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21話フェイク

私のファンタジーの世界は、静かに滅びようとしていた。

ファンタジー世界を統べる小さなプリンセスは、なすすべも無く、それを見つめている…


どこかで聞いたような話と言われそうだが、私のファンタジー世界は少女時代の記憶と共に作られてるんだから、プリンセスが支配しているし、

こうして、大人になり、小説なんて書きはじめ、新しい知識と共に、揺るぎ無いと信じた世界は、バンバン壊れ始めていた。


クローリーはインチキ詐欺師かもしれない…

黄金の夜明け団なんて、特撮ものの悪役みたいな名前の組織の記憶を丸々信じた自分がイタイ…


私の空想世界が崩れ始めるのだから、小さな呪文使いの世界も不安定な状態になる。


世界をなんとかしなければ!


なんだか、どこかで見たような筋書きに、なり始めたけど、まだ、テンプレ…つまり、物語の『おやくそく』の範囲と見てくれるだろうか?


小さな呪文使いは、知らないうちに世界の微かな変化を感じていた。

春先に踊る風のニンフが最近、すぐに消えて、強烈な日差しを従えて、昔は穏やかだった西風のシルフが、ヒトが変わった様に暴れ始めていた。




私の環境が変われば、私のファンタジー世界も変わる。

なろう系ファンタジーに足がすくんで動かなかった話が、こうして、何かを書き始めると動き始める。


だから、何度も習作を、無駄文を書き続ける。

誰かに見られた瞬間、世界は確かに、変わるのだから。



そう、美しかった私のファンタジー世界は、嘘つきの魔術師がカネの為に撒き散らした欺瞞で出来ていたのだ。


素行は悪くとも、本気で妖精の存在を信じているはずの大魔術師は、チャーチルとインチキホロスコープを作り始めるし、

三島健先生のノストラダムス伝説は、それに伴い、偽物の可能性を濃くしていた。


つまり、だ。


第二次世界大戦前、飛行機からデマを撒き散らしあったドイツとイギリス。

一国をタブらかそうと言うのだから、大がかり捏造を企んでいたに違いない。

第一次世界大戦の情報収集の為に発展したイギリス情報部。

スパイ映画の人気と共に、派手なアクションを繰り広げるイケメンスパイをイメージしていたが、実際は、クローリーの怪しげな解説と共に、ノストラダムスのニセ予言ドッキリを作る地味なオタク集団だったのかもしれない。


健先生は、そんな戦前の、インチキ予言をつかまされたのかもしれない…


ふと、そんなロマンチックな妄想が浮かんだ。


健先生のアンチが語る、捏造歴史…

闇の騎士団

殺人美女団

そして、予言を解読する者への闇の掟。


これらは、例え、歴史と違っていようと、捏造されたものだろうと、

捏造したのが、チャーチルやゲッペルス、クローリーだとしたら、これは、これで価値が爆上がる。


そして、健先生のイメージもインチキ作家では無くなる気がした。

ついでに、著作権の問題もほぼクリヤーする。

何しろ、関係者は既になくなっているし、

イギリス、ドイツ、両国とも、捏造した予言の著作権なんて訴えては来ないに違いないからだ。


崩壊寸前の私のファンタジー世界に、小さな希望の光が生まれた。


Siriが読みやすい文章にしました

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