番外 教えておくれよブラバッキー12
帰宅して自室につくとすぐに私は今日、仕入れたネタをノートに書き始めた。
山臥はチャランポランでロクデナシだけれど、私には無い色々なスキルがある。
で、今回、参考になったのは
≪人の目を見ながら真正面で見るのは恥ずかしい。
なぜなら、自分が相手を見つめると、相手も自分を見つめているから…
顔に自信がないと、なかなか辛いものである≫
昔の少女漫画だと主人公が暴君ヒーローにそれをやって話が進む。
ドキドキしながら見ていた。
この時、活字的にはヒロインは普通の冴えない女の子設定で、私もそれを信じていた。
少女漫画は9割が美男美女だから、感覚がおかしくなるんだ。
やっぱり…あのヒロイン、美少女だったんじゃないか(>_<。)
と、とぼけた文句を呟きたくなる。
と、同時に、小学時代不思議だった、男子と目を見ながら喧嘩しても、自分には一度も少女漫画の展開にはならない原因を理解した…
あはははっ(≧∇≦)
なんか、つぼる…
少女私、恋愛展開、期待したんか…
クラスの男子を思い出しながら、当時の自分の心理の不思議を思い、それから、コーヒーに少しシングルモルトを加えて飲んだ。
恋愛小説を進めよう。
スマホを取り出す。
お気に入りの曲を再生し、静かな夜に連載途中の物語を思い出す。
私は、話に困るとサイドストーリーを作っては未完を作ってしまうので書くものは沢山ある。
もう、書き続けても…私の夢は叶わないのに…
少し切なくもなるが、それでも、私は、私の話に愛着があった。
そして、完結に執着もしてる。
友人の死に立ち会えなかった、中途半端な気持ちが、あの小さなボタンを押したときに解消する気がしたのだ。
とはいえ、まずはネタをいれなくては。
物語には悪魔が登場する。悪魔について調べる必要があった。
本棚から悪魔や天使について書いている本を取り出した。
そして、それを開いたとき、ふと見た図形に気持ちがとんだ。
ダンテの宇宙の概念図
地球を中心に宇宙にバラの浮いているそれを見た途端、悟った。
何が悪かったのかを…
そう、ガリレオだ。
ガリレオの物語とアポロの月面到着だ!
それで、間違った天動説の知識が植え付けられたのだ(>_<。)
ダンテの宇宙の概念図なんて、聞いても思い浮かばないけど、この宇宙のバラは見覚えがあった。
人生で何度も見ていたコレが、正解だったんだ…
胸が震えた。
そう、学校も子供用の物語も、間違った宇宙観については適当に省いていた。
ガリレオは、20世紀の地動説を唱えていた。
でも、違うのだ。
19世紀、ブラバッキーがオカルトの新風をふかせる…ホームズの時代の宇宙は…まさに、ダンテの宇宙の概念図にあるのだ。
ガリレオが20世紀の地動説を知るわけは無いんだ。
ここに来て、山臥から貰った恋愛脳が一気に消えて行くのを感じた。




