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新解釈4

西条先生は、『トミノの地獄』に解釈をつけずに亡くなられた。

それは、好きに想像してください。と、言う意味なのだろうか?

まあ、2年、この詩を読み返し、調べる度に色々出てくるんだから、空想の玩具のような側面をこの作品には感じる。


パンデミックの話を書き替える私には、感染症と闘う健気な少年トミノが見える。


両親と姉が亡くなり、診察してくれた医師に引き取られ、ウイルスのサンプルや患者と接するトミノ。


トミノは、この感染症の耐性があったのかもしれない。

こういう人はたまにいる。ノストラダムスもペストの診察などをして各地を回ったけど、感染はしなかったようだし、でも、耐性があっても、幸せとは限らない。

ノストラダムスの様に尊敬されるひともいれば、悪魔と罵られたり、感染源を疑われる人物もいる。


トミノは、どうだったのか…詩はそこまでは語らないが、感染した妹を想い、家族愛に頑張った姿を見ることは出来る。

でも、詩を読むと


先の見えない地獄の旅、春…先の希望を表すウグイスは自由を奪われ、

純粋な心を表す羊は酷使され、

トミノは悲しみにさいなまれます。


それでも、先の見えない地獄道を歩くのは、妹を治したい一心だったに違いない。

でも、それは叶わない。

詩の中では妹の生死は言及されてはいないけれど、トミノは妹と離れたことを嘆き、そして、ウグイスが妹について啼くと地獄に『キツネボタンの花が咲く』のだ。


キツネボタン…赤い花を連想してしまうが、これは実在する春の花だ。

黄色い小さな花を咲かせる。

この花は、昔は民間薬としても使われたようだが、毒である。現在では、薬としての服用はやめるようにと、色んなサイトで注意を促していた。

そして、農業関係のサイトには、軒並み牛の放牧の時に、牛がキツネボタンを食べないようにと注意をしていた。


春先の草のない時期、飢えた牛がこの草を食べて病気になる事があったらしい。


日本の草の名前で、『キツネ』と名の付くものは、大概、毒を持ってるのだそうだ。

そうやって、代々、子供たちに毒草を教えていったのかもしれない。


春…希望や始まりを告げるウグイスが、妹を思って啼くとき、地獄で『キツネボタンの花が咲く』と、言うのだから、これは、薬とも毒とも言える…新薬の開発を思わせる。


だから、妹は、新薬の開発に協力し、しかし、亡くなった…と、そんな風に私には思えた。


この辺りで、『トミノの地獄』を読み返すと、春の文字を見つけ、ああ、やっぱり、春の歌なんだ、と、納得した。


七山七谿(ななやまななたに)を越える…7×7=49日で、仏教の使者が仏になる旅の数を表していると思う。が、これはパンデミックの解釈なので、規定の試練を抜け、トミノが医者になる試験に合格した、と、考えた。


そう、医師の資格をとったトミノは…晴れて本当の地獄…感染症の最前線を闘うことになる。

亡くなった妹の赤い止めピンで白衣に名札を取り付けて…



私の解釈は、西条先生の詩とは関係の無いものだと思う。

けれど、パンデミックの最中で、私は、ちゃんとハッピーエンドで、トミノが真っ直ぐ成長し、闘う様に感動していた。


ああ、こんな風に、いい感じで自作を終わらせたい、そう思った。


『トミノの地獄』は、検索してはいけない詩なんかじゃないのだ。


西条先生の夢を込めた処女作の1つで、大正時代の夢のような作品なのだ。



と、西条先生の作品を誉めてみたところで、自作をなんとかは出来なかったけれど。

2020年、この年にノストラダムスの予言本で有名な五島勉先生が亡くなった。

マヤ歴もインド歴も、終わった感をかんじなかった私も、この訃報には、1つの時代が終わったのを感じた。


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