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拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?  作者: ゆうきゅうにいと
第4章 ふらふら日常生活は波瀾万丈?

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第029話 幕間 シャルロッテ、交渉と推察


 翌々日、商工ギルドのギルド長が来たと言うので交渉する事になった。何故か場所は精霊神社になったけど。

「だってまたお腹を刺されたら此処じゃないとすぐに治療出来ないでしょう?」

 巫女のオリビアが人好きしそうな柔らかい笑顔を向けて来る。まだ10歳だけど私を子供扱いするのは貴女くらいよ?

 精霊神社の一室、此処に居るのは私と私の後ろにシェルビド達私の護衛、対面に巫女のオリビア様。右側に商工ギルドの副ギルド長のダールトンと隣にもう一人の男、多分この男がギルド長ね。

「全く、何でこんな下らない事に付き合わないといけないのよ」

 そして左側に座るもう1人、不機嫌そうに私達を半眼で睨み付けてくる20代半ばくらいの女性は、耳が普通の人間よりも高い位置にあって狼の耳の様だった。これが獣人と言うやつだろうか。

 獣人は昔人間の奴隷にされていたと言う歴史があるのよね。と言うのも今でもラージヒルド商業王国やルードルシア教王国では人間以外の知能ある種族は人間に奉仕する為に神が創ったとかのたまっているし。

 私達恨まれているんじゃないの? 恨まれている相手が居る場で交渉させるなんて交渉を潰すつもり? ダールトンはやっぱりアデール王国の間者で決まりかしら。

「何時までその不躾な視線を向けて来るのよ。――殺すわよ?」

 獣人の女性の殺意剥き出しの視線が私の後ろの護衛に向く。護衛のシェルビド達が剣に手を掛ける音がしたので咄嗟に片手を上げて止めた。

「貴方達は部屋を出ていなさい」

「ぬっ、いやしかしお嬢ちゃん……」

「邪魔よ」

 そもそも刃を交えて此処を切り抜けられたとしても、敵しか居ない国でどうすんのよ。これ以上このポンコツ共に悪感情を煽る様な真似されたら堪らないわ。

 殺意を抑え切れずに睨み付け、渋るシェルビド達を無理矢理下がらせてから改めて交渉の席に着く。全く、初めからマイナススタートなんてウチの護衛もダールトンも録な真似しないわね。


「追い出されてしまいましたなシェルビド殿」

「とは言えお嬢ちゃんをこれ以上危険な目に遭わす訳にはいかんからな。いざと言う時はお嬢ちゃんだけでも逃がすぞ?」

「腹切られちまったからなぁ。ったく情けないぜ」

「しっかし本当に子供らしくないんだよな。伯爵や息子のグランツ様が苦手にしてるのが良く分かったよ」

「あの子があのまま大人になって行ったら俺等の息子や孫達は相当振り回されるだろうなあ」

「こんな厳ついジジイ達を睨み付けるくらいだからな。……思い出したらちょっと寒気がしてきた」

 追い出されたポンコツ爺達がドアの外で好き勝手言っている中シャルロッテは漸く前途多難な会談に入っていった。


「ねえ、こんな子供が私達と会談なんて出来るの?」

「この子は私達とお話しする為に、自分のお腹に刃物をズブズブと深く突き刺したのよ? 私に直接交渉するくらい胆力があるわよ」

「へぇ? 貴女みたいな子供が? 自分の意思で? どうしてそこまでするのかしら」

 ん? 獣人の女性の態度が少し柔らかくなったかしら? でもどう答えようかしら。この人達って、どう言う事なのか分からないけどこの国に対して力を入れている様には感じないのよね。だから綺麗事を言っても鼻で笑われそう。

「周りの人達を守る為、……後、こんな国に蹂躙されるなんてどうあっても嫌だからよ」

「ふうん」

 獣人の女性は興味無さそうな反応、自分で聞いておいて……。いやでも、私が子供だからこの程度で済んでるけど、大人だったらシェルビド達みたいにやられていたかも知れないわね。

「そろそろ本題に入って良いか? 此方は忙しいんだ。すぐにまた戻らにゃならん」

「随分熱心ね。こんな国どうなろうとどうでも良いじゃない」

「そりゃそうだがな。今やってるのは王都近くにある迷宮の、国軍の訓練地を買い取っての再開発だ。1から都市開発を、しかも迷宮込みでやるんだ、なかなか面白いぞ?」

 流石に獣人でも同じ国の人間には嫌悪感は感じてない様ね。まあそんな事があったら超大国としては成り立たないか。それとどっちもこんな国扱いか、遊び感覚で進出してるなら此方に味方する遊びを提案すれば引き込めるかしら?


「さて、もう分かってるかも知れんが俺がリアースレイ精霊王国からこの国で商工ギルドのトップを任されているヤークスハルトだ」

「改めて、私はその補佐をしています副ギルド長のダールトンです。今回此方の獣人、メリアラを連れて来たのは自分達がアデール王国側の人間ではない事を証明する為でしたが、混乱させてしまったかも知れません。申し訳ありません」

 ヤークスハルトはガタイが良い、顔つきも行動力がありそうな精悍な顔つきをしている。ダールトンは何と言うか普通の青年ね。

「アタシは灰狼獣人のメリアラよ」

「私は巫女のオリビア、ふふっ。自分で巫女なんて名乗るのは何時まで経っても慣れないわね」

「本来こんな些末な事に私が参加させられるなんて無いのよ。巫女様に感謝するのね」

「精霊が少し興味深そうにしていたから、ちょっと頼んじゃったのよね。ごめんなさいねメリアラ」

 巫女オリビアが微笑んで答えた。けど精霊ね。

 見えない何かがいて、リアースレイ精霊王国では精霊王国と言うだけあってそこでは信じられているらしい、けど巫女には実際にその精霊が見えていると言う事かしら?


「私はシャルロッテ・フローディアと申します。フォシュレーグ王国レンリート伯爵領から来ました。今回は我が国と国交、貿易をして頂きたくこの場を設けて頂きました」

 コイツ等は私達の国どころか身を置いているこの国をも軽く見ている様に見える。それどころか自分達の利益すら見ていない様にすら……、なるべく興味を失くされない様にしないといけないわね。

「ふむ、国ね。お嬢ちゃんは国の代表ではないだろう? そんな話しをしても意味が無いんじゃないのかな?」

「レンリート伯爵ならどうとでもなります。国に関してはその条件を聞く為に来ました」

「どうにでもなる、ね。まあ良い、我が国と国交を築く条件は王都に我が国の施設の受け入れと飛空挺の離着陸の許可が必要だ」

 厳し過ぎる。レンリート伯爵領なら誤魔化しが効くし伯爵を使い潰してでもと思っていた。けど王都となるとラージヒルド商業王国やルードルシア教会国が参入を許す訳が無い。


「この国と国交を築いた時はどの様にしたのですか?」

「ああ、……アレはなあ。………………駄々をこねたんだよ」

「…………は?」

「いや、勿論ラージヒルド商業王国やルードルシア教王国が圧力を掛けて来たぞ? でもあのアホ愚王の奴が飛空挺が欲しいって駄々をこねて癇癪起こしてな。その場で反対する連中をバッサリいきそうになって流石の奴等も受け入れるしかなかったのよ」

 言いにくそうに苦笑いしながらギルド長のヤークスハルトは首を手でトントンとした。内容は兎も角この国は自力で国交を築いたのか。愚王の癖にやるわね。

 ウチの陛下にもさせられれば良かったんだけど、常識的な王だと言われているし今更そんな真似させても空々しいか。国交は、出来たとしても何十年掛かるか分からないわね。この国との戦争を考えたら時間が足らな過ぎる。


「国交を築くには条件を整えるのに時間が掛かり過ぎます。何か他に方法はありませんか?」

「他の方法ねえ? ……伯爵領と貿易するにしたって妨害はあるんだぜ? お嬢ちゃんにどうにか出来んのか?」

「方法があるなら教えて下さい。実現可能か検討します」

「この国に圧力を掛けるのさ。けど俺等がそれをやる理由は無えわな」

 それは私達には出来ない方法ね。火に油だもの。寧ろ戦火の火蓋を切ってしまうわ。そしてこの人達にとってはこの国も私達の国も取るに足らない相手だと思われている、と。

 この国を通して密輸するにしても経費が余計に掛かるしそれはこの国を豊かにして戦争を早める事になりかねない。

「貴方方がこの国に進出した理由を教えて頂けますか?」

「だからそれはウチの国の条件を整えたからだろ」

「条件を整えたからと言って、進出するかしないかはそちらの自由ですよね? 何が決め手になったのですか?」

「…………本国の許可は貰ってる、それ以外は個人の意思だな。まあやり過ぎれば本国から連絡が来るだろうが」

 リアースレイ精霊王国はとてつもない技術力を持っている。扱う商品や飛空挺からもそれは分かる。でもそれにしては他国への進出が緩やか……、お粗末にすら見える。

「一枚岩ではない?」

 ヤークスハルトはニヤニヤしているだけ。まだ不十分と言う事? 虐げられていた獣人達が多く居るのなら。

「技術を他国に流出させたくない勢力が国内にいる?」

 それに……。

「他国を歯牙にも掛けていない?」

「ほっほっ、素晴らしい! 大した洞察力だ! 行動力もあるし我が国に欲しい人材だ、なあダールトン?」

「そうですね。まあ理由としては大体当たりです。特に最後の理由が大きいでしょう」

 ラージヒルド商業王国やルードルシア教王国は大陸を2分する超大国よ。それを歯牙にも掛けないなんて、幾ら技術力に差があるからと言って流石にあり得るのかしら。






明日から03時10分と9時10分に投稿します。

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これからも宜しくお願い致します。

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