14話スターダスト
『お前とは、次元が違うんだよ。』
こんなふうに言われたら、皆、きっと腹が立つに違いない。
上から目線で、何言ってんだ。と、こんな事を始める前の私だってそう言う。
が、WEBで小説を書いてみて、確かに、作家と読者では次元が違うんだと思い知った。
小説は、ひとつの事柄を一人の目線で追う物語だけれど、
小説家は、そんな物語を複数抱えて生活してる。
小説が平面だとしたら、それを積み上げた立体の世界にいるのが小説家なんだと思う。
と、言うわけで、ゲッペルスを持ち出した時点で話がぶっ飛ぶ。
いい舞台が出来たから。
そう、私は、ミステリー大賞を目指しているが、ジャンル制覇も目指してる。
昨年、WEB小説を書く動機だったツヨシが亡くなり、混乱と悲しみで書けなくなった私は『パラサイト』を完結させた。
完全な終わり方ではなかったから、完結ブーストは起こらなかった。
完結ブースト…それは、WEBで小説を書くものに伝わる伝説。
長編作品が完結したら、そこで沢山の評価をもらえるという…蜃気楼のような夢。
確かに、上位ランカーには、しばしば、見かける現象だが、中途半端な終わらせ方をしたので、私には評価と言う星は降らなかった。
連載を続けていた頃、問題が起こるたびに、『星の金貨』と言う童話を思い出した。
諦めないで前に進み続けたら、きっと、その先に幸せがある…
そう信じていた。
が、精霊と言うのは、行いを評価するし、読者も内容を評価するものだから、『星の金貨』のように、私には評価点と言う金貨は降り積もる事はなかった。
が、閲覧数だけは、爆上がりし、1万Pvを越えた。
そして、ブックマークが1つ、増えていた。
減ったのではなく、増えたのだ。
この物語の先を、残された謎を知りたいと思う人間が、少なくとも1人増えたと言うことだ。
私の謎は、まだ、商品価値があるっ!
結構、悲しかったけど、パンドラが希望を見つけたように、そのブックマークが、小さな星の欠片に見えた。
隕石…宇宙から地球に落ちてきた星の残骸。
星屑…見た目は黒い鉄の塊。
が、しかし、それを分析し、火星から落ちてきたと証明されたら、その価値は、金以上になる事だってあるのだ。
『カネになるっ!この話はまだ、終わっていないわ。』
と、思った瞬間、私も星の金貨を貰えるような清らかな人物ではない事を自覚した。
隕石ハンター…この職業が生まれたのは、今から100年前。1923年、アメリカカンザス州の生物学者ハービー・ハロー・ナイニンガーだと言われている。
彼は、その年、カンザス州に飛来した火球の残骸を買うと触れ回り、落下地点の人々が持ち込んだ石を買った。
これが始まりらしい。
落ちてきたのが金貨じゃないからと言って、無価値と言うわけではない。
隕石は、高値で取引され、そして、隕石ハンターと言う、新たな時代のトレジャーハンターを作り出したのだ。
そう、私の物語もまた、別の売り方をすれば売れる日が来るかもしれないのだ。
と、脱線した。
そう、価値は、変動する。それは、その時代、カネを出す人物の意識で変わるのだ。
福沢諭吉は、子供の頃、御神体の石を取り替えて迷信をバカにしたりしたらしいが、もし、それが希少な隕石だとしたら、バカなのは福沢諭吉の方だ。
全ては、相手にその物の価値を理解させる…セールストークなんだと思う。
私の集めた謎の欠片も、セールストークで磨いたら、光輝くかもしれない。
そして、その経験は…私のファンタジーの糧にもなる。
私は、WEBファンタジーを書いてみたいと考えている。
主人公は呪文使い…ビブリオマンサーだ。
WEBのファンタジーは、ゲーム世界をベースに考えられている。
いまだに、あの世界観は掴めないが、この5年で何となく私は、私のファンタジー世界を、魔法の原動力を見つけた。
WEBファンタジーの魔術師が手から発する魔法円の力を私は理解できないが、ここで活動していて、閲覧数は力だと理解した。
人を集める事が出来れば、夢を叶える力を手にすることがネットの世界では、あり得るのだ。
物語で人を集める我々の文字は、異世界での魔法の呪文。
私が、こうして更新を続けてPVを稼ぐように、
私の異世界では、小さな主人公が、旅で経験した事柄を物語にして、聖域で精霊を召喚する。
この小さな私の主人公の不安や夢は、こうして、私が、人集めをし、願いを叶えることで読者に理解できる存在に変化する。と、思う。
そして、これから、私は、自分の手にした謎と共に、本当のミステリーライターを召喚しようと考えている。
私が、単体で書籍に挑戦は無理かもしれない。
が、しかし、他の誰かの物語の、狂言回しになる可能性は残っている…ことにしておこう。
こうして、言葉として発すると、一気に緊張感が生まれ、そして、空想の世界の小さな呪文使いが、精霊王を召喚する気持ちを体現できる。
いるのだ。ネットには
夢を叶える大いなる力を持つ何者かが、
そして、誰もが、思ったときから、ビブリオマンサーの力を持っているのだ。
なんて、煽っちゃったけど、先、続けられるんかな…
Siriが読みやすいようにしました




