第020話 パジャマパーティー、ハーレム?
「貴族の子息が断られてるのに庶民のアイツ等が何で何度断ってもしつこく迫るのか分からないわ」
「自惚れてるのでしょう。自分が本気でフラれる訳がないと」
「痛いヤツ等よね? あっ、ごめんねアイリスちゃん。あんな事になるとは思わなかったのよー」
「エリカちゃん、あんな言い方したら矛先がアイリスちゃんに向かうでしょう」
「うう、そんな事言わないでよフラン〜、悪気は無かったのよー」
「んっ、問題ない」
「アイリスちゃん大好きー♪」
子供を守るのは大人の務めだからな、皆んなが安心出来るなら泥を被るくらい訳ない事だ。
『…………』
「でも結局ミリアーナさんまで最後はアイリスちゃんのハーレムメンバーだって言っちゃいましたね」
「エリカもアレにはびっくりした。護衛対象じゃないの? って」
「ミリアーナさんの口撃も効いてなかったからね。それどころかナージャさんと一緒にハーレムに入れようとしてたし」
そうなのだ。ミリアーナも当初は間に入ってエリカちゃん達を守ろうとしていたんだけど、結局俺に押し付けやがったんだ。まあ大人とは言えミリアーナも一回り以上下の女だし、俺が頼り甲斐があるって言われたら仕方ない。
『(良いように騙されとるのじゃ)』呆れ顔
「ナージャさんも一度は止めようとしたんだけどねえ」
「ミリアーナさんが「ナージャはメンバーじゃなかったっけ?」って言ったら「メンバーです! 私程アイリスちゃんを愛してる人はいません!!」って言ってたもんね」
「まああの人はそうだよね」
「一見出来る人なんですけどね」
ナージャさんはなぁ。俺の背が低いってだけで子供扱いしてくるんだよなぁ。
『背が低いだけかのう』
「ミリアーナさんも大概だけどレンリート伯爵家って変わった人ばっかりだよね」
あの2人は分かるけど、……何故俺を見る。
『寧ろ一番変わっておるじゃろ』
「それヴェルンさんに悪くないですか?」
「ああ〜そうだった、あの人達のインパクトが強すぎて忘れてた」
フランの言う通りヴェルンさんはまともだと思う。まあ基本馬車の方にいて校舎内には来ないから影が薄くなっても仕方ないか。
「でもさ、もしアイリスちゃんが大きくなったらとんでもないイケメンになると思わない?」
「エリカちゃんの言う通りだと思いますけど、でもちょっと想像つきませんね。今でさえここまで目を惹くのに……」
「レンリート伯爵家が囲うのも分かるかなぁ」
「まあねえ、でも今のままが良いよね? めっちゃ可愛いんだから」
「「確かに」」
…………俺、大きくなると思うか?
『無理じゃろ、いい年して何を夢見とるのじゃ』
むくう。
『まあリリィはお主が精霊剣の使い手として名を馳せれば良いのじゃ』
このナリで? リリィも現実を見ようぜ?
『うぬぅ』
「結局私達が学院に通ってるのって親から玉の輿を狙えって事なんでしょうけど、上手く行ってませんね」
「うーん、エリカは今まで言い寄って来た人達は無いかなぁ」
「そうだね、アイリスちゃんはビアンカ様が卒業したらフォシュレーグ王国に戻っちゃうんでしょ?」
そう言う設定だったな。まあ本当は一年経ったら向こうの聖女騒ぎも落ち着いてるだろうって話しだし、そしたら帰れて晴れて自由の身だ。
ああ〜、ねぇねに会いたいなぁ。妹の奴隷解放は後数年掛かるだろうけど借金問題は解決したし問題なのは時間だけだからな。
「ちょっとアイリスちゃん? 眠いの? 頭ふらふらしてるよ?」
「んん〜にゅ」
何時もは朝の治癒院の為に早寝してるからな、もう寝てる時間か。んん〜? 頭を抑えられ誰かに寝かせられたな。
何かそのまま寝ちゃいそ……スヤァ。
「限界みたいですねぇ。よしよし」
「ちょっと何でフランが膝枕してるのよ? エリカが一緒に寝るんだからエリカの役でしょ」
「エリカちゃんは一緒に寝るんだから良いじゃない。フラン、後で私もさせて下さい」
「うぐぐ」
「にしてもアイリスちゃんお菓子あんまり食べなかったね。ナージャさんの計算通りかな、アイリスちゃん少食だから」
「こう言う事は出来る侍女なのにあの残念感は凄いよね」
「ちょっとエリカちゃん、それはナージャさんに悪いわよ」
「何よホリーだって思ってるんでしょ? それともアレがホリーにはまともに見えるの?」
「…………それは、……見えないけど」
「はあ、アイリスちゃんがこの国の人間だったらエリカ本当にハーレムに入っても良かったんだけどなあ」
「ええっ!? エリカちゃん本気??」
「ホリー良く考えてよ? こんな可愛くて騎士より強くて属性魔法に回復魔法まで使えるのよ? その上学院に通いながら朝夕治癒院に通うくらい真面目なの、貴族との繋がりもあって超優良物件じゃない」
「「確かに」」
『リリィがいれば並みの騎士よりは強いであろうな。身体強化魔法が使える様になったのが大きいのじゃ』うんうん
「せめて友好国だったらねえ」
「潜在的敵性国家、ですからね。……勿体ない」
「やっぱりホリーもフランもアイリスちゃん気に入ってるじゃない」
「だって可愛いんだもん」
「こんないも……、弟? 欲しかったですね。まあハーレムに入ったとしても子供扱いしてしまいそうですけど」
「「確かに」」
『子供に子供扱いされるおっさん、こんなのが精霊剣の使い手か、はあ』
その後も3人は学院の話しや将来の話し等を話しながら眠りについた。
翌朝、何時もは治癒院に行くから早起きするからか一番に目を覚ました。けど今日はお休みを伝えてあるし二度寝二度寝。
「エリカちゃんご飯持って来たよ? そろそろアイリスちゃん起こしてあげて」
「はぁい、アイリスちゃーん朝だよー? ご飯食べよー」
「んん〜んんぅ」
眠い、……二度寝失敗。
「ミリアーナさん、アイリスちゃん何時もそんななんですか?」
「何時もは早起きして治癒院に行ってるから何時もではないわねえ♪」
「ミリアーナさんご機嫌ですね。何か肌艶も良いですし」
本当だ、何故かミリアーナは艶々でニッコニコなのにナージャさんは艶々だけど疲れてるみたいだ。ホリー達は何かミリアーナをジト目で見てるし何か知ってるのかな? 女の事はよう分からんな。
「まさか、他人の家であんな事を……」
「?」コテ
ナージャさんに後ろから抱き締められながら馬車で学院に向かう。不思議そうにナージャさんを見上げると頬ずりされながら甘えられてしまう。
全く、甘えん坊なのは何時もの事だけど偶に重症化するよな。
「貴族の馬車で学院に行く事になるなんて思わなかったわ」
「エリカちゃん今回だけだよ? でもこれでアイリスちゃんのハーレムメンバーって話しが更に広まりそうだね」
「そう言うホリーも顔がニヤけてますよ?」
「ああ〜、えへへ、ちょっとね。何か偉くなった気分がして、フランは変わらないね」
「いえ、緊張はしてますよ」
中途半端に寝たからか眠いなぁ。馬車の揺れが睡魔に響く。
気がついたら教室でナージャさんに抱っこされてた。コレどう言う状況? 歩いた記憶無いんだけど??
『馬車から抱っこされて運ばれておったのじゃ』
そんな目立つ真似を、ナージャさんもブレないな。
『お主もな』
ナージャさんをジト目で見てたらリリィにジト目で見られた、……何故?
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