1922年3
聖マラキが105番目に予言した法王は『勇気ある信仰』
コンクラーベを経て、ピオ11世となった法王は…この言葉に何を考えただろう?
「ふふっ。なんか面白いこと考えるわね?」
ベルフェゴールは、楽しそうに笑う。
「なによ。仕方ないでしょ?スターリンとか、ムッソリーニなんて、学校の授業だって良くわからなかったのに…」
私は文句をいった。
「あら、私は誉めてるのよ?学級崩壊に例えるなんて!ソビエトを暴走族に例えるって新鮮。」
ベルフェゴールは、クスクス笑う。
「笑わないでよぅ…ほら、アメリカの偉い人が『国家とは大きな家庭だ』って言ってたじゃん。」
「そんな名言あったかしら?」
ベルフェゴールの不可思議な顔が…不安を誘うが、そこでつまずく時間はない。
「まあ、それはいいのよ。それよりも今は、ソビエトよっ(>_<。)
私はねっ、冷戦時代の人間よっ。学習機能でももう、『冷戦』って一番には出してくれないんだから。」
ああ…ふと、戦前の話をする親世代をバカにしていたくそガキの自分がフラッシュバックする。
「冷戦…そんな事あったわね。」
かわいい顔で、私より年よりのようにベルフェゴールは『冷戦』を懐かしんだ。
「あったわねって…そうね、なんかさ、戦時中を語る校長先生になった気分だよ〜」
ああ、自分の年を実感する。
「校長…」
「そうよ、はぁ…ピオ11世は、『勇気ある信仰』って二つ名を貰ったらしいけど、私がつけるなら『忍耐ある信仰』って感じよ〜
何て言うか…この時代の法王様って、学級崩壊起こした学級の担任みたいに感じるのよ。」
私は一度、ため息をついてから説明をはじめた。




