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5話売り物

私は確かに、上品には出来ていない。

でも、呪文使いと違って、私が語りかけるのは、読者と出版社の人間だ。


何を売るのか…


私が売るのは、誤字と謎だ。

確かに、努力を信じて猛進するような、私のような作家や主人公は、ネットの読者は、お好きではないらしい。


が、私は同世代が沢山いる時代に生まれた。

ネットもテレビゲームも遠い世界にある頃。

我々は同じ映画に感動し、同じ歌に夢をのせた。


だから、私の考える謎は、同じ世代の誰かの謎でもあるはずなのだ。


だから、参考資料も極力あげないことにした。

もともと、昔からの記憶と、ノートに書き留めた怪しい情報から話を作っているのだから。


はじめはwikipediaで調べて、参照先をそれにしようと思ったが、そうしているうちに、段々、不満がたまっていった。

私はタブレットで偶然出てきた情報を組み合わせて話を作るわけではない。


復讐の騎士の存在も、

ノストラダムスの秘密の予言詩も捏造の疑惑って…


健先生は、21世紀に入ってあるインタビュー記事で、外国人のノストラダムス研究者も色々創作してるとか言ってらした。


 『そのネタ、借りていいかい?』と、健先生が捏造伝説をパリの予言研究家から貰うヴィジョンが浮かんだ。


健先生の作った話なら、ワンチャン、参考資料の提示でなんとかなるにして、外国人の作った伝説を、借りてきた場合、著作権はどうなるんだろう?

 書籍化され、華々しくデビューした自分に、パクリ疑惑が湧き、発表会に刑事が来るところを想像した。

 もちろん、BGMはあの、2時間ドラマの伝説のエンディング…

 もし、本当にそんな事が起こったとしたら?


モヤモヤするけれど、ネットと図書館以外で私に調べる術はない。金もない。


子供の頃、真実の…キンの知識だと思って大切にしまった情報が…

一般社会どころか、ファンタジーにすら使えないって、なんなのよ。


と、泣いた。


何が使える情報で、何が使ってはいけない情報か、それを分別して欲しいと思う人は、私だけではないはずだ。


段々、再挑戦が恨み言に変わって行く気がするが、それでも構成の仕方によっては、気になる人はいるはずなんだ。



だから、参考資料は出来るだけ提示しないで書いて行こうと思っていた。


私に聞かれても困るけど、どこか別のところで、この記事の情報の出どころを話したり、当てっこするのは楽しいと思うし、クイズにするなら、正解は欲しいんじゃないか、それを出版社に頼んだらどうか?なんて思っていたが、さすがに、全く、架空の資料だけで話を作るのには、限界を感じた。


自分の本を売る日が来るかは未知数だけど、自分の所持する古本は売ろうと思うので…と、いうか、売る気満々だ。まあ、それも、提示するのを躊躇する動機でもある。

確か、私のサイトでは、商業行為は禁止されていたはずだから。


まあ、めでたく生きてるうちに寿退会する日が来るまでは、私は、古本を売らない事で、たまには本当の参考資料を提示しようと思う。


で、登場するのが、岩波新書…赤い表紙の文庫本。

松原謙一先生の『遺伝子とゲノム』と言う本だ。


勿論、これも100円の激ヤス古本である。

副題にー何が見えてくるかーと、書いてあるけど、本当に、凄いもんが見えまくりましたよ〜松原先生!


私は、いつも古本を買う時は、裏表紙の情報を調べて買う。

特に、出版時期。初版がいつで、この本は何版に当たるのか?


これが大切だ。


古本…電子や新規の本と違うのは、この本は1度、何処かで誰かの人生に寄り添っている…と、言うところだ。


初版なら、話題になった頃、本屋の平積みで見つけたのかもしれないし、

版が増えれば、口コミで買ったのかもしれない。


岩波新書の場合は、なかなか、この日付で想像するのは難しいのだけれど、それでも、2004年3版なので、結構長く、元の持ち主と人生を共にしてきたのだろう。

この本は、当時、話題になっていたヒトゲノムや遺伝子について、私でも理解しやすい文章でかかれている。


ジャンル的に持ち主は男性のような気がした。

この手の本を購入するのは学生だろうか?


20才の学生として、私が購入した2019年には40代には…初めの持ち主は、なっているかもしれない。

この手の本が古本屋に流れてくるのは、卒業などの人生の分岐や、情報が古くなって処分する時のような気がした。




2019年12月

たまたま、この本を手にした私は、多分、寄生バチの話の為に買ったんだと思う。


出版時期の事は、それからしばらく忘れていた。


2002年11月20日初版

2004年11月15日3刷発行


この文字が…後に私をホラー世界に叩き落とすなんて…思いもしなかった。


調べてみると、一月辺りは、連載を止めて、呑気に『トミノの地獄』の主人公、トミノが吐いた玉をヌクレオチドに違いないとか書いていた。


松原先生のこの本は、本当に参考になった…


それは2004年『トミノの地獄』の都市伝説が生まれた辺りの、生物学についてとても分かりやすくかかれていたのだから。


私は知らずに、都市伝説の時代のゲノムの世界に迷いこんでいたのだ。


Siriが読みやすい文章にしました

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