第033話 幕間 コレットチーム、話しが合わない
帰り際、石猪と呼ばれる80cmくらいの猪の魔物が襲って来てタニアさんが狩った。動物系の魔物は繁殖してゴブリンとかを狩って欲しかったらしいけど襲われたら仕方ないよね?
血抜きに解体の勉強とか言ってやらされた。確かに必要な事だし何とか自分を納得させたけどラビィが特に不服そうで宥めるのが大変だった。タニアさんがラビィにキレるところだったよ。夕食が石猪の肉祭りになったから機嫌が治ってたけど怖かったんだからねラビィ。
けど本当の恐怖はその後に起きた。村長の奥さんが町の話しとか色々聞きたがっていたんだけど、話していく内に何故かアイリスちゃんとレイクさんがお似合いだとかエリックさんはお兄さん枠だと思うのよね? とか良く分からない、……と言うか分かりたくない事を言って来るのだ。
「だってあの2人、凄く美形じゃない? アイリスちゃんなんて天使か妖精かって言うくらい絵になるし」
「確かに……、いやでもアイリスちゃんは男ですよ?」
「何言っているの!? それが良いんじゃないの! 純真無垢なアイリスちゃんに聖なる騎士様みたいなレイクさん、萌えるわぁ」
「んっ、……精霊姫と聖騎士様」
「まあっ、ルルちゃんそれよ! 良く分かってるじゃない!」
「ふふっ、……沢山本を読んだ」
ルルまで何言ってんの!? て言うか何時も本ばっかり読んでたけどそんな事考えてたの??
「ああ、町にはその手の本が沢山あるのね? 羨ましいわ。折角読み書きを覚えたのにたまに話しの分かる行商人に会って少し聞けるくらいなんだもの」
「……商工ギルドに図書館出来た。写本しても良い」
「まあっ! ルルちゃん良いの!? それなら私も布教がはかどるわ! やっぱりアイリスちゃんにはレイクさんよね!? エリックさん推しの人もいるのよ? 勿論私は否定はしないわよ? でもね? 私はあくまでアイリスちゃんレイクさん推しなのよ」
「…………三角関係」ぼそっ
「っ! 凄いわルルちゃん!?」
普段喋らないルルが饒舌? になってる。奥さんと意気投合してるし本当にルルなの? 何か怖いよ。
ラビィは耳まで赤くして聞き入ってるし皆んなアイリスちゃんが男って分かってる筈なのにラビィやルルまで一緒に盛り上がってる。まるで私が可笑しいみたいじゃない。
「ついでに読み書きも教えられるし良い教材が出来るわぁ」
「ええっ! そんな話しで読み書き教えるの!? 地獄じゃん!!」
この村の将来が怖い、村長さん頑張って!!
「それならコレットちゃんはアイリスちゃんとは誰がお似合いだと思うの?」
うげっ、思わず声を上げてしまったら奥さんの興味か私に向いてしまった。アイリスちゃんとお似合い、お似合い、……男は無いとして、女であの子と釣り合う人って……。よっぽどの美人じゃないと釣り合わないわよね?
「ええーっと、…………シャルロッテ様、……とか?」
傭兵ギルドの元ギルド長で長身暴乳、冷たくて怖いイメージだけどあの人自身は絵になる程の超美女だ。
シャルロッテ様の方が少し年下だった筈だけど寧ろアイリスちゃんの方が子供、親子に見えなくもないけど男よりはマシだ。2人共絵になる美人だからある程度釣り合いはとれる、と思う。まあシャルロッテ様はイメージが怖すぎるけど。
「「「…………」」」
「無いわコレットちゃん、あの人は私ちょっと怖すぎると思うのよね?」
「んっ、コレットは命知らず」
「なっ、何でよ! シャルロッテ様は今まで会った一番の美女じゃない!? スタイルも抜群だしとんでもない暴乳だし!!」
「駄目よコレットちゃん、それじゃ萌えないじゃない」
「んっ、同意」コクリ
「私もちょっと、あの人がアイリスちゃんを可愛がるイメージがつかないかなぁ」
くっ、ラビィまで。タニアさんはご飯の時にお酒も飲んでさっさと寝ちゃったし私もご飯食べたらすぐ寝るんだった。
翌朝、昨日の石猪のお肉の入った雑炊を貰ってからまた森に出発。タニアさんに夜の事を愚痴りたかったけどグッと堪えたよ。万が一タニアさん迄そっち側だったら私孤立無援だもんね?
「昨日は1日土いじりなんてさせられたんだ。今日は思いっきり狩りをさせろよな!」
「いや駄目だ。石猪が近くまで来てる事が分かった。上手く繁殖してくれたらゴブリンを間引いてくれるかも知れん」
「何でだよ! アイツ等1日中狩りをしてたんだろ!? 俺等にも少しは殺らせろよ!!」
「ラスト、我が儘を言うな。仕事なんだぞ?」
「でもさあ、私達また1日土いじりなんでしょ? 息抜きに狩りくらいしたいわよ」
またあのリズ、ラスト姉弟が駄々を捏ねてる。まあ私達に絡まれなければ別に良いんだけどね、って思ったら睨まれた。仕事内容は知らないけど私達の所為にしないで欲しい。
タニアさんやエリックさんが居るとは言え心臓に悪いのよ。にしても今日は話しぶりからして1日土いじりするのかな? 安全そうだし命の危険がある狩りより良いと思うんだけど。
「おーい、嬢ちゃん等、此処が昨日やった所だ。今日はコレと同じ様にやって貰うからな? 良く見ておけよ」
「コの字ブロックをトンネルになるようにして、地面に半分埋まるように穴を掘ってから埋めるんだ。それから雨が入り込まないように出入り口に小石を並べて土を被せて土手を作って踏み固める。最後にコの字ブロックにも土を被せて適度に踏み固めて完成だ」
ブロックは縦横30cm長さ150cmくらいあるのかな。丈夫そうでかなり重そう、2人で持てるかな? 3人いるかな。これを半分埋まるくらいに穴を掘るのか。
地面も固そうだしブロックは30個くらいまだあるそうだから今日は大変だろうな。戦うのに自信があるなら狩りに行きたがるのも分かるかも。
「エリック達はもう任せて大丈夫だろうから嬢ちゃん等は先ず2人ずつに分かれて穴堀だ。それぞれ俺等が初めは補助するからな」
「ランド、そりゃ良いけどコレは何の意味があるんだい?」
「ああ、タニア達には何の説明もして無かったな。このトンネルは小型の魔物の為の巣穴だ。コレならゴブリンとか人型の魔物に襲われても逃げ込めるだろ?」
「石猪や狼系の子供とかも逃げ込める。大きくなれば人型の魔物を狩ってくれるだろ? 村の柵はゴブリン共も入れないようにしたけど畑までは手が回らんからな」
「手が使えない魔物が相手なら柵もそこまで高さも必要無いし今までの柵でも充分だからな」
「つまりゴブリンとか人型の魔物を増やさない様にする為に、それを狩れる害の低い魔物を増やすって事か」
「まあそう言う事だな。石猪とかの魔物なら食えるし調整する側からしても金になるしな」
「はあ〜、良く考えてんだな」
「良く考えてんのは傭兵ギルドだよ。ったく、この歳で頭痛く成る程勉強させられるとは思わなかったぜ」
「ぷははっ、お前等が勉強とか笑っちまうな」
「俺等自身は笑えねえよ」
ボリボリと頭をかくランドさんの肩をバンバン叩きながら笑うタニアさん、貴女も脳筋だから他人事じゃないでしょうに。思わずジト目で見てしまったけど戦闘で散々お世話になってるから私達でなるべくフォローはしないとね。
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これからも宜しくお願い致します。




