冥王の迷宮 15
ノストラダムスは深夜、謎の儀式で未来を見た…と、少女時代に本で読んだ。
ワクワクする物語の占い師は、作者の『釣り』の役割を担っている。
だから、正確ではなくとも、物語が面白くなるような展開を口にするし、続きが読みたくなるような、神秘的な表現をされる。
小さな頃、作家の先生は何でも知ってる頭の良い人で、間違った事なんて子供の本には書かないのだと固く信じていた。
違う部分があるとすれば…それはファンタジー部分なんだと。
まさか、占い師なんて怪しい存在は、面倒くさいから、なんか、適当に書いちゃおう。
なんて、考えて書いていた可能性なんて考えた事はなかった。
だから、私も星を眺めた。
学校では8時位に現れる星座を授業として熱心に教えてくれた。が、混乱や面倒を考えたのか、深夜の星については教えてくれなかった。
まあ、それは当たっていると思う。
ノストラダムスやら、少女漫画のカッコいい占星術師に憧れて、私も深夜の空を眺めてみた。
深夜の夜空には、私には分からない、何か、神秘が隠されてると思ったから。
運が悪いことに、日本人の私は、丑三つ時の藁人形の呪いの漫画やドラマにも影響を受けていた。
丑三つ時…大雑把に2時頃に神様が木を伝って降りてくる…だから、その木に怨念を打ち込むとか、そんな話を信じていた。
そんな事を神主さんに話したら、きっと怒られるし、実行したら、賽銭泥棒が横行する現在、無断侵入やら器物破損ですぐに通報されてしまう。
藁人形を打ってるときに人に目撃されたら、自分が呪われる上に、白装束のあのスタイルで警官に捕まる瞬間動画をSNSで拡散されたら、もう、呪いより最悪である。
子供が深夜に冒険なんて、絶対にしてはいけない時代なんだ…
トムソーヤのような冒険話も書けない世の中なんかなぁ…と、切なくなる。
脱線した…
ともかく、深夜に夜空を見たところで、未来のビジョンなんて浮かんでは来ないし、天体観測も時間でするもんじゃない。
ここでまともな資料を手にする。
2025年の天体観測の本だ。
例えば、2025年は火星が接近する。
それをみるには、接近する日時と目安にする星座の情報で空を見ることになるし、
皆既月食もある。今回は深夜におこるらしいけど、いつも深夜と言うわけでもない。
これらは、天体に詳しい人が今から計算で導いている。
深夜の星から教わったわけではない。
天文学者は、探偵のように星の軌道を推理して、求めた位置の回答を夜空に探す。
では…占星術師はどうだろう?
月食…
古来、月食は不吉とされていた。
バビロニアでは、王の運勢に関わるとか…聞いたよなぁ…
ふと、そんな事を思い出した。
2024年11月現在、日本の総理大臣が変わり、大統領選が行われている…
2025年新しい政権が動き出す…
そう考えると、なんだか星の動きにミステリーを感じてくる。
これが…占星術師の視点なんだろうか?
星のイベントに人間社会の色々を思い浮かべる…
ロシアに中東に、不穏なニュースが流れている。
来年の9月…
日本は、世界は…どうなるのだろう?




