6話夏のホラー
女が書く、歴史物はこじんまりしてつまらない…
この言葉の意味を私は理解できなかった。
少女漫画にも歴史コスチュームの大作はあったし、 恋愛とチャーミング王子が、男性には気に入らないのだと思い込んでいた。
が、この間、唐突に気がついた。
私はケチで心が狭い…
努力には報酬が欲しい。
例え、1円だって!
だから、目標が高いと思ったら、下降修正していた。
が、それでは読者は釣れない…
小説を500円で売って、名古屋でモーニングするなんて、
ちっぽけな目標じゃ…選考期間に読者に逃げられる!
なんか、不安になってきた。
ついでに、頭の中もごちゃごちゃする。
ある程度、前置きを書いたけれど、やはり、足りない気がする。
2019年の夏に書いたホラーについても書いておくべきだろうか…
そう。本来なら、夏のホラーイベントで『トミノの地獄』のネタを披露する予定だった。
が、その年のテーマは病院…
病院と都市伝説が上手く噛み合わず、仕方なく、他の話を考えた。
当時、私はクローリーとメイザース、そして、切り裂きジャックを、追いかけていた。
ついでに、初めての連載を何とかしようと作り出したジャーナリストの男がいた。
彼は、オカルトライターで、私の代わりにクローリーとノストラダムスの予言を追いかけていた。
彼は、クローリーとメイザースの魔術の原点と思われるスコットランドへ飛び、彼らの秘密とウイスキーを手土産に帰国する。
70年代、鮮烈な死に方をした1人の作家がいた。
三島由紀夫先生だ。
本当かどうか、分からないのに書くのは気が引けるが、噂として、三島由紀夫先生が、ヒトラーの予言について、あるジャーナリストにアドバイスをした…
と言うものがあった。
私もその噂をベースに1人のジャーナリストを作り出した。
チャーチルとオカルトバトルを企てるクローリーを見極めるために、軽く物語の走り書きをした。
1970年…それは三島由紀夫先生が亡くなった年であり、
西條先生が、亡くなった年でもあった。
そして、その100年前の1870年に、ドイツ帝国が生まれ、
その初代皇帝は、1888年に亡くなった…
そう、まさに、時を同じくした1888年3月に黄金の夜明け団がイギリスで設立された。
と、こんな事をグルグルと考えながら、病院ホラーを考えた。
で、出来上がった作品は…それを読むだけでは、全然、関係性は見いだせないけど、1918年に病気で亡くなったマグレガー・メイザースをモデルにしていた。
当時の病院を調べてみると、現在の病院とは少し違っていて、入院は珍しいものらしかった。
しかし、病院でホラーを語らなければいけない関係上、メイザースを入院させる必要があった。
私には、細かいメイザースの死に際の話は調べられなかったが、当時の特殊な情況…なら、あり得なくもない…と、考えた。
西條先生が、文壇デビューする1年前…
それは、第一次世界大戦が終結した年であった。
ドイツは負けた…
革命がおこったこともあるが、もうひとつ…歴史に残るパンデミックが世界に広まっていたからだ。
スペイン風邪…H1N1亜型インフルエンザ…
メイザースは、これに感染し、亡くなった…と、噂がある。
Siriが読みやすい文章にしました




