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冥王の迷宮 16



ネットで月食のニュースを見ながら、占星術師の人物像を考える。


天文学者も占星術師も、結局は軌道計算はする。

で、惑星や天文イベントを調べる。


2022年の月食の時には、天王星が月に隠れる、珍しい現象も発生したらしい。

この時、『食』と言われる惑星が見た目重なる現象を重要視する意味が理解できた気がした。


重なる…つまり、この現象を観察すると、どちらが地球から近いか、遠いかが分かるのだ。


天文学者は、この状態を予測できたら天体観測をする。学者は気持ちを宇宙(そら)に全ふりする。

でも、占星術師は、宇宙ではなく、地上を気にしたに違いない。

現在、私が来年の月食に世界の状況に気持ちが行くように。


月と天王星が食…つまり、コンジャクションになると、占い師は地上の星を探し始める。


天文学での月と天王星の食は、惑星の距離や様々な星の関係性を推理するヒントを探すイベントで、

占星術師の月と天王星のコンジャクションは、感情の月と天王星の天真爛漫さが織り成す、自己表現…悪く言えば、独断専行、わがまま、といった風な世相を過去に探す。


ここに来て、英国王の名前から、七転八倒の展開を受け、ボーデに名付けられた天体が、本当にギリシア神話の神秘のパワーがあるのか、疑問を感じてきた。

長くなる…か、考えないわけには行かない(>_<。)


いや、今まで、なんで考えなかった、私?


天王星…つい、200年ちょっと前に見つけられて、なんか、学者が適当につけた名前に、なんの神秘があると言うのだろう?


名付け親、ちょっぴり法則が怪しげなボーデさんだよ?

と、言うか、ボーデさんだって、ビックリだろう。

ジョージの星から、自分が改名した惑星にウラヌスの力がみなぎったら…



なんか…調べれば調べるほど、自分の人生が悲しくなるわ…


ため息がこぼれる…

こんなんじゃ、小説なんて書けないじゃんか…


小説すら…書けないじゃんか(T-T)


悲しくなってきた。

少女時代に買った本は怪しい情報ばかりで、それでも夢や興味が溢れていた。

友達がラブロマンスや可愛いグッツを集めていた頃、私はオカルト関連の本に小遣いを費やした。


私のようなキャラは、ネクラと呼ばれた。

でも、私は気にしなかった。気持ちは既に、ボイジャーと共にスイングバイを繰り返して夢の10番惑星の探査にぶっ飛んでいたから。


例え、この知識が社会生活に役立たなくても…

私は、いつか、この知識で小説を書こう。


小説家になるんだ。


そんな事を考えた小さな私が痛かった。

そして、決して豊かではなかった父がくれたこずかいを、本当に無駄遣いにしてしまった事に涙が流れた。


誤字も脱字も日本語も怪しいけど、頭だってそんなによくないけど、

私は、21世紀の技術の進化で小説を書いて発信している。


世界に…翻訳機能付きで!


宇宙旅行も…友人と名古屋にもいけなかったけど、でも、ただ、更新を続けるだけで、私は、Webで小説家でいられる。


宮沢賢治だって、生前は叶わなかった、世界に向かって世界を表現することを出来る時代にいるのに…


ソフトがダメダメって…


「お父さん…ごめんよ…」


思わず声が漏れた。

人生の終盤でこんな結末悲しすぎるよ…


聞き流していた動画サイトから懐かしいアニメのエンディング曲が流れて、それに合わせて少女の私が夜空を見ている姿が思い浮かんだ。


いつか、大人になったら…


そう夢見たほとんどは叶わなかった…

でも、年老いた私は、物語を書いている。

モーニングを一人分、稼ぐことも、『いいね』も貰えた。


絶対に叶わないと、さっさと諦めた夢だった…


でも、願いが叶うと、少女時代の美しい夢の世界が壊れていく…


冥王星が準惑星に変わろうと揺るぎなく夢の世界で輝いていた冥王は…萎れたように色褪せて、醜く歪んでいく…


私は、これから…どうしたら…


深い迷宮に迷い混んだ気がした。

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