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番外悪霊6

剛が大人しく聞いてくれるのを良い事にはじめの推理部門の設定について話始めた。


今年の推理のテーマは『お隣さん』


隣の人が絡むサスペンスだ。


私は、イベントに参加もしたいが、未完もなんとかしたいので、未完のキャラをイベントに登場させる。

今回は明智小五郎ものと、『乱歩さま』と言う自作の青春ものを中心に考えていた。


で、青春ものの方の設定を話ながら、乱歩先生の『悪霊』について頭の整理に取りかかる。


二次小説で、未完の名作のエンディングは好かれないとは書いたが、それでも、やり方次第では、それなりに評価は貰えるとも考えていた。


評価を貰える部類の話は、とにかく、鬱展開で悲惨な状態の話のまま作者が急死した場合。


この場合、読者は作者より、主人公につくから、仲間のファンが納得できるハッピーエンドの場合、大概、良い評価で終われる。


が、推理やSF、歴史みたいな部類は、専門家とか、その道の学生が絡んできたりなかなか、面倒くさい部類の話だ。


それも、乱歩作品。

あの、江戸川乱歩が、作家生活10年目にして、土下座をするような謝罪文と共に筆を折った作品なのだ。


推理とか、SFが好きな人は、頭のいい人が多いし、弁も立つ。

だから、相当すごい話じゃなきゃ、塩対応されるか、無視されるかのどちらかに違いない。


が、彼らも手を出せない人物がいる。


それは、私のような地味な素人作家である。

ついでに、読者を限定してしまえば、陰口を叩かれても、直接は文句は来ない。


そう、側を作り込むことで、推理の専門的なアラを封じるのだ。


例えば、少年を作家にし、探偵役にする。

読者は、隣にすむ老婆。

彼は老婆が大好きで、遊びに来る孫娘は、老婆の持つ小説が好き。


その中に1冊のノートを見つける。

それは、少女の祖母と伯母の書きかけの物語。


『悪霊』をベースにかかれた昭和(げんだい)ものの物語。


年を取り、なかなか里帰りも難しい伯母に向けて、2人は未完を完結させようと努力をするのだ。



これなら、登場人物が納得すれば解決で、似たような記憶のある人は、きっと好感を持ってくれるに違いない。


老婆の昔話…

昭和…少女の頃、赤毛のアンに憧れて、物語クラブを創設する。

時代は、1980年代。

この頃は、サスペンスが人気だった。

明智小五郎ものは、どちらかと言うと、70年代が主流で、80年代にはゆっくりと廃れて行くイメージがあるが、まあ、それは、それで懐かしい思い出だ。



「やはり、姉崎夫人は、レイコさんに演じてほしいわ。」

「えー、全裸で殺されちゃうんだよ…」

「龍ちゃんと鞠子役は、ユウちゃんとヨシエちゃんとかいいなぁ…」


と、よくある名前を書いてみても、唯一無二の芸能人が思い浮かぶ…そんな時代だった。


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