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冥王の迷宮 24



「ごめん…私、考え事してた?」

私は慌てた。

「そうだね。」

と、山臥は少し責めるように見るが、絶対、秒で隣の女子に気がいってたに違いないのだ。

「うん…なんかさ、アンタとこうして話してるのって、凄くミラクルなんだって思ってさ。」

少し照れながら言った。そんな私を山臥は好意的に笑ってみた。

「ああ。出会いは全てミラクルなんだ。」

山臥はウィンクをした。

これが、普通の挨拶程度なんだから呆れてしまう。


「うん。ガリレオと科学を調べて、自分の常識が混乱したよ…

でさ、天王星からの物語は、物凄かったよ…

チチウス・ボーデの法則とか飛び出すし…

ねえ、ボーデの法則、知ってる?」

不安になって聞いてみた。

チチウス・ボーデの法則なんて、実はマイナーで山臥とか、私の読者は知らないかもしれない。

「うーん。聞いたことあるね。」

と、山臥は愛想笑いをする。

「まあ、知らなくても、我々の人生に支障はないけどさ、この法則を足掛かりに夜空を探して、見えない遠くの惑星を見つけたらしいんだ。」

私は、大雑把に説明した。

山臥は、目を伏せて上品に笑う。

顎のラインが細く、口が若干小さな彼は、テーブルで両手を組んでこんな顔をすると知的に見える。

「ああ、何となく知ってるよ。10番惑星を探していた法則だよね?」

山臥の台詞に80年代のワチャワチャを思い出していた。

「正確には…ちょっち違うけど…10番惑星を見つけようとする人の中には参考にした人もいたと思うわ。」

私は、頭の外れで引っ掛かっている「惑星X」について考えた。


惑星X…1915年、パーシバルはそれを探す決意をして冥王星を見つける道しるべを残した。


が、1980年代の惑星Xは、その先にある10番目の惑星についてである。

木星や土星に到達した探査衛星からの情報が入手出来たのもあったのだと思う。

なかでも、ロバート博士は惑星Xの研究半ばで癌で亡くなった事が陰謀論として噂が流れたのを何となく思い出した。


ロバート博士の謎については、私にはよく分からない。

そして、それより気になる事があった。


冥王星である。


1980代…確かに、何かで冥王星は話題になっていた。

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