18
スキル 魔法使い平均
魔力量 030
魔力操作レベル 025
各属性魔法レベル023
リリィとネネェの精霊剣の魔力やレベルは同じらしい。同じ精霊神様に見出だされたからかも知れないけど二刀流をやるなら都合が良い、のか? まあ喧嘩しなければそれで良いや。
『ネネェはこだわり無いから喧嘩なんてしないなの』
『いやいや、リリィは有るのじゃ! 精霊剣としてのプライドなのじゃ! 喧嘩はしないけど』
『精霊剣のプライドって、ネネェ達は宿にしてるだけだなのー』
『なっ、何を言うのじゃああああーーっ!』
『『ーー! ーーーー!』』
喧嘩してるじゃん。
それはそれとして水魔法の伸びが良い。風魔法にも慣れて来た。
夏場に水魔法で汗を流して風を纏わせたりしていたからかな。他の女性陣にも請われて風魔法と合わせて使いまくったてたし。
とは言え戦闘系では火魔法と身体強化魔法がやっと一人前一歩手前くらいになった程度、魔力操作が高いからその分実力的にはどちらも一人前の魔法使いレベルは超えているらしい。でも火魔法は最近全く使っていない。
と言うのも実戦では使えても普段は火種の代わり位でしか使えないし模擬戦で人相手に使う訳にもいかないしで使い勝手が悪いのだ。
それなら風や水の方が良い。風でも顔に当てれば視界を一瞬でも塞げるし水でも同じ、更に顔に貼り付かせれば視界だけでなく口を塞ぐ事も出来るしな。
念動魔法のレベルが上がっているのはそのお陰だな。風や水を飛ばすだけなら余り関係無いけど水を顔に貼り付かせるとなると念動魔法で操作維持する事になるのだ。
この水魔法と念動魔法を合わせると氷結魔法、つまり凍らせる魔法が使える様になるらしい。
温水出すのと理屈は同じらしいけど、俺にはまだレベルと知識が足りないそうだ。今は無理でも来年の夏には使える様になっておきたいな。
『一人前の魔法使いとは言ってもあくまでも近隣諸国の基準ではじゃがの。精霊王国の狼獣人や熊獣人達は魔力量70を超えておったし、ダールトンやシルブレットまで50を超えておったのじゃ。彼処の基準では一人前と言えるかどうか分からんのじゃ』
俺はやっと魔力量が50を超えたところ、まあだから何だと言う話しだが精霊王国の連中が高い魔力量を持っているのは確かな様だ。凄いとは思うが別に敵対してる訳でもないし向こうに住む訳でもないしどうでも良いんだけどな。
『興味はわかんのか』
下手につついて龍の尾を踏みたくない。
『現実的なの』
ダンスに楽器の演奏は今まで通りしている中で更に翌日、急遽スカーレット姫様と共にメメントリア王国に向かう事に決まった。スカーレット姫様の妹の治療だな。まあリリィとネネェがいれば大丈夫だろ。
『任せておくのじゃ(いざとなればこやつは勝手に覚醒して精霊神様の御力で癒してしまうじゃろうがの)』
『ネネェもいるなのー(ネネェも助けられた時感じたの)』
飛空挺で行くらしいけど道中マリアンヌ様をタヒュロス王国に送り届けてからメメントリア王国に行くそうだ。飛空挺は馬車と違ってガタガタ揺れないし疲れないから良いな。
でもそこからフォシュレーグ王国レンリート伯爵領に帰るらしい。馬車で帰るとしたら多分2ヶ月以上掛かる。…………地獄かな?
俺も3月からアデール王国に来て1年過ごす契約だったけど情勢が不安定だから未だ9月だけど自領に帰る事になる。
久しぶりにねぇね達に会えると思うと……そわそわしちゃうな。
『主ウッキウキなのー』
『子供丸出しじゃの』
精霊には人間の大人と子供の区別が難しい様だ。
後5話幕間としてアデール王国とフォーシュレーグ王国の話しが入ります。
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