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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第6章 びくびくお城の招待と新たな仲間?

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第019話 祝賀会の始まり


「結局、何も得られなんだか」

「申し訳ありませんお父様。何時もはマドレイシアを連れて行けばもう少し相手をしてくれたものなのですが」

「もうしわけありません、おとうさま」

 難しい顔をする国王、最終手段として娘である王女達を送り込んだのだがその結果は芳しくなかった。

 第2王女アルトレイシアは成人したての15歳、5歳になる第3王女マドレイシアも連れて行ったのだが子供好きのベルダートが気付く間も無く追い返されてしまっていた。

 実は王女ですら熊獣人の背に乗せてお馬さんごっこなんてさせて貰えて無いので、バレていたら一騒動あっただろうからかえって良かったのかも知れない。

「いやお前達は悪くない、思った以上にガードが固かった様だ」

「アデール王国の様な裏切りを警戒していたのかも知れませんな」

「無くはないが、パーティーでもそれとなく探りを入れてみてくれ」

「「「はっ」」」


「それで、タヒュロス王国とフォシュレーグ王国の客人に対してはどの様な対応をしましょうか」

「そうだな、爵位相当……、いや、侯爵相当で対応する様に」

「双方共に、ですか?」

「何かあるのか?」

「いえ、悪くないかと」

 爵位相当となると公爵令嬢のマリアンヌと伯爵令嬢のビアンカに差がついてしまう。それに国力を考えれば元々どちらも伯爵相当が妥当の扱いとなっていたのだ。もしビアンカの方をリアースレイ精霊王国が重視していても侯爵相当となればリアースレイ精霊王国も納得するだろう。

「まあ良い。警戒は必要だが今回は内向きの、貴族共を納得させる為のパーティーだ。意識し過ぎて本末転倒にならん様にな」

「はい、魔剣は厳重に管理しております」

「お披露目を終えたら巫女様に預けて浄化、その後教王国か商業王国に売却ですか」

「ふん、精々役に立って貰うさ」



「そりゃそうだろ。獣人が背に人を乗せるなんて人間に屈服したみたいじゃないか。あり得ないだろ」

 アイリスは熊獣人の背に乗せて貰っていたが、ビアンカはカントラス王国の幼い王女すらさせて貰えないと聞き、それをさせたアイリスに微妙な顔をした。

(相変わらずね。この子をどう扱えば良いのか分からなくなるわ)

「ほらアイリスちゃん、良い加減シャキッとしなさい?」

「……あい」

 うー、ビアンカお姉様に手を引かれてパーティーの会場に向かっているんだけど眠気が取れない。熊さんの背中が気持ち良くてついつい熟睡してしまったんだよ? 仕方ないよね?

『仕方ない、かの?』

 それよりこの気持ち悪さ、リリィまた俺に回復魔法使っただろ? リリィの魔力が体に残ってるから分かるんだぞ。

『短い時間でも無駄に出来んからの。強化出来る間があればするのじゃ』

 ぶれないなリリィも。


 王城の大広間では招待された貴族が地位の低い者達から入場して行った。

 入場口に近いエリアは子爵以下の下位貴族が、そこから上位貴族、最奥が公爵と王族のエリアになっている。既に多くの人達が入場していて2大超大国であるルードルシア教王国、ラージヒルド商業王国の人間も上位貴族のエリアに入っている。

 彼等は周辺諸国で神聖教会と商業ギルドを牛耳っていてカントラス王国でもその強大な影響力を保持している。

 その為超大国からの客人と言う肥大化した自尊心を持つ彼等は同じ不満を持っていた「何故我々がリアースレイ精霊王国より前に入らねばならないのか」と。


 だがリアースレイ精霊王国は獣人達を王家に連なる者達として送り出している。

 同じ扱いを求めるなら教王国商業王国も母国からそう言うお膳立てをしてからにしてくれと言われ、どうにも出来なかった。

 他国では威張り散らせる彼等も母国では平民では無いものの精々下位貴族程度の地位でしかない。王族として他国に来る事等、出来ようもないのだ。

 そう言う事で苦々しく思いながらも精霊王国に関しては受け入れている。

 しかしビアンカやマリアンヌが精霊王国に連れ立って教王国商業王国より高貴な立場として扱われる事に不快な感情を抱いていた。

 そしてそれはこの国の高位貴族達も同じ思いだった。


 そんな中カントラス王国の公爵家の次にリアースレイ精霊王国の面々がビアンカとマリアンヌ、それにアイリスを引き連れて入場してきた。ヒストロス達は控え室で待機しているが、アイリスは精霊王国の招待客として招かれていた。

 アイリス自身はビアンカが否としなければ面倒だけど受け入れるしかない。決して愚図ってお菓子をねだった成果ではない。

『語るに落ちとるのじゃ』呆れ顔

 熊獣人の3人が堂々と入場しビアンカ、マリアンヌ、アイリスにシルブレッドとダールトンが続いていった。

 熊獣人のベルダートにラザフォード、リグレーシアは学生なので普段は城に来る事も無く高位貴族も早々目にする事がない。その為明らかに人とは違う容姿に、こう言う時は何時も自然と目が集まってしまう。

 しかし今回は直ぐにその視線が別の者に移る。――アイリスである。

 精霊神社でしか目にする事のない巫女。その巫女よりも豪華な巫女服を着ているのだから当然だろう。



 ほへー、デカい場所だな。千人位居るんじゃないかな? こんだけ沢山人が居たら俺が目立つ事も無いだろ。気楽に甘い物でも食べて時間を潰すかな?

『お主もぶれないの』

 アイリスの検討違いの目論見は当然の如く外れる。国賓扱いの獣人達に連れられ、国に1人しか居ない巫女の衣装に身を包んだ見目麗しい幼子? は獣人達とは別に注目の的だった。

 この国で神業を以て多くの命を救っている巫女の衣装を着てるのである。その幼く儚げな姿にはカントラス王国の王侯貴族の誰もが目を惹かれてしまっていた。

「宰相、あの子供は精霊王国の巫女か何かか?」

「分かりませんが、王女様方が追い返されたのはあの方によるモノかも知れませんな」

「しかし帯剣しているぞ? 護衛の従者ではないのか?」

 アイリスが帯剣しているのはリリィが渋ったからだが、ビアンカ等にはアイリスが愚図ったと思われている。――アイリスは当然その風評被害に気付いていないのだが。

「それにしては幼過ぎる。やはり何か特異な立場なのでは?」

「あの国は分からぬ事が多いからな」



 教王国の神官達も当然この祝賀会にも参加していた。しかし教王国の神官達は苦虫を噛み潰した様な顔でアイリスが着ている巫女服の白衣を睨み付けていた。

「ぐぐっ、あの白は我々にこそ相応しい白であろうに」

 彼等もごてごてと着飾っているが基本は神色である白を纏っている。但しアイリスの纏う白に比べれば生地の質も低くくすんで見えた。

 金銀財宝で着飾っていなければ恥ずかしくて逃げ出していただろう。――最も神職に就く者が金銀財宝で着飾る恥ずかしさは感じて無い様だったが。


 同じ様な顔をしているのは商業王国の人間達もだ。教王国の神官達に衣服を提供しているのは商業王国だからだ。

「あのレベルの衣服を何時になったら本国は寄越すのだ」

「全く、本国も情けない」

 部下に開発は命じているが遅々として進んでおらず。自身では何もしていないと言うのに部下や本国に当たり散らす事ばかり言っていた。

「精霊王国の連中め。あれらの技術等、我等が使ってやってこそ活きると言うのに全く分かっておらん」

「技術を提供する様に命じたのに拒否して来たからな。厚顔無恥にも程がある」

 端から聞けばどちらが? と言いたくなるが彼等は大真面目に言っているのだ。環境が人を腐らせるとは良く言ったものだろう。



「ガントナード国王陛下の入場です!!」

 歓談していた貴族達が口を閉ざし手を止め、王族専用の入場口から入る国王に注目する。

「皆の者、今宵は良く集まってくれた。先の戦にて多くの懸念が取り払われた。その為に少なからず犠牲が出てしまったが彼等に対し我は誇りに思う。皆もそうであろう」

「アデール王国とタヒュロス王国に楔を打てた。アデール王国は現在フォシュレーグ王国と戦火を交え内乱も起きている。当面我が国は西方において平和を維持出来ると考えている。此度の戦で得た平和を皆で噛みしめよう。それが平和の為に殉じた彼等に対する何よりの手向けになるであろう」

 宰相が国王の視線を受けて拍手を送ると高位貴族達も続き会場全体で拍手が巻き起こった。その後図らずも伝説級の魔剣を手に入れる事か出来た事が発表され、この場にてお披露目をする事が告げられた。


「あれがカントラス王国の国王陛下、ね」

 ビアンカはフォシュレーグ王国やアデール王国の国王とも会った事は無いが、話しに聞くアデール王国の愚王に比べると随分まともに見える。

 お父様と比べると、どうかしら? 堂々としてる分立派に見えるかしらね。

(年齢的にはアイリスちゃんも近い筈なんだけど……)

 腕にしがみついてキョロキョロと辺りを見渡すアイリスを、ジト目になって見るビアンカだった。






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