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番外悪霊29

「つまり、克也説をまとめると、江戸川乱歩は、リンドバーグの事件と福来博士の念写実験をベースに『悪霊』を考えた。

が、アガサ・クリスティが同じ年に『オリエント急行殺人事件』を執筆。パクリ疑惑を避けるためにエンディングを変えようとして失敗し、未完になった。

と、言うこと?」

説明しながら、混乱する。

リンドバーグ愛児誘拐事件をベースは理解できるが、福来先生が上手く噛み合わない。

大体、殺され方が『オリエント急行殺人事件』に似ていたなら、『悪霊』の殺される時点で言われるに違いない。


私は、ネットで噂される数々のパクリ検証を思い出す。

素人が書いているネット小説では、盗作を疑われる事が良くある。

それが、故意なのか、うっかりなのかは別として、これらについて、討論している読者はいる。

私も、書いていて、後から、似ている作品を見つけてぎょっとなったりした事がある。


それは、ノストラダムスなんかを書くとなると、一斉に同じテンプレで昭和、平成とテレビから小説まで書いていたんだから、オリジナルにするのは難しい。

ノストラダムスの母方のじいさんは、カバラの秘術を孫に伝授するのがテンプレだった。

が、ネットが発達した平成の終わりに、そんな話を書こうとして、じいさんが亡くなっていたらしい事を知って、頭を抱えた。


そう、いろんな問題で、完結できなかったり、終わりを変える話は、私クラスの作家にだっておこるのだ。被害者の殺され方が少し似ているくらいで文句は言ってこないんじゃないだろうか…と、したら…


ふと、エンディングも似てしまった可能性を考えた。

『オリエント急行殺人事件』の犯人は…

あのエンディングを『悪霊』に重ねる事が出来るだろうか…


「違うね。江戸川乱歩は、そんな小さな人間じゃ無いよ。本格ミステリ?今までのショボい犯人なんて、10年目の凱旋作品に書くわけはないんだよ。」


克也がなんか、乱歩を持ち上げてきたΣ( ̄□ ̄)!


「え…どうゆうことよ…まさか、アンタ、Xについて、解を既に導いたとでもいうの?」

私は、少しからかうように中2病風味に合いの手をいれた。

克也は、私の予想を颯爽と外し、その言葉を歌劇団のトップスターのように受け取った。


「勿論だよ。ここまで説明して、Xの解が分からない奴がおかしいよ。」


はあっ?


私は、混乱と怒りの入り交じった顔で山臥を見た。

目が合った山臥は、ビールジョッキ越しにウインクを返してきた(○_○)!!


駄目だ、コイツは話を聞いてない!


「ごめん。私、おかしいから解の答えが分からないよ。」


私は敗けを認め、そして、奴からノートとペンを奪うと、克也に解説を頼んだ。


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