表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/258

冥王の迷宮 20



まあ、なんだ、とにかく天王星の発見は皆を混乱に陥れた。


そんな時、皆、とにかく現状を調べたに違いない。

そして、現れた天王星について調べる。


天文学も占星術もこの時点でやる事は同じだ。


観測と軌道計算。


こうして考えればどちらも、数学的世界構築(ピタゴラス)派の教徒に見えてくる。

調和する数式を信じて、世界を表現する…

占星術が占いだからって、いきなり、怪しげなビジョンなんて見たりはしないのだ。


12才のバレンタインで混乱する私は、学校の生徒の親の相性を調べた。

まずは、分かる所から足掛かりをつけるのは、小学生だろうが、占星術師だろうが同じである。

天王星の軌道を計算し、過去の出来事を探して行く。占い師は人の歴史にそれを見て、

学者達は、宇宙(そら)に、太陽系の一部としての天王星を見る。

そして、机上の数式に新たな星を探し始める。


今の私は…2022年の皆既月食の記事を調べた。

皆既月食時に惑星の食がおこるのは、極めてまれな出来事なのだそうだ。

次に日本でおきるのは、300数年後に土星食と言う記事がネットでたくさん検索された。

前回は、400年以上昔、織田信長が生きていた時代だそうで…土星食だ。


天王星は発見されてないから、計算で探すしかないんだろうけれど、なんだか、凄く珍しいのは分かった。

確かに、皆既月食の惑星食はとても珍しく日本で観測出来たのは400年以上前の話である。


そして、様々な記事を見ている先に、1930年の文字を見つけた。


1930年…その年も皆既月食があった…

日本では部分食ではあったらしいが…

そのすぐ横に…天王星が輝いている!


ゾクリとした。


1930年は冥王星が発見された年である。

偶然?

そう、物凄く(まれ)な偶然…

数十年から数百年…ランダムにしかおこらない皆既月食の惑星食…この時は惑星食、とまではいかなかったらしいが…


偶然と言えば、冥王星の発見もまた、偶然…いや、奇跡に近い感じで見つかったらしい。


冥王星を発見したのはクライド・トンボーである。

が、そこにはプロローグがある。

彼が所属するローウェル天文台を創設したパーシバル・ローウェルが

『惑星X探そうぜ!』

と、提言したのだ。


見えない何かを探す。

この時代の科学もまた、オカルトのような部分があったんだと思う。

見えないけれどそれは存在し、世界に影響を与える…


今回は重力だった。


海王星が発見されたのは、天王星軌道が何かの重力の影響を受けている…


そこを突き詰めて見つけたのが海王星である。

そして、その海王星の軌道も、何かの重力の影響を受けているようだった。


「惑星Xは存在するっ!」

なんか、最近、動画サイトでよく見かけるけど、それじゃない。

ローウェルの探求は冥王星に繋がる物語である。


ローウェルは天文台を建て、独自に軌道を計算し、そして、当時、最新の技術を使って空の観測をした。

でも、1916年…パーシバル・ローウェルは亡くなってしまう。


そして、その意思を継いだのがトンボーだった。


ローウェルの死後、様々な問題にめげずに天文台を再開し、そうして、ローウェルの予言した軌道にソレを見つけるのだ。


惑星X…後の冥王星を

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ