転生しました
「あー!?」
私ミランダ カランテ、派島莉央18歳。
階段から落ちた衝撃で、前世を思い出したばかり!
「ミラ!?大丈夫」
「大丈夫、かな?」
前世を思い出したなんて言えない。
ここは誤魔化しておこう。
「今日は魔法学でがんばるって話してたわね」
「うん、シャルロッテも頑張ろうね」
「え、うそ?そんな呼び方…」
なんだろう、今世の記憶が確かなら彼女の名前はシャルロッテ リリース男爵令嬢だ。
何か変な事言っただろうか?
「ごめんなさい、少し用事があるからミラ」
「ええ」
私は慣れた道を歩く。今はまるで知らない建物のようだ。
魔法学の為の広場に出ると、まだ人は集まってないらしい。
「ファイヤバレット」
抉るように地面が焼ける。
魔法も以前より強くなった気がする。
これは、転生チートと言うやつでは!?
その後は、今まで通り授業を受けた。
…なにか皆の視線を感じる。
強くなったから目立ったのかな?
昼食時間になった。
複数のテーブルが並んだ食堂に向かう。
この世界には日本食が多くある。なんでだろう?
カツ丼を頼んで席に…
「きゃ!」
「失礼」
軽くぶつかってしまったが、支えられどうにか耐えた。
思わず相手の顔を見る。
「あ、悪役令嬢フリーナ エメラルダ!」
「…悪役、令嬢?」
思い出した!ここは乙女ゲーム『 愛して!ダレスティア魔法学園』の世界だったんだ!
悪役令嬢フリーナが居るのが何よりの証拠だ。
黒く長い髪、赤い瞳、驚く程に白い肌、そして威圧感!
間違いなく悪役令嬢フリーナだ!
「あなた、名前は?」
「み、ミランダ カランテです」
「そう、貴方が…今日の放課後、第4教室に来なさい」
「あ、そのさっきのは間違えたという「来なさい」
「はい…」
やばい、明らかに目を付けられてしまった。
頭が真っ白になる。フリーナってゲーム内で凄く強かったよね?もしかして虐められるのでは?
……………………
放課後、校門の前で私は迷っていた。
このまま帰ってしまおうか、でもそれじゃあ先延ばしにしてるだけだよね。
というか逃げたら余計、虐められそう!詰み!?もう詰んでる!?
とその時、後ろから声がかけられた。
「どうしました?ミランダ カランテ嬢」
「せ、セドリック アラメシア第1王子様!?」
で、出た!
キャラクター人気ナンバーワン、セドリック王子!
メインストーリーで、金の髪、緑眼、高身長の爽やかイケメン王子様!
中身も理想の王子様で、完璧超人!
「何か悩んでいる様子ですが、理由をお聞きしても?」
「あ、その、実はフリーナ様に呼ばれてまして」
「なるほど、フリーナの良くない噂が気になって、心配になったと言う所か」
さすが悪役令嬢。
もう既に何か噂が立ってるらしい。
どうしてセドリック王子の婚約者になれたのか。
「良ければ僕もついて行こう」
「え、そんな、ご迷惑じゃ」
「婚約者の事となれば、僕が出ない道理はないよ」
「あ、ありがとうございます!」
ま、眩しい!
コレがイケメン王子様!
カッコイイ!
攻略したい!
王子様と2人で歩くのは、まるで天国の様だった。
だがしかし、確実に地獄が近づいてくる。
「さあ、着いたよ。大丈夫、後ろに僕もいる」
王子に促されて、私は扉を開ける。
部屋の中央に、フリーナはいた。
そして、私に何か筒の様なものを向けている。
もしやあれは、暗器か何かでは!?
その時、フリーナが何か引っ張って、パンっと破裂音が!
「きゃあ!?」
撃たれた!?魔法!?悲鳴をあげてしゃがみこむ。
しかし、待っても何も起きない。
おかしい、追撃は?
顔を上げると、色とりどりのテープと、フリーナの姿。
そしてフリーナは息を吸い、
「転生おめでとうございます!」
私ににっこりと、笑いかけるのであった。




