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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第6章 びくびくお城の招待と新たな仲間?

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第018話 お城で熊獣人達と


「何っ!? タヒュロス王国とフォシュレーグ王国の令嬢が居ない?」

「それが、リアースレイ精霊王国の控え室にいる様でして。如何致しましょうか陛下」

「うぬぬ、アデール王国からの避難を受け入れてやったと言うのに身の程知らずが。アヤツら精霊王国に取り入るつもりか?」

「わざわざ用意してやった部屋を使わんとは何と無礼な!」

「陛下、このまま精霊王国との繋がりが出来てしまうと厄介ですぞ?」

「フォシュレーグ王国はリアースレイ精霊王国を受け入れるつもりか? タヒュロス王国との繋がりも厄介になるやも知れんな」

「アデール王国の意識が当面フォシュレーグ王国に行く事でカントラス王国は安全になるだろうと考えていたが、精霊王国がアデール王国の後釜としてフォシュレーグ王国やタヒュロス王国との貿易を考えているのなら余り面白くないですな」

「それは現実的では無いのではないかな、ドランゴ軍務卿」

「どう言う事だ? レストッド宰相」


「フォシュレーグ王国は国家規模が我が国とほぼ変わりませんから実現すれば確かに厄介でしょう。しかしルードルシア教王国やラージヒルド商業王国がリアースレイ精霊王国のこれ以上の東部進出をむざむざ許すかと言う事です」

「ふん、……確かにどちらも全力で邪魔をするだろうな。しかし万が一強硬されれば厄介ではあるだろう?」

「そうでしょうか? アデール王国を含め四方が敵に回るのですよ? フォシュレーグ王国は他国との貿易では教王国、商業王国との取り引きで成り立っているのです。精霊王国の飛空挺だけでそれを賄えますか?」

「ぬう、確かに」

「どちらにしても、今はさっさと会場に入れて令嬢達を精霊王国の連中と引き剥がすべきだろう」

「確かに、それが賢明ですな」



「熊さん! 熊さん高くない! 怖くない! きゃっきゃっ」

 うはははは、馬は高過ぎて怖くて乗れないけどこの熊なら丁度良いな。

『熊じゃなくて熊獣人なのじゃ。獣人社会に真っ向から喧嘩を売る様なセリフなのじゃぞ?』

「はっはっはっ、熊の良さが分かるか。流石愛し子だな。良ぉーしサービスだ。テーブルのトンネルを潜るぞー」

「おおぉー、きゃっきゃっ」

『――と思うたが受け入れとるの』

 ビアンカは熊獣人ベルダートに乗りはしゃぐアイリスを見なかった事にしてラザフォードやリグレーシアとの会話を楽しんでいる呈を取る事にした。


「成る程、私達だと陸路で1ヶ月以上、魔物等の危険もあって気軽に行き来出来る距離では無いのですが流石ですわね」

「そりゃあねえ。アデール王国までなら飛空挺で半日も掛からないしお互い行き来してたわよ? まあその度に狼獣人達にケンカ売られてだけど」

「だよなあ。あいつらは俺等にライバル意識があるみたいでさ、会うたびに手合わせさせられるんだよ。種族的に俺等の方が強いんだから素直に認めて引いてくれれば良いのに」

「そんな事言うから突っ掛かられるのよ」

 呆れた様に言うリグレーシアに話しを聞いていくと、熊獣人の方が力と耐久力に優れていて狼獣人の方は瞬発力に優れているらしい。素手なら熊獣人の方が圧倒するけど武器魔法ありだと余り差が無いそうだ。

(アデール王国の狼獣人の方々は人間ではかなり上位の力を持っているらしいし、獣人と言うのは皆んな強いのかしらね? ……まあ私には関係ないか)


「失礼致します。城の使いがマリアンヌ様とビアンカ様を呼びに来ました。如何致しましょう」

 城のパーティー等では基本的に爵位の低い者達から入場する事になっている。外国からの来賓の場合は国力や関係性等も加味されるが、今はまだ祝賀会は始まってすらいない。ビアンカとマリアンヌが呼ばれるにはどう考えてもまだ早過ぎる時間だ。

 けど当主でもないビアンカ自身の立場では何も言えないのでマリアンヌと共に席を立とうとしたがリグレーシアに止められた。

「ちょっと待ちなさい。この娘達は私達が客として招いているのよ?」

「しっ、しかし、祝賀会の入場は順番が、決められておりまして……」

「なら変更しなさい。この娘達は私達と一緒に出るわ。それで良いわね」

「えっ? ……いや、しかしそれは、困ります……」

「い、い、わ、ね?」

「う、……」

「君、悪いがお二方は我々と参加する事になった。陛下方にはそう伝えてくれ」

 リグレーシアが凄んで城からの使いが答えに窮した所で、ダールトンが有無を言わさぬ口調で追い返した。


「あの、宜しいのですか?」

「我々は王族相当の立場ですからな。問題ありません」

 その後、話し合いの結果マリアンヌはビアンカと共にシルブレッド、ダールトン達に連れられて入場する事になった。それは王族相当の立場を持つ2人の客人となり、決して舐められる事の無い立ち位置だ。

「私達リアースレイ精霊王国と結び付くのを嫌って小細工仕掛けて来たんじゃないかしらね?」

「どうかね、2人を晒し者にして貴族共の自尊心を満たそうとでも考えたんじゃないか? 本当、こう言う所が人間のイヤらしい所だよな」

「あら、それはこの娘達に失礼じゃないかしら?」

「ああー、ビアンカ嬢、マリアンヌ嬢、失礼した。許せ」

「っはい、私は大丈夫です」

「私も、謝罪を受け入れます」


「それでベルダート、貴方は何時まで遊んでいるのよ。愛し子ちゃん寝ちゃってるわよ?」

「いや、分かっているんだけどよ。……これ、どうすれば良いんだ?」

 四つん這いで馬になっている熊。

 ではなく熊獣人のベルダート、その上で何時の間にか眠りこけていたアイリスに身動き出来なくなってしまっていた。

 だが幼い子供? に懐かれちょっと嬉しそうなのをビアンカは見逃さなかった。より重篤なナージャを間近に目にしてきたからこそ分かったのだろう。

「知らないわよ、自分で何とかなさい。それとビアンカ、貴女の侍女はどうなってるのよ?」

 リグレーシアに呆れた様に言われたビアンカは、恍惚とした表情でアイリスを見つめているナージャを見て連れて来た事を後悔していた。

「申し訳ありません。アレはちょっと、……いえ、かなり重度の子供好きでして」

(アイリスちゃんは精霊王国側から連れて来る様に請われたから仕方ないけど、ナージャじゃなくアリーニャを連れて来るんだったわ)

 万が一を考え、戦えるナージャを連れて来たのだがここまでポンコツを晒す事になるとは思っていなかった。

 加えてヒストロスとヴェルンはビアンカが精霊王国の面々とパーティーに入る事になった為、その対応に駆り出されナージャが野放しにされてしまっていたのだ。


「はあ~、大っきなぬいぐるみさん(熊獣人です)の上で眠りこけるアイリスちゃん、可愛過ぎます。ああ、私に絵心があればこの光景を切り取る様に描いて保存出来るのに」

「「「…………」」」

「それならシルブレッドが動画を撮っていたから後で写真にして貰えば?」

「写真? 現像? ですか?」

「シルブレッド、貴様、愛し子に許可なくそんな事を……」

「いや、……許可は後で取ろうと」

「先に取ってからにしろ。と言うかもうそのカメラを寄越せ。他にも撮っているのではないだろうな? 確認するぞ」

「やっ、止めろダールトン! 何をする!?」

「ウチのギルド長って変態なのか? 引くわー」

「ちっ、違う! 精霊の愛し子だぞ? 持っているだけで自慢になるではないか!?」

「変な写真撮ってないでしょうね? 私が調べるから見せなさいよ」

「リグレーシア。くっ、仕方ない。だが消すなよ? 許可を得られるかも知れんのだからな!?」

「……キモいわね」

「グハッ!?」


 崩れ落ちた変態、ではなくシルブレッドを余所にナージャはアイリスを鑑賞しながらも話しの流れからランランとした目で期待していた。

 子供好きのベルダート(軽度)もナージャ(重度)にはどん引きである。

「貴女ウチのカレンダーって見た事ない?」

「リアースレイ精霊王国のカレンダーですよね? あの風景を切り取った様な絵が何枚もある」

「そう、その絵はこのカメラって言う魔道具でその場の風景を記録して紙にそのまま写し出した物なのよ」

「その魔道具欲しいです! 可愛い子供を記録し放題じゃないですか!?」

「残念、カメラは秘匿技術の塊だから非売品なのよ?」

「諦められません!」

 言葉通り諦める気の全くないナージャだが、ビアンカがヒストロスとヴェルンを呼び物理的に黙らせるのだった。



「追い返されたか、しかも精霊王国と共に入場する事になるとはな。引き剥がし工作が逆効果になってしまった様だな」

「うぬぬ、身の程知らずが!」

「思ったより距離が近い様ですな。何とか情報を引き出せれば良かったのですが」

 渋い顔をする国王と重鎮達。その後も何とか情報を抜き取ろうとしたが、全てすげなく追い返されてしまうのだった。






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