第024話 VS男子生徒達
『リリィの精霊剣が細剣になったのはお主の適正に合わせたからじゃからな? リリィの所為にするで無いぞ?』
リリィが何か言ってるけどそんな問題じゃないんだよ! 12やそこらの少女達にまで可愛い子供扱いされるかも知れないんだぞ!?
『――かも?』コテリ
メーガン達に心配そうに見られながらホリー達の方にふらふらと歩いて行く。
「どっ、どうしたのアイリスちゃん!?」
「……僕、……可愛い?」涙目+小首を傾げて上目遣い
「もっ、勿論よ。アイリスちゃんは凄く可愛いわよ」
ぐはあっ!!
「そうですわ。何があったか知らないですけどアイリスちゃんは可愛いですわ! 女物の服で思い切り着飾らせたいくらいに可愛いですわ!!」
ぐふぅっ!!
「フランの言う通りよ! エリカだって、アイリスちゃんが女の子だったら可愛い過ぎて許せないくらいだもん」
ごふぁっ!!
ショックで崩れ落ちる中、皆んなに頭を撫でられ次々と止めを刺されていくアイリス。
『うーむ、流石にちょっと気の毒なのじゃ』
「おい! お前! 女にチヤホヤされて良い気になるなよ!!」
「あ?」イラッ
振り返ると生徒の中ではガタイの良い男子が大剣を引きずりながら歩いて来た。後ろに数人男子を引き連れているけど皆んなガタイが良い。
ガキのクセに俺より強そうに見えるかも知れないな、チッ。
『かも? ……往生際が悪いのコヤツ』ボソッ
「ボコボコにしてやるから勝負しやがれ!!」
「頼んで無い、失せろ」ぷいっ
(((アッ、アイリスちゃん??)))
「なっ……こっ、このチビ、女みてえなツラしてる癖に舐めてんじゃねえぞ!」
チビ、女顔、……クソ餓鬼がぁ〜、俺が何時でも子供に温厚だと思ったら大違いだぞ?
『お、……おいおい落ち着くのじゃ』
「おい、何してる」
大剣持ちのガタイが良い男の教師が間に入って来た。
「いや先生、コイツが女と話してばっかでサボってたから相手してやろうと思って」
「何だ、……サボりは駄目だぞ。やりなさい」
チッ、上から目線で偉そうに。お前俺より年下だろ、30歳くらいか? て言うかちょっとニヤけてないか?
『この餓鬼共とグルなんじゃろ。オナゴと仲が良いお主に嫉妬しとるのじゃ』
望んでねえわ! て言うかこのゴリゴリのおっさん教師が12歳の女子に囲まれてる俺に嫉妬って……、コイツ子供に欲情する変態か? ヤバくね?
ああクソ、女子には可愛い子扱いされて男子には嫉妬されるし、変態教師には目を付けられるなんてどんな罰ゲームだよ!? 何なんだよもうっ! イライラする!!
「アイリスちゃん大丈夫?」
「怪我しないようにね?」
「頑張ってねアイリスちゃん!」
やるとは言ってないのに何か知らんけど戦う事になっちゃってるよ。もうっ、もうっ! 何でだよ!?
ホリー達の応援を背に絡んで来た大剣持ちの男子と対峙する。ナイフを選んだ女子達も細剣を選んだ女子達もホリー達の後ろにいるから女子が皆んな俺を応援してるみたいになってないか?
『実際しとるじゃろ』
「互いに怪我しないように、初め!」
「っ、おらぁっ!!」
教師の合図と共に身の丈程ある大剣を振りかぶって来た。
けど遅い、身体強化魔法を使うかもと思ってたのに完全に大剣の重さに振り回されてるじゃないか。
大剣使うならよっぽど体格に恵まれてなきゃ身体強化魔法は最低限必要だろ。軽く躱すと大剣は勢い余って地面に叩きつけられた。その大剣を横から蹴り付けて剣を手放させてから細剣で面打ちする。
「イテッ!」
防具の上からでも衝撃はそれなりか。
「わあっ! アイリスちゃん凄いっ! 余裕だったじゃん。ねっフラン、ホリー」
「はい、可愛いのに凄いですわ」
「本当、やっぱり強可愛いわよね?」
エリカちゃん達がはしゃいでいるけど可愛いいる? 他の女子達も注目してる。うう……、その輪に戻りたく無い。けど此処にいたら続けて集まった男子共に連戦させられそうだ。
男子の方を見ると凄い顔で睨んで来てる。流石に剣を落として面撃ちされたら終わりだよな?
「も、良い?」
「くっ」
「まだだ! 次は俺がヤルッ! 良いですよね先生!!」
「ヨシ、その意気だ。ヤレ!」
倒した男子が下がって別の男子が出て来た。まだやんの?
次の男子は大剣を横に構えている。横薙ぎにして倒すつもりか。俺がその間合いに入らないように円を描くように下がり続けてると相手はすぐに大剣の重みで腕をプルプルさせてきた。
「おい! もっと積極的に戦わんか!!」
痺れを切らしたのかおっさん変態教師が俺を怒鳴りつけて来たけど無視無視。っと、男子の方も限界か。大剣を地面につけて引きずりながら向かって来た。
けど間合いに入っても重さで体の真後ろにある大剣を構え直してから振るうから俺の方が断然早い。
大剣を振るう前に腕を打ち付け眼前に細剣を突きつけて終わった。チラッと見たらおっさん変態教師が歯軋りしながら睨み付けてきた。
「おい、何で言った通りにしない。積極的に行けと言っただろ」
おっさん変態教師が威圧的にボケた事を言ってきた。
「弱点突く、……当たり前」
「なっ、生意気抜かすな!!」
「? 真実」コテ
「っ、このっ、……もう良い!お前等も相手してやれ!!」
何を怒ってるのか、このおっさん変態教師大丈夫か? 何か知らんけどそれから3人の大剣使いの男子の相手をさせられる事になってしまった。まあ当然全員に勝ったけど、まともに振れない大剣使いじゃなぁ。
子供の相手をさせられ精神的疲労でふらふらとホリー達の元に戻って行くとエリカちゃんに抱きつかれた。
「アイリスちゃん凄い凄い、強いじゃない!」
「本当、ビックリしましたよアイリスちゃん」
はしゃぐエリカちゃんとホリーに声を掛けられフランにまた頭を撫でられた。て言うか何か他の女子達もキラキラした瞳で見てくるんだけど? ちょっと怖くなってフランの影に隠れちゃったよ。
「うへへ、な、何かなアイリスちゃん」
「うへへってフランさん、お顔もだらしなくなってますよ?」
「ふふ、まあまあホリー、フランは可愛いモノ好きだからね。でもアイリスちゃんもちょっと自重しましょうね?」
「う?」コテ
フランを見ると確かに顔がおかしい。いつもはニコニコしてるだけのゆるふわお姉さんって感じなのに。
「アイリスちゃんは結婚相手として有望として見られてるんですよ?」
「ふあっ!?」
ホリーが爆弾発言ぶっ込んで来た!? 結婚て!! イヤ、同い年だと思われてたらアリなのか!?
『結婚か、どうするのじゃ?』
無い無い、ある訳無いだろ!? 大体同い年だと思ったら実はおっさんだったなんてこの娘等が可哀想だろが!
『まあ、そうじゃろなあ』
その後ホリー達が教えてくれたところによると、本来なら貴族でも有力商人でも無いから良い相手では無かったらしい。しかも主のビアンカお嬢様は敵国となっている隣国の伯爵家、寧ろ距離を取った方が良い相手だそうだ。当たり前か。
しかしリアースレイ精霊王国との深い繋がり、しかも国の王族とすら揉めてまで守ろうとする程の繋がりがある事が既にこの学院内にも伝わっていて、その伯爵家が一家臣に従者を2人に馬車まで付ける程大事にされているのが俺と言う訳だ。
「その上見目も非常に良くて可愛らしい。男性特有の怖さを感じない所も接しやすくて良いのです。更に剣の腕も立つとなると注目されて当然ですわ」
説明しながらフランの影からチラリと見ると女子達の目がキラキラからギラギラに変わってた。
怖っ! ――思わずまたフランに抱き付いてしまったよ。
「アイリス・フローディア」
おっさん教師の声が聞こえて振り向くとこめかみをピクピクさせながら睨みつけてきてる。――何かしたっけ?
「女共にチヤホヤされて随分と良いご身分だな?」
「? どう……致しまして??」コテリ
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