表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/258

V


 気がついたら朝になっていた。朝の薄明かりの中で私は平積みの本に突撃したまま目を覚ました。

 ぼんやりと天井を見る。なんとも嫌な夢だった。

 小説フェスが近いからだろうか、自作の小説の悪夢を見るなんて。

 ため息をつく私の頭に本が落ちてくる。

 痛かった。

 webで小説を書き始めて、古本など資料が増えた。そして、未完ばかりだから本が山になっている。

 そろそろ、本気で終活しないとな。

 顔にかかった本を手にする。そして、開かれたページに驚いた。

 落ちてきたのは『大魔術入門』80年代の別冊雑誌である。

 私もWEBで小説を書いているので人気ジャンル 異世界恋愛ものを書いてみたいと思って活動している。

 が、最近のラノベの異世界は全然理解が出来ないので、ヤケクソでゴールデンドーンの異世界トリップを参考に物語を考える。

 と、言うわけでこの本を引っ張り出してきたのだ。


 この本も、処分しないとな。


 自分が死んだ後に、こんな怪しい本の山を処分する家族を思うと焦燥感に駆られる。ああ、もう少し、私の小説が人気があってお金になるなら、この本を持っていても格好がつくんだけれど…と、寂しい気持ちになる。が、そんなものは開いたページの絵を見た途端に吹き飛んだ。


 開いたページには、タロットカードの『法王』が描かれている。

 

 カードの上の方には『V』それを見た途端、夢の文字がアルファベットではない事に気がついた。


 V …ローマ数字の5って事?

 

 昨晩の夢がフラッシュバックする。

 魔王の扮装をする剛を挟んでメフィストとカイム。

 空中に赤い光で描かれる逆五芒星。

 その底の部分の逆三角の部分に五芒星の光が集まってVの字を作り出す…


 メイザースは言った。道を間違うな、と。

 メイザースはゴールデンドーンの魔術の基本を作り上げた男である。

 彼が夢で言ったなら、このカードはアストラルトリップに関係しているに違いない。

 彼らは、この世とあの世の境、アストラル界に旅をする方法を編み出していた。その一つにタロットカードを使うものがある。

 と、するなら、道とは生命の樹に関係しているに違いない。

 私はタロットカードの法王について調べる事にした。

 そして、驚愕の事実を知ることになる!


 法王のカードは、悪魔のカードと対になっていると言うのだ!!!


 「ウソ、マジで!」

思わす叫んで上半身を起こした。

法王のカードは絵の構成として、基本、左右に柱、2人の人物が前方に、後方真ん中に偉い人が1人の構成で描かれている。


 悪魔は男女で悪魔に尻をむけ、

 法王は2人の弟子が法王の方を向かい礼拝している。


 つまり、夢の剛は、法王を意味してる?


 なんだか出来すぎの夢を疑いながら、法王のカードの生命の樹の象徴を探す。

 昔、ミステリーまがじん『みぃ・ムー』の実践付録にアストラル界で道に迷ったら象徴を探せとか書いてあった気がする。

 意味はよくわからないけれど、なんか、あっちの道にはタロットカードとヘブライ文字の象徴があるんだそうだ。

 なんとなくそれを探す。


 ビンゴ(´⊙ω⊙`)


 少しだけ、ゾッとした。法王のヘブライ文字はヴァヴ 釘の意味だそうだ。

 剛が大きな釘を持っていたのを思い出した。


 道を間違う…つまり、剛は悪魔ではなく、法王だというのだろうか?


 何がなんだか、分からないままスマホの時間を見る。まだ、5時前だ。

 もう一眠りしようと思った検索画面の下の方に、ローマ法王の崩御の記事があった。


 

 


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ