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2話ハッピーエンド

4月になり、ツヨシが帰ったが、我々は会うことが出来なかった。

そんな雰囲気ではなかった。そして、ツヨシは無職になった。


ツヨシは、人生の荒波に躍るワイン樽のように、その流れに従って流されていた。

私は混乱していた。

とにかく、飛んでもない出来事が世の中を襲ったのだから。


そして、何の気なしに書き始めた物語と、現実のパンデミックを混同しながら慌てていた。


なんで、あんな話を考えたんだろう?

パンデミックの話なんて!


色んなオカルトエピソードが頭を回る。


昔、図書館で読んだ偶然の一致についてのお話…


『みい・ムー』的に言うなら、


緊急特集!作家は予知能力者の集まりだ!!タイタニックを予言したモーガン・ロバートソンの真実!!!



見たいになるのだろうか。ネット小説は、題名が長い方が受けるとか、聞いたことがあるが、昭和の場合は、副題が長かった。

ネット小説の題名の魅力はイマイチピンと来ないが、あの、ビックリマーク三段活用には憧れた。


1度、あんなふうな題名で、ガツンと書いてみたいと書き出したけど、書き始めると、どうにも思うようには行かない。


私は、初めての連載の失敗から、こんなふうな流れで書いている。

私は、イベントで完結した作品を終わると続きを書く癖がある。

これは、完結詐欺とも呼ばれるみたいだけど、短編についたブックマークを見ていると、嬉しくなって、アンコールを書きたくなるのだ。

少なくても、昔はそうだった…でも、ブックマークをくれた人たちも、そんなことは望んでなかったかもしれない。

上手く完結した話を、永遠の未完に変えるような続きなんて…

今はもう、そんな恥ずかしい事は思ったりしないが、こんなふうにに、おかしな方向に私は行動力を発揮するときがある。

で、2020年の春にも、それが炸裂した。


私は、思った。

『パラサイト』を改編し、ハッピーエンドにしたら、世の中もなんか良くなるのではないだろうか?



書いていて、頭が痛くなる。自分の作品が世の中を平和にするとか…

日刊総合ランキング一位を目指すより傲慢である。

が、子供時代がオカルトブームだったのだ。

モーガン・ロバートソンの書いた『タイタン号の遭難』は、後のタイタニックを予言したとか、そんな本が児童図書にも溢れていたし、漫画の内容が現実に!なんてエピソードも聞いたことがある。


これについて、大卒のなんか、偉い先生たちが、オカルト本や雑誌で、なんだかインテリジェンスでカッチョいい解説をしていた。

ノストラダムスが、ポエムを書いたのも…

ヨーロッパでは、詩人イコール予言者と見なされたからだ!!!


おおっ 

と、ビックリマーク三本で感激した、少女の私の頭の中では、サインコサインタンジェントとか、もっと有意義な数学関係の知識を押し退けて、この情報を記録した。


それが、歴史的なパンデミックのショックで…正確には、行くあてもなく無職になったツヨシと慰安旅行が消えたショックで浮上したのだった。


まだ、春先で、夏には風邪は吹き飛ぶ気がしていた。

それに、その年、はじめてアフェリエイトがもらえるサイトに登録していた。

ツヨシは秋には仕事があると言っていた。

だから、私の作品と現実がリンクしてようがしてなかろうが、少しでも稼げる話を沢山欲しかった。




世の中が暗い時は、明るい話が好まれる。

全てを書き換えて、夢の慰安旅行に行こうと思っていた。


『トミノの地獄』の新解説を…明るい解釈の話を探そうと考えた。

童謡詩人の西條先生が、子供に向けた詩なのだから、それはそんなに難しくはないと、その時はそう考えていた。


Siriが読みやすい文章にしました

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