第016話 おやつ、からの惨事?
アリアとカチュアの事を聞いた3人が会いたいと言うので会わせてあげる事になった。
どうせなら俺の部屋が見たいと言うので部屋に集まる事に、ナージャさんのぬいぐるみだらけなんだけどまあ良いか。
『皆にはお主の物だと思われとるがの』ボソッ
ナージャさんがお客様への対応と言う事で、アリアとカチュアの勉強を中断して連れて来てくれた。
ホリー達にはナージャさんが「未だあの子達はかなり痩せている状態なのですが普通に接して頂けると有り難いです」と言っていた。
確かにな、驚いたり悲しんだりしたら傷付くかも知れない。うんうん、流石ナージャさん、流石の気遣いだな。
「私達もあの領地を通った時に子供を買ってくれって頼まれたらしいのよね」
「私達もこの国に避難、逃亡中だったからね。それどころじゃないって断ったみたいだけど心が痛かったわ」
「小さな子供達も大人も皆んな痩せてたもんね」
しんみりしてしまったけど少なくとも2人は救われた事、大金で買った事で2人の村も恐らく大丈夫だろう事を話していくと喜んでいた。あの子達の借金になっているんだけど、此処で働いていればその内返せるだろうしな。
「それは良い事したね。アイリスちゃん」
「流石アイリスちゃんね。偉いわ」
「うん。良い子良い子」
褒めるのは良いけど頭を撫でるのは違うと思うよ??
「……アリアですっ」
「カチュア……です」
「おお~、2人共可愛いじゃない!」
「エリカちゃん落ち着いて!? 2人共びっくりしてるよ?」
「でも、確かに大きくなったら美人さんになりそうですね」
アリアとカチュアは初めは気後れしている感じだったけどエリカちゃんもホリーもフランも皆んな平民だと分かって何か仲間意識が芽生えた様だ。
『ホリー達も貴族のお屋敷に緊張していた様じゃからの』
アリアとカチュアも屋敷の生活に慣れて来たみたいだしな。
ナージャさんは上司に怒られても世話を焼きたがるから味方と感じている様だし、ミリアーナに対しても戦闘職と言う事でちょっと気後れてしてたけど天性の明るさと気軽いスキンシップで直ぐに打ち解けてたみたいだ。
「ああ~、2人共小っちゃくて可愛いわぁ。アイリスちゃんも入れて可愛い服で着せ替えして遊びたいわよねー?」
「でも今のエリカちゃんやフランのお店だと余り……」
今エリカちゃんとフランの両親は商工ギルドの紹介でデパートの衣料品店で従業員として働いているそうだ。けどそこは一般的な服しかない普通の店らしい。因みにホリーの両親もデパートの雑貨屋で働いているそう。
「くうっ、フランの前のお店なら色々着せ替えて遊べたのにー!」
店を失くしたフランの手前言えないけどあの店は装飾過多で女の子ばかりだからな。俺浮いちゃうし嫌なんだよなあ。
『まあ、(見目が良すぎて)目立ってはいたのじゃ』
だろ? こんな女の子だらけの集団の中に放り込まれてもオジサンどうすりゃ良いのか分かんないよ。
『………………』
ナージャ、ミリアーナにアリアとカチュア、学院の同級生だったホリー、フラン、エリカと女だらけの集団に囲まれながら、無心でお客に出されたクッキーを食べ漁るアイリスをリリィは遠い目で見るしかなかった。
「えっ? アイリスちゃんこの子達と一緒に寝てるの!?」
「ん、モグモグ、お昼寝」コクリ
俺の部屋を見たエリカちゃん達が驚いている。まあこんなデカい部屋にデカいベッドだもんな。これでもアデール王国の屋敷の部屋に比べたら小さいんだぜ? ビックリだよな。
『違う理由でビックリしておる様じゃぞ?』
「奴隷だから良いのかしら?」
「でもアイリスちゃんも一応男の子だよ?」
「取り敢えず聞かなかった事にした方が良くない? 貴族のお屋敷の話しだし」
「良いんです! アイリスちゃん可愛いから良いんです。ねっ? アリアちゃん」
「うん、カチュアちゃんの言う通りです。アイリスちゃんとは仲良しだから問題無いと思います。ねっ? アイリスちゃん」
「ん? モグモグ、ん」コク
ふんす、と握り拳をして良く分からない理由をアピールするアリアとカチュア、それに乗っかる3人、取り敢えず頷いておくけど何があったんだろ?
『相変わらず噛み合わないのじゃ』ジト目
女の子の会話におっさん1人、噛み合う訳ないだろ?
『…………』
「アデール王国の屋敷の時はナージャも私もアイリスちゃんと良く寝てたのよねえナージャ?」
「ええ、……そうですね」
ミリアーナも流石に貴族の令嬢であるビアンカが癒しを求めてアイリスと寝ていたとは言わなかった。そしてナージャはアイリスともアリア、カチュアとも一緒に寝られずミリアーナと寝る事になったのを思い出して瞳から光が失われていた。
3人は今は此方の学院には通わず両親と一緒に仕事をしているそうだ。アデール王国に帰るつもりは今のところ無いらしいけど、まだ此処に腰を落ち着ける事も決められていないそうだ。
まあ国を出て一月、いやこの国に辿り着いてならまだ10日も経ってないだろうし仕方ないだろうな。
ビアンカお姉様はスカーレット姫様をメメントリア王国に返すついでにフォシュレーグ王国に帰るつもりらしい。
ナージャさんがそう言うともう会えなくなるかもしれないと、エリカちゃんだけじゃなくホリーやフランにまで泣きながら撫でくり回された。
『お主も泣いとるじゃないか』
もらい泣きは仕方がないんだよ?
『もらい泣き?? がん泣きじゃろ』
「ナージャ? 何故貴女が此処に居るのかしら?」
その後も色々と話しが盛り上がってたけど日が落ちる前に今日の所はお開きに、けど玄関先まで来た所でナージャさんがアリーニャさんに捕まった。
「はい、少々込み入った事情がありまして…………」ボソボソ
「それは…………、成る程、貴女の懸念は分かりました」
怒気を強めたアリーニャさんにナージャさんが何か耳打ちをしている。アリーニャさんってお菓子取り上げたりするから苦手なんだよなあ。
『判断材料そこで良いのかの??』
お菓子大事。
「皆さん、本来はただの家臣見習いのアイリスに庶民の客が来たからと言って客として招く事はありません。アイリスの特殊な立場を鑑みて対応しましたが、露見すれば我が家が舐められる事のなるので口外無用でお願い致します」
「う、「「はい」」分かりました」
ああ~、3人が悪い訳でもないのにアリーニャさんの高圧的な物言いに萎縮して微妙な空気になってしまったよ。
仕方ないから玄関先で別れ際にたっぷり抱き締めてあげた。
何故か俺が別れるのが嫌で愚図ってるみたいに思われて逆に慰められたけど、まあ3人が元気になったから良いか。
『うむ、何時も通りなのじゃ』
「ホリーさんエリカちゃんフランさん、3人共申し訳ありません。本来ならあんな事を言うつもりは無かったのですが、ミリアーナの接客が表に出れば醜聞になりますので無かった事にさせて頂いたのです」
「「「ああ~」」」
「……ただのスキンシップに大袈裟ねえ」
「貴女は貴族を舐めすぎです。一般的な貴族なら貴女ごと闇に葬りますよ?」
「私だって相手と場所を選ぶわよ。ナージャこそ私をこの子達に会う為の言い訳にしたんじゃないの?」
「そっ、んな事はありません」
「ああー! ナージャさん目が泳いでる!?」
「「…………」」
「いっ、いえ、言わなければならなかったのは事実ですしっ! 実際アリーニャさんも問題視してたじゃないですか!?」
「へえー、そりゃ大変だあ」ジト目
「なっ、何ですかその目はミリアーナ!? 貴女がヤラかした事には変わりないでしょう?」
「うんうん、そうだねー」
「もう! ミリアーナ!!」
「「「…………はは、仲が良いですね」うん」そだね」
ヤバい、久々の大ピンチだ。目の前でビアンカお姉様が不機嫌そうに見下ろしてくる。
「あのビアンカ様? 幼い子供と言うのは何かと我慢が効かないモノですわ。余り厳しくしても可哀想ですわよ?」
幼い子供?? マリアンヌ様が間に入ってくれている様だけど何を言っているんだ? フォローするならもっとちゃんとしてくれないかな??
「ビアンカお嬢様、今回は色々ありましたし一月ぶりの学友との再会となれば多少羽目を外してしまうのも仕方の無い事では無いでしょうか?」
おお、良いぞナージャさん言ったれ言ったれ!
(――此処で厳しく言って、万が一にもアイリスちゃんをマリアンヌ様に取られる訳にはいかないのよね。そんな事になったらシャルロッテに何を言われるか分からないわ)
「……ふう、仕方がありませんね。今回は特別に不問にしましょう」
おお、やった!?
「ああ、アイリスちゃんが花が咲く様な笑顔をしています」うっとり
「ナージャは黙ってなさい! 貴女がアイリスちゃんに夕食を食べられなくなるまでお菓子を出したのも悪いのよ!?」
「いえ、頭を左右に揺らしながら笑顔で食べる様が可愛いらし過ぎて止められませんでした」
「それ、……謝罪のつもりかしら?」
可愛いって、おっさん相手に言う言葉じゃないんだよ? 何でもアリだなナージャさんは、でもそんな仕草してたかな?
『しとったぞ? まるで幼児の様にな』
失礼な。おっさんを幼児扱いすんなよな。
『……』
「アイリスちゃん? そのかわり夜お腹が空いてもお菓子は駄目ですからね。ちゃんと侍女に夜食を作って貰いなさい、良いわね?」
「あ、……あい」
目の前にジト目で迫るビアンカお姉様に思わず返事がおかしくなってしまった。けど今日はもうお菓子ダメかあ。そんなの自由で良いと思うんだけど、ビアンカお姉様が家主だから仕方ないか。
「ふふっ、お姉様と言うより母親みたいですわねビアンカ様」
「マリアンヌ様、からかわないで下さい」
マリアンヌ様って何かズレてるなあ。
『えっ! (お主がそれを言うの!?)』驚愕
お菓子問題が不問になったお礼にビアンカお姉様とマリアンヌ様の2人にお風呂上がり張り切って美容魔法をしてあげた。お菓子禁止令とか出されたら地獄だもんな。
『その2人が体をピクピクさせて倒れておるがの?』
ん? 大丈夫だろ? 美容魔法って言っても結局回復魔法なんだし余韻に浸ってるだけだよ。
浴室を出た脱衣所をマッサージルームにしてビアンカとマリアンヌが並んで美容魔法を受けたのだが、張り切ったアイリスによって過剰な回復魔法が込められた美容魔法の快感に声を殺して堪えていた。
((声を出したら喘ぎ声になってしまうわ!!))
そんなはしたない真似は出来ないと涙目になりながら堪えた2人だったが、ビアンカもマリアンヌも息も絶え絶えになり暫く身動きが取れなくなってしまったのだった。
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