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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第6章 びくびくお城の招待と新たな仲間?

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第029話 幕間 門前の戦い


「兎に角、あの魔剣は正式に譲渡された物ですしそれについてはカントラス王国もタヒュロス王国も同意しています。回復魔法の使い手も自国の民ですから、渡せと言われたからと言って引き渡す等あり得ません。仮に引き渡すにしても我が領主かフォシュレーグ王国と話し合ってからにして下さい」

 大剣を向けられ怯える商業王国の重鎮達に対してヒストロスも取り付く島もなくはね除ける。

 国家間の関係に関わる様な事を当主不在の中で決める事等そもそも出来ない。商業王国は超大国の圧力をチラつかせれば受け入れるしかないだろうと安易に考えたのだが、精霊王国が敵側に付いている時点で計画が破綻していたのだった。

「きっ、貴様っ! そんな事を言ってタダで済むと思っているのかっ!?」

「そうだ! 我等がその気になれば貴様等の国を潰すのも訳ないのだぞ!!」

「本国がその気になれば、だろ? お前等にそれをさせるだけの力なんて無えだろが」

「もう面倒臭えからぶった切っちゃおうぜ? 死人に口無しが楽だろう?」

「「「ひいっ!!」」」

 そうした問答を続けている中でも徐々に冒険者達は数を増やしていく。

 そしてそんな中、ついに教王国の司祭達が教会の神兵と揃いの鎧を纏った兵士を引き連れてやって来た。


「ホッホッホッ、どうやら間に合った様ですね」

「これも神の思し召しでしょう」

「うむ」

 豪華な馬車から神聖教会の司祭達が降りて来たが、その中で更に一際豪華な馬車から降りて来た高位貴族だろう壮年の男は偉そうに頷いていた。

「どうやら商業王国は交渉が上手くいっていない様ですね?」

「ここからは我々が交渉させてもらいますよ」

「くっ、待ちなさい。まだ終わっていませんよ!?」

「後にせよ」

「しかし……」

「余が国王になれば悪い様にはせん。ここらで引いておけ」

「……ベルトルート公爵にそこまで言われては仕方がありません。しかし成果無しでは此方も何も要求出来ません。せめてお力添えさせて頂いても宜しいですか?」

「うむ。良いだろう」

 教王国が連れて来た高位貴族はベルトルート公爵と言い、教王国商業王国との繋がりの深い貴族でもあった。

 教王国と商業王国は超大国同士、互いに他国の利益を宗教のお布施と商売の独占と言う形で分けあっていて、ライバルとも言えるが利益を生む形態が被らない様に住み分けも出来ている。

 超大国同士協力しあっている部分も多く、今回の様な利益が被る様な事態でも、互いに一線を越えない様に調整していくのだ。

 斯くて商業王国の冒険者現在50人、教王国の神兵80人、ベルトルート公爵の私兵100人と3者が敵としてビアンカの屋敷の門前にまで歩みを進めて来たのだった。



「王弟、ですか」

 ヒストロスは此方を上回る数になった敵を前に、ダールトンから馬車から現れた貴族について聞いていた。男の名はベルトバルン・イル・ベルトナード。ベルトナード公爵家の当主で現国王の弟でもある。

「ええ、公爵と言う地位もあって野心もあり、侯爵家の宰相では対応に苦慮している様です。実は先のタヒュロス王国への戦争もあの方の働きでして」

 本来なら勝てる戦いであり、それを先導する事で軍部を掌握しようとした。しかし魔剣騒ぎで敗戦、逆に国王にフォローされる事態になってしまっている。

 呆れる様に言うダールトンだがその敗戦を隠す為に国としてパーティーを開く事になって、それが魔剣騒動に繋がっていったのだから笑えない。

 それだけの失態を犯しておいて今また騒動を巻き起こそうとしているのだから厚顔無恥にも程があると言うモノだろう。そこまでして得る対価と言えばヒストロスには1つしか思い付かない。

「王位簒奪、ですか?」ボソッ

「教王国に唆されているのでしょう」

「何処にでもああ言うのはいるものですな」

「ええ、まさに」

 タヒュロス王国との戦争敗戦は規模から言っても大きな失態ではないだろうが、何とか早く汚名返上しておきたい処を教王国に唆されたのだった。

 カントラス王国としては無理矢理魔剣やアイリスを奪えば精霊王国と敵対してフォシュレーグ王国からも悪感情を持たれる。そうして得られるのは王弟が国王になるだけ。国王が代わるだけで国家として何の利益も無い処か情勢不安が巻き起きるだろうし損しかない。

 ルードルシア教王国の助力で王位を得れば教王国の影響力も強くなり過ぎるだろうし、そんな事も考えられない相手に国を任せる事は出来ない。

 現国王は勿論、宰相からしても国の利益を考えられない者に国を任せる訳にはいかないとは考えている。王弟と言う事と公爵家の後ろ楯がなければさっさと廃したいとすら思っている所らしい。



 近衛兵達は王弟と言う極めて高い地位にいる王族が現れて動揺していたが教王国の司祭、神兵と共に門前に進んで来ると慌てて止めに入った。

「ベルトルート公爵、そこまでです。何用ですか?」

「ふんっ、近衛か。まあ良い、魔剣と使い手を我に献上させよ」

「……なりません。陛下より手出し厳禁と命を受けております」

「下賤がっ、口を慎め! 貴様等は王族を守る為にいるのだろう! なのに我に刃を向けるつもりか!!」

「国王陛下より何人もこの屋敷の主の意向なく立ち入れさせるな、との命を受けております!」

「ちっ、たかが10数人で歯向かうか。おい、排除しろ!」

「「「はっ!!」」」

 王弟のベルトバルン公爵の声を受けて隊長格の兵が後ろの兵士達を引き連れて、近衛兵達を囲む様に前に出て来た。

「おっ、王命に背くつもりですかベルトバルン公爵!?」

「魔剣と使い手を手に入れれば我こそが国王となる。そんな王命など無意味になるのだ」

「我等はベルトバルン公爵閣下の兵士だ。国の前に閣下に忠誠を誓っているのだよ。同国人を手に掛けたくはない。無駄な抵抗はせず引くが良い!」

「王命に背く訳にはいきません! 全員、抜刀!!」

「「「はっ!」」」ジャキン!!

「ふんっ! 剣を手にしたな! 王命と我(王弟)への不敬は別問題だ! 不敬罪でこ奴等を捕らえよ!!」

「「「はっ!!」」」


 ブオンッ!

「「「うおっ!!?」」」

 王弟の命により詰め寄る兵士と近衛兵の間に割り入る様にルトルートは大剣を振り下ろした。

 身の丈程の大剣を勢い良く振り下ろしたのに地面に叩きつける事なく止めて見せた力量に双方が息を飲んだ。

「おっとぉ、俺等もいる事を忘れるなよー?」

 そこにアーダルベルト達他の傭兵達も武器を抜いて臨戦態勢になる。双方で3百人以上の睨み合いの状況になるが痺れを切らした王弟が口を出した。

「ええい、何をしている! さっさと切り捨てて屋敷を抑えろ!! お前達も出し惜しみせずに兵を動かせ!!」

 教王国の司祭達と商業王国の商人達は命じる王弟のその言動に苛立ったが、このまま活躍を独り占めされては魔剣もアイリスも手に入れる口実が無くなってしまうと考え従う事にした。

「やれやれ、仕方がありませんね。神兵達よ、神の意に逆らう痴れ者共を倒しなさい!」

「「「はっ!!」」」

「冒険者達! 教会も王族(王弟)も味方です! 正義は此方にありますよ! 成果に応じた支払いを約束するから行くのです!!」

「「「おっ、おう!?」」」

 神兵は家を継げない貴族の子息の受け皿になっていて好き放題している。教王国も貴族との繋がりを利用していて持ちつ持たれつの関係だ。その為忠誠心はないが自身に危険がなければ協力する間柄だ。

 しかし冒険者達は主に庶民で構成されている為、事情が理解出来ず取り敢えず上の命令を聞いて来ただけなので戸惑いが見られていた。






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